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木材市場はどうなる?~世界と日本の木材需給の最新動向と課題?世界の木材市場と日本の未来

世界の木材市場は激動!2019年の丸太消費減から、米中貿易摩擦、ウッドショックを経て、中国による米国産原木輸入停止まで、目まぐるしい変化を辿っています。輸入依存度の高い日本は、国産材利用促進が急務。SDGsの観点からも、持続可能な木材利用への転換が求められています。木材貿易の最新動向と、今後の課題を読み解きます。

木材市場はどうなる?~世界と日本の木材需給の最新動向と課題?世界の木材市場と日本の未来

📘 この記事で分かる事!

💡 世界的な木材需要の動向、主要国の木材貿易、価格変動など、最新情報をわかりやすく解説。

💡 米中貿易摩擦やウッドショックなど、木材市場を取り巻く様々なリスクと影響について解説。

💡 国産材の課題と可能性、持続可能な木材利用に向けた取り組みなど、日本の未来を考察。

本記事では、世界と日本の木材市場の現状、課題、そして今後の展望について、詳しく解説していきます。

グローバルな木材市場の動向

2019年、木材貿易で「最も重要」だった国は?

中国が輸入を急増。

それではまず、グローバルな木材市場の動向から見ていきましょう。

世界最大の木材消費国である中国の動向を中心に、各国の木材貿易の最新事情を解説します。

中国の木材貿易(1)

公開日:2021/06/22

中国の木材貿易(1)

✅ 中国は世界有数の木材消費国であり、林産品の輸入量が急増し、現在は世界第2位の輸入国となっている。主に東南アジアやロシアから丸太を輸入し、合板や建材などに加工して輸出している。

✅ 輸入増加の背景には、国内需要の増加、中国製林産品への国際需要の増加、国内供給の不足などがある。

✅ 1998年の天然林保護政策により国内材の供給が減少し、輸入材への依存が強まっている。

さらに読む ⇒トップページ - フェアウッド・パートナーズ - FAIRWOOD PARTNERS出典/画像元: https://fairwood.jp/document/trade-china1/

中国の輸入増加は、国内需要の増加、国際需要の増加、そして国内供給の不足が背景にあるんですね。

1998年の天然林保護政策の影響も大きいようです。

2019年、世界の産業用丸太消費量は20億3096万m3に達しましたが、前年比2%減となりました

一方、製材・合板等の消費はほぼ横ばいという状況でした。

燃料用丸太はほぼ国内で消費されています。

木材貿易の主要プレーヤーは、北米、欧州、ロシア、中国です。

この時期、中国は産業用丸太の最大の輸入国として、その輸入量を急増させており、製材においても世界最大の輸入国へと成長しました。

一方、日本では輸入量が減少傾向にありました。

輸出においては、ニュージーランドが産業用丸太の輸出国として台頭し、ロシアは輸出税の引き上げにより製材輸出を増加させていました。

なるほど、中国が世界の木材市場を牽引しているわけですね。資源の確保は、まさにビジネスの基本ですからね。中国の動きは、今後も注視する必要がありますよ!

米中貿易摩擦の影響

米中貿易摩擦、木材市場にどんな影響を与えた?

米中間貿易額の低下、ベトナムへの生産移管。

次に、米中貿易摩擦が木材市場に与えた影響について見ていきましょう。

ベトナムへの影響を中心に、世界的な木材貿易の変化を分析します。

米中貿易摩擦の影響、ベトナムの日系企業はプラスとマイナスが均衡か
米中貿易摩擦の影響、ベトナムの日系企業はプラスとマイナスが均衡か

✅ 米中貿易摩擦の影響により、ベトナムは中国からの生産移管で経済成長の恩恵を受けているように見えるが、国内ではプラスとマイナスの両方の見方がある。

✅ ジェトロの調査によると、在ベトナム日系企業への影響は限定的で、約7割が「分からない」または「影響はない」と回答。ただし、プラスの影響とマイナスの影響はほぼ均衡している。

✅ 影響があると回答した企業のうち、プラスの影響としては国内売り上げの増加が見られる一方で、ベトナムは米国からの追加関税などのリスクを抱えており、今後の経済動向には注意が必要である。

さらに読む ⇒ジェトロ(日本貿易振興機構)出典/画像元: https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2019/1201/841dfbc3ab6705b9.html

米中貿易摩擦が、木材市場にも間接的な影響を与えているんですね。

ベトナムへの生産移管は、プラスとマイナスの両面があるという点も興味深いです。

2018年半ばから始まった米中貿易摩擦は、世界の木材貿易にも大きな影響を与えました

追加関税による価格上昇が原因で、米中間での木材貿易額は大幅に低下。

また、中国の製品の価格競争力低下により、木材産業が成長著しいベトナムへの生産移管が進むなど、間接的な影響も及んでいます。

米国は重要な輸出国の一つであり、中国は主要な輸入国であるため、この摩擦は木材市場全体の需給バランスをさらに不安定化させる要因となりました。

米中間の摩擦が、こんなにもグローバルな市場に影響を与えるなんて、ほんとに複雑よね。ベトナムの状況も、先行き見守る必要がありそうだわ。

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