LNG争奪戦の行方?日本企業のLNG調達戦略と、米国のLNG輸出拡大戦略とは?LNG市場の最新動向:資源確保競争と米国の輸出戦略
2022年、世界を揺るがしたエネルギー危機。日本企業はLNG安定確保へ動き出し、米国産LNGへの期待が高まる。INPEXやJERAの長期調達契約、キャメロンLNGプロジェクト本格稼働、そして米国LNG輸出拡大。しかし、気候変動対策や規制、輸出許可の動向など、LNGプロジェクトは複雑な環境下にある。脱炭素化に向けた取り組みも加速し、日米協力によるLNG供給体制強化は、エネルギー安定と脱炭素社会への架け橋となる。
💡 日本企業は、LNGの安定確保のため、長期購入契約を締結。政府も制度整備でこれを後押し。
💡 米国は、シェールガス生産量の増加によりLNG輸出国として台頭。輸出拡大戦略を展開。
💡 LNGプロジェクトを取り巻く環境は変化。カーボンニュートラルへの挑戦も加速。
それでは、LNGを巡る最新の動きについて、詳しく見ていきましょう。
LNG調達競争の幕開け
LNG争奪戦勃発!日本企業が動いた理由は?
ウクライナ戦争と、エネルギー安定確保のため。
INPEXやJERAによるLNG長期購入契約締結は、資源確保の動きを象徴していますね。
公開日:2022/12/29

✅ INPEXは米Global LNGと、JERAはオマーンLNGとそれぞれLNGの長期購入契約を締結し、LNGの安定確保を目指している。
✅ ウクライナ戦争によるガス価格高騰と将来の確保への懸念を受け、日本政府はLNGの長期契約を後押しし、JOGMECによる調達権限付与などの制度整備を進めている。
✅ INPEXはLNG取扱量拡大を目標としており、今回の契約は、同社の目標達成に貢献するとともに、政府のカーボンニュートラルに向けた取り組みとも連動している。
さらに読む ⇒Sustainable Japan出典/画像元: https://sustainablejapan.jp/2022/12/29/japan-gas-procurement-2/80510ウクライナ戦争以降のエネルギー価格高騰を受け、日本企業がLNGの安定確保に動き出したことは、非常に重要な動きですね。
政府の支援も、この流れを加速させています。
2022年12月、世界はエネルギー市場の激震に見舞われていた。
ウクライナ戦争の勃発により、国際的なガス価格が高騰し、将来的な供給不安が広がったため、日本企業もLNGの安定確保に動き出した。
INPEXは米Venture Global LNGと、JERAはオマーンLNGとの長期調達契約を相次いで締結し、将来を見据えた。
政府もこうした動きを後押しし、企業によるLNG調達が困難な場合に備え、JOGMECへの権限付与などの法整備も進められた。
この背景には、カーボンニュートラルへの取り組みの中で慎重姿勢もあった企業を後押しし、長期的なエネルギー供給の安定化を目指す政府の思惑があった。
キャメロンLNGプロジェクトの本格稼働も、この流れを加速させる要因の一つとなった。
長期購入契約は、安定的な経営には欠かせない。特に、エネルギー価格が不安定な状況下では、なおさらだ。
米国のLNG輸出拡大戦略
米国のLNG輸出拡大、何が狙い?トランプ政権でどうなる?
欧州支援とエネルギー安全保障。規制緩和も。
米国がLNG輸出を拡大する背景には、シェールガス革命による生産量の増加と、エネルギー市場におけるプレゼンス向上という狙いがあるということですね。

✅ EUはロシアのウクライナ侵攻を機にロシア産LNGの輸入制限を開始し、第三国への再輸出を禁止する措置を講じた。
✅ 米国はシェールガス生産量の増加により世界最大のLNG輸出国となり、契約形態の柔軟性、価格設定、立地上の優位性からLNG供給の強みを持つ。
✅ 米国産LNGは、価格競争力があり、輸出先の自由度も高いことから、欧州やアジアなど多様な市場へのアクセスを可能にしている。
さらに読む ⇒ホーム | 笹川平和財団 - THE SASAKAWA PEACE FOUNDATION出典/画像元: https://www.spf.org/iina/articles/takahashi_06.html米国がLNG輸出を拡大する戦略は、世界のエネルギー市場に大きな影響を与えそうです。
輸出先の多様化は、エネルギー安全保障の観点からも重要ですね。
米国は、世界のエネルギー市場におけるプレゼンスを高めるため、LNG輸出の拡大に注力している。
エネルギー省は、テキサス州のゴールデンパスとルイジアナ州のマグノリアのLNGプラントからの輸出を承認し、FTA非締結国への輸出も可能とした。
これは、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、欧州へのLNG供給を強化し、エネルギー安全保障を支援する狙いがある。
一方、バイデン政権は気候変動対策としてLNG輸出の新規許可を一時停止したが、ルイジアナ州の連邦地裁はこれを違法と判断。
輸出再開を求める動きも強まっている。
トランプ前大統領は、LNG輸出の迅速な再開を目指し、規制緩和を推進。
第2次トランプ政権下では、LNG輸出が重要な政策の一つとして位置づけられ、その動向が注目されている。
輸出許可の一時停止とか、色々あるけど、トランプさんがまた大統領になったら、どうなるかね? 政治ってやつは、ほんと面白いねぇ。
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米国のLNG輸出プロジェクトに変化。建設遅延や脱炭素化の流れを受け、日米協力でLNG供給体制を強化。三菱商事はCO2削減技術も導入し、カーボンニュートラルを目指す。