洋上風力発電の落札劇、三菱商事の撤退劇…今後の再生可能エネルギー戦略への影響は?(洋上風力、三菱商事、撤退)三菱商事、洋上風力発電から撤退へ。事業環境の悪化と再生可能エネルギー戦略への影響
三菱商事による洋上風力発電事業からの撤退。入札価格の安さで落札も、建設費高騰で採算割れ。再生可能エネルギーの切り札として期待された洋上風力、その現状と課題を炙り出す。政府目標達成への影響、制度設計の見直し、そして今後の洋上風力発電の行方は? 脱炭素社会への道のりは不透明さを増す。
💡 三菱商事が、秋田県と千葉県沖の洋上風力発電事業から撤退する方向で調整している。
💡 撤退理由は、資材費や人件費の高騰による採算悪化、三菱商事は減損損失を計上。
💡 今回の撤退は、政府の再生可能エネルギー戦略の見直しを迫る可能性があり、今後の入札にも影響か。
本日は、三菱商事による洋上風力発電事業からの撤退について、詳しく見ていきます。
まずは、この記事で分かることの概要をお伝えします。
風力発電への期待と落札劇
三菱商事が洋上風力発電で落札できた秘訣は?
低価格と技術提案、地域貢献が決め手!
三菱商事と中部電力などが落札した洋上風力発電事業。
2021年に落札したものの、資材費高騰で撤退の動き。
政府の再生可能エネルギー戦略に影響は?。
公開日:2025/08/26

✅ 三菱商事や中部電力などが、秋田県と千葉県沖で計画していた洋上風力発電所の建設から撤退する方向で調整に入った。
✅ 資材費や人件費の高騰により採算確保が難しくなったことが理由で、2021年に受注したものの、風車134基の設置と28〜30年の運転開始を目指していた。
✅ 三菱商事は既に洋上風力事業で減損損失を計上しており、今回の撤退により、政府は再生可能エネルギー戦略の見直しを迫られる可能性がある。
さらに読む ⇒dメニューニュース|NTTドコモ(docomo)のポータルサイト出典/画像元: https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-_economy_business_7AYUJDHTABIXLAF4SHMTU24NMA落札時は低価格を提示し、高い評価を得ましたが、その後の状況変化は企業経営の難しさを示唆しますね。
再生可能エネルギーへの移行は喫緊の課題ですが、コスト面での課題も浮き彫りになりました。
2021年、三菱商事を中心とする企業連合は、秋田県沖と千葉県沖の3つの海域における洋上風力発電事業を落札しました。
この「第1ラウンド」の事業者選定は、再生可能エネルギー海域利用法に基づき、供給価格と事業実現性で評価されました。
三菱商事は、他社を圧倒する低価格(秋田県沖で1kWhあたり11.99~13.26円、千葉県沖で16.49円)を提示し、高い評価を獲得。
欧州での洋上風力発電の知見を活かした技術提案、徹底した設計、地域貢献の提案も評価され、価格競争を勝ち抜きました。
政府は30年までに10GW、40年までに30~45GWの洋上風力発電を目標としており、洋上風力発電は再生可能エネルギーの主力電源化に向けた「切り札」と位置付けられていました。
なるほど、落札価格が安すぎたってことですか。企業としては、当然、採算が取れないと判断したら撤退せざるを得ないでしょう。それにしても、政府の目標達成に暗雲が立ち込めてますな。
事業環境の悪化と再評価の始まり
三菱商事の洋上風力発電事業、なぜ再評価?
事業環境激変で採算確保が困難になったため。
洋上風力発電事業のコスト増と事業環境の悪化により、三菱商事が再評価を発表。
政府の国内産業育成構想にも影響か?価格競争の激化が懸念材料。
公開日:2022/04/18

✅ 三菱商事が日本初の洋上風力発電入札で3件全てを安値で落札し、関連産業や地域経済に衝撃を与え、価格競争による産業基盤育成への懸念が高まっている。
✅ 三菱商事は地域貢献策や欧州での経験を強調しているものの、資源価格高騰により低コスト実現への不透明感が漂い、政府が推進する洋上風力発電による国内産業育成という構想に影響が出始めている。
✅ 洋上風力発電はEV分野での雇用喪失の受け皿としても期待されていたが、風車製造工場の撤退など国内産業基盤が脆弱であり、価格競争が激化することで関連産業の育成が阻害される可能性も指摘されている。
さらに読む ⇒週刊エコノミスト Online出典/画像元: https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220309/se1/00m/020/006000d世界的な事業環境の激変、建設費の高騰、本当に企業の経営判断は難しいですね。
洋上風力発電に対する期待が大きいだけに、今後の展開が気になります。
しかし、三菱商事は2022年2月、洋上風力発電事業の再評価を発表。
新型コロナウイルス感染症の蔓延、ウクライナ危機によるサプライチェーンのひっ迫、インフレ、為替・金利上昇など、世界的な事業環境の激変がその理由でした。
建設費は入札時の見積もりから2倍以上に膨れ上がり、採算確保が困難になったのです。
三菱商事と中部電力の企業連合は、2028~30年の運転開始を目指していましたが、状況は一変しました。
秋田県の佐竹知事は、三菱商事が夏の間に再評価の結果を示すと説明していることを明らかにしました。
あら、まあ。せっかく落札したのに、状況がこんなに変わっちゃうなんて、ほんま大変やね。でも、再評価ってことは、まだ何とかなるってことなんかな?
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三菱商事が洋上風力発電から撤退。コスト増で採算悪化、政府の目標達成に暗雲。今後の入札や制度設計に影響も。脱炭素社会への道は険しい。