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ニューリテール「フーマーフレッシュ」の挑戦と変遷?中国ニューリテール市場におけるフーマーフレッシュの軌跡

中国発、OMO(オンラインとオフライン融合)型スーパー「盒馬鮮生」の栄枯盛衰。アリババのニューリテール戦略の象徴として急成長するも、経営環境の変化や課題に直面。商品力と効率化で黒字化を達成するも、親会社のアリババは新小売事業見直しへ。会員制店舗撤退など、変化を続ける盒馬鮮生の、未来への戦略とは?

ニューリテール「フーマーフレッシュ」の挑戦と変遷?中国ニューリテール市場におけるフーマーフレッシュの軌跡

📘 この記事で分かる事!

💡 フーマーフレッシュは、中国でオンラインとオフラインを融合したOMO戦略を展開し、30分以内の配送サービスを提供しました。

💡 高品質な商品と革新的な購買体験を提供し、中国の消費者から高い評価を得て、急成長を遂げました。

💡 しかし、競争の激化や事業戦略の見直しから、店舗閉鎖やEC事業への回帰など、変化を余儀なくされました。

まず、フーマーフレッシュが中国の消費者にどのような影響を与えたのか、そして、そのビジネスモデルがどのように変化してきたのかを紐解いていきましょう。

ニューリテールの先駆者、フーマー鮮生の誕生と成長

フーマーフレッシュ、栄枯盛衰の理由は?

模倣、カリスマ性低下、安全性への懸念。

中国のニューリテール市場は激しい競争の中にあり、フーマーフレッシュも例外ではありませんでした。

今回は、フーマーフレッシュの誕生から、成長、そして直面した課題について見ていきましょう。

フーマー・フレッシュ」が初の閉店!踊り場を迎える中国の「新小売」 _流通・小売業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】

公開日:2019/11/29

フーマー・フレッシュ」が初の閉店!踊り場を迎える中国の「新小売」 _流通・小売業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】

✅ 中国でOMO(オンラインとオフラインの統合)を推進するニューリテール戦略が転換期を迎えており、アリババの「盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)」が初の店舗閉鎖を行った。

✅ フーマー・フレッシュは、大都市での成功モデルを地方都市に展開する戦略をとっていたものの、採算確保に苦戦し、初の店舗閉鎖に至った。

✅ フーマー・フレッシュだけでなく、京東の「7FRESH」や美団の「小柄生爽」など、他のニューリテール店舗でも事業の見直しや縮小が進んでいる。

さらに読む ⇒流通・小売業界で働く人の情報サイト_ダイヤモンド・チェーンストアオンライン出典/画像元: https://diamond-rm.net/overseas/34863/

フーマーフレッシュは、革新的なビジネスモデルで注目を集めましたが、その後、競争激化や戦略の見直しによって、苦戦を強いられたんですね。

中国のIT大手アリババが提唱したニューリテールの具現化として、2016年に誕生した生鮮スーパー「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」は、オンラインとオフラインを融合させたOMO(Online Merges with Offline)のコンセプトを掲げ、高品質な商品と短時間配送を実現しました。

2017年に注目を集め、2018年までは急拡大を遂げましたが、その後、ビジネスモデルの模倣や創業者ジャック・マー氏のカリスマ性低下、食品安全性への懸念などから評価が低下し、2021年にはアリババ本体からの資金注入も受けられなくなりました。

なるほど、アリババがニューリテールに注力した背景には、EC市場の成長鈍化もあったでしょう。それにしても、急成長したモデルが、あっという間に変化を迫られるとは、ビジネスの世界は厳しい。

苦難を乗り越えての黒字化

フーマーフレッシュ、生鮮食品で黒字化できた秘訣は?

効率的な運営、サプライチェーン、商品開発!

黒字化を目指し、フーマーフレッシュは新たな戦略を展開しました。

アウトレット展開や、多様な販売形態への挑戦を通じて、利益確保に努めたのです。

その詳細を見ていきましょう。

全面黒字化を達成したフーマフレッシュ。次の成長戦略はアウトレット。訳あり商品を半額で販売

公開日:2023/02/12

全面黒字化を達成したフーマフレッシュ。次の成長戦略はアウトレット。訳あり商品を半額で販売

✅ フーマフレッシュは、賞味期限切れ間近の商品などを半額で販売するフーマアウトレットを展開し、黒字化を目指している。高所得者層向けのフーマ本体とは異なり、アウトレットは郊外の中所得者層を取り込む戦略である。

✅ フーマフレッシュは、アリババの新小売モデルに基づき、スマホ注文・店舗購入、30分配達・店舗受け取りを組み合わせた革新的な購入体験を提供している。

✅ フーマは、アリペイの決済データ分析に基づき高所得者地域に出店してきたが、その後の成長戦略として、都市周辺部向けに盒馬小駅や盒馬miniを試みるも、アウトレットという「解」にたどり着いた。

さらに読む ⇒中華IT最新事情出典/画像元: https://tamakino.hatenablog.com/entry/2023/02/13/080000

フーマーフレッシュは、黒字化に向けて、様々な工夫を凝らしたんですね。

郊外の中所得者層をターゲットにしたアウトレット展開は、興味深い戦略です。

フーマーフレッシュは2019年から2021年の間に、ニューリテールの核心である商品力と効率的なオペレーティングシステムを構築することに注力しました。

プライベートブランド商品の拡大、会員制大型店や野菜市場、小型店舗など多様な販売形態の展開を通じて利益を確保し、中国では難しいとされていた生鮮食品での黒字化を達成しました。

その背景には、効率的な店舗運営、サプライチェーンの最適化、顧客ニーズに合わせた商品開発がありました。

フーマーフレッシュ、すごいんだ。私、スーパーの品揃えとか価格とか、結構気になるから、アウトレットは嬉しいな~!

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30分配送で急成長したフーマーフレッシュ。アリババ売却検討も、CEO改革で収益改善!会員制事業撤退も、今後の成長に期待。