倒産件数は増加傾向？中小企業の倒産増加と、その原因、対策を徹底解説！中小企業倒産の現状と、生き残りをかけた企業の戦略

それでは、中小企業の倒産を取り巻く現状について、詳しく見ていきましょう。

コロナ禍と中小企業の苦境

雇用調整助成金は、コロナ禍で企業の救世主となりましたが、制度の複雑さも課題ですね。

雇用調整助成金

✅ 雇用調整助成金は、経済的な理由で事業活動が縮小した事業主が、労働者を休業させるなどして雇用を維持した場合に、休業手当の一部を助成する制度です。新型コロナウイルス感染症の影響による特例措置が実施されています。

✅ 助成対象となる主な条件は、雇用保険の適用、売上高の一定割合減少、労使間の休業協定などです。休業手当は、平均賃金の60%以上を支払う必要があり、短時間休業も対象です。

✅ 助成金の申請は、休業計画を立てて労使協定を締結し、休業手当を支払い、必要書類を揃えて都道府県労働局・ハローワークに行います。助成額は、休業手当の支払い率と助成率を基に算定され、上限額があります。

さらに読む ⇒J-Net21中小企業ビジネス支援サイト出典/画像元: https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/taisaku/teate/koyotyosei.html

倒産件数が低水準で推移したのは、まさにこれらの支援策のおかげですね。

しかし、その反動も懸念されます。

2020年から2022年にかけて、新型コロナウイルス感染症の拡大は中小企業・小規模事業者に大きな経済的影響を与えました。

政府はリーマン・ショック時を超える規模の経済対策を実施し、雇用調整助成金、持続化給付金、実質無利子・無担保融資など、多くの企業が支援を受けました。

これらの施策により、2020年から2022年にかけて倒産件数は低水準で推移し、完全失業率も低く抑えられました。

先行研究でも、これらの支援策が事業継続と資金繰りを改善することが示唆されています。

なるほど、政府の支援策が中小企業の倒産を食い止めたんですね。さすが、国は頼りになる！

支援策の終焉と倒産の増加

2023年からの倒産件数増加は、中小企業にとって厳しい現実を突きつけていますね。

帝国データバンク 2024年一年間の倒産集計を公表 ３年連続で前年を上回り１万件に迫る

公開日:2025/01/21

✅ 2024年の倒産件数は9,901件と、3年連続で増加し、業種別ではサービス業、小売業、建設業などが前年を上回った。

✅ 倒産の主な原因は販売不振で、不況型倒産が8,203件と増加。負債額5000万円未満の倒産が最多となり、新興企業や老舗企業の倒産も増加。

✅ 倒産態様は清算型が9割以上を占め、地域別では全地域で増加。関東、近畿地方で倒産が多く、特に近畿地方は11年ぶりに2500件を超えた。

さらに読む ⇒ 【印刷業界ニュース】ニュープリネット出典/画像元: https://www.newprinet.co.jp/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%80%802024%E5%B9%B4%E4%B8%80%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%81%AE%E5%80%92%E7%94%A3%E9%9B%86%E8%A8%88%E3%82%92%E5%85%AC%E8%A1%A8

倒産件数の増加は、中小企業の厳しい状況を如実に表していますね。

今後の動向が気がかりです。

しかし、2023年には倒産件数が増加し、感染拡大前の水準に近づいています。

2024年の倒産件数は9901件となり、3年連続で増加、2013年以来の1万件に迫る状況となりました。

倒産の主要原因は販売不振であり、ゼロゼロ融資後倒産、人手不足倒産、物価高倒産なども過去最多を更新しました。

負債額規模別では、5000万円未満の倒産が2000年以降で最多となり、中小零細企業の倒産増加が顕著になっています。

特に、中小企業はコロナ関連融資の返済と、人件費や原材料価格高騰などのコスト増に苦しみ、業績回復の見通しが立たず、資金繰りに苦しんでいます。

ほー、倒産件数が増加傾向ね。でも、原因は販売不振か。なんとかせんとあかんね。