東芝、上場廃止で何が起きたのか?日本型経営の黄昏?東芝上場廃止が示す、日本経済の転換点
日本を代表した東芝の上場廃止は、日本企業が直面する苦境を象徴する。過去の栄光と不正会計、グローバル競争の激化、そして欧米型投資家の台頭。株主利益優先のコーポレートガバナンス改革が、従業員の待遇悪化と技術流出を招き、日本の競争力を蝕む。東芝の教訓から、長期的な視点と従業員の自主性を尊重する経営の重要性を再認識する。今、日本の企業はどう立ち向かうのか?
💡 東芝は、74年の上場企業としての歴史に幕を閉じ、2023年11月に上場廃止。
💡 不正会計問題やウェスチングハウスの巨額損失が経営悪化の原因。
💡 日本型経営の終焉と、株主資本主義の台頭が、東芝の現状を招いた可能性。
本日は東芝の上場廃止をテーマに、その背景や影響について詳しく見ていきましょう。
栄光と転落の序章
東芝の栄光と凋落… その要因は何だった?
経営危機、そしてTOB成立と上場廃止。
東芝は、高度経済成長を牽引した名門企業でしたが、様々な問題に直面し、最終的に上場廃止となりました。
その道のりを振り返ります。
公開日:2023/12/20

✅ 日本の家電メーカー東芝は、2023年11月20日に株式上場を廃止し、74年にわたる上場企業としての歴史に幕を閉じた。
✅ 2015年の不正会計発覚以降、東芝は上場廃止を回避するため、ノートパソコンや薄型テレビなど身近な事業を売却し、経営再建を目指している。
✅ 1875年創業で、高度経済成長を牽引した名門企業であったが、不正会計問題やウェスチングハウスの巨額赤字により経営が悪化し、再建のために優良事業の売却を迫られた。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20231220/k00/00m/020/163000c東芝の栄光と転落の歴史には、日本経済の縮図を見る思いです。
企業の盛衰は、社会全体の変動と密接に繋がっていると感じます。
かつて日本を代表する企業であった東芝は、国内企業連合によるTOB成立と年内の上場廃止という、衝撃的な結末を迎えることになりました。
その歴史は、日本経済の成長を支え、社会に貢献してきた輝かしいものでしたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
東芝は、社外から招聘した経営者(石坂泰三氏、土光敏夫氏)の手腕により、経営危機を乗り越え、高度経済成長期を駆け抜けました。
特に土光敏夫氏は、従業員の自主性を尊重する経営風土を醸成し、世界初の製品開発を支える原動力となりました。
なるほど。東芝の歴史はまさに日本の高度経済成長と重なりますね。土光敏夫氏のようなカリスマ経営者の存在も大きかったわけだ。まさに、栄光と転落…ドラマだな!
綻び始めた歯車
東芝を狂わせた原因は?不正会計問題の背景とは?
売上目標達成の強要、国際競争力の loss、株主との対立。
東芝は、不正会計問題や米原発子会社の経営破綻など、様々な問題に直面しました。
この章では、その詳細を見ていきましょう。
公開日:2023/09/21

✅ 東芝は、2015年の不正会計問題を発端に経営混乱が始まり、米原発子会社の経営破綻や物言う株主との対立を経験した。
✅ 経営再建を目指し、2分割案が否決された後、国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)を中心とする連合による買収提案を受け入れた。
✅ 東芝は、度重なる経営陣の交代や大きな経営方針の変更を認め、JIP案への株主からの応募を推奨した。
さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/ASR9P6DPXR9NULFA021.html企業経営の難しさ、そして、一度狂い始めた歯車を立て直すことの困難さを痛感します。
目先の利益を追及した結果が、企業の将来を蝕んでいくというのは悲しいですね。
しかしバブル崩壊やリーマンショックといった経済的変動、そして経営者の「チャレンジ」という号令のもと、東芝の歯車は少しずつ狂い始めます。
過度な売上目標達成が迫られ、結果として不正会計問題が発生。
目先の収益を追求する経営へと傾倒し、周囲がブレーキをかけることが難しくなっていきました。
世界経済のデジタル化や国際分業の中で競争力を失い、資産の切り売りによって事業運営体制は縮小。
債務超過を脱し上場を維持するために公募増資を実施しましたが、モノ言う株主の増加により株主との利害調整が困難になりました。
はあ、経済のバブル崩壊とか、リーマンショックとか…色んなことがあったよね。でも、なんで不正会計なんかやっちゃったんだろうね?もっと、長い目でモノを見れば良かったのに。
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