消費行動の変化は景気後退の予兆?日米の消費トレンドと、日本の未来への影響?コロナ禍以降の消費行動の変化:日米比較と日本の課題
コロナ禍で明暗分かれる日米の消費行動。米国は「破滅的消費」で今を謳歌、一方、日本では将来不安から節約志向が強まる。若年層の経済的不安、自己肯定感の低さが消費の足かせに。物価高騰下で節約とメリハリ消費が加速。企業は持続可能な商品やデジタル体験で差別化を。変化する価値観を捉え、消費者のニーズに応える施策が急務。
💡 米国では経済的不安から「破滅的支出」と呼ばれる浪費傾向が強まり、日本の若年層は節約志向。
💡 日本の若年層は経済的・精神的課題に直面、収入、物価高、自己肯定感の低さが将来不安に繋がる。
💡 消費者は節約と贅沢のメリハリを意識。企業は、費用対効果の高い商品やサービス提供が重要。
それでは、まず経済状況が大きく変化したコロナ禍以降の消費行動について、詳しく見ていきましょう。
コロナ禍以降の消費行動における日米の対照的な変化
米国の若者、コロナ禍でなぜ「破滅的消費」?
経済不安から、今を楽しむ消費へシフト。
今回の記事では、アメリカの消費行動と日本の消費行動の違いについて焦点を当ててみました。

✅ 米国の若者の間で「破滅的支出」と呼ばれる、将来への不安から贅沢品や旅行など経験にお金を使い果たす消費行動が問題視されている。
✅ 多くの若者がクレジットカードの延滞や後払い決済を利用し、2010年以来の高い延滞率を示している。これは経済的な懸念と、将来への諦観からくる行動だ。
✅ 5月の米小売売上高の鈍化は、この破滅的支出の終焉を示唆しており、今後の失業率の増加が米経済に与える影響が懸念される。
さらに読む ⇒FX、CFDのトレードならOANDA証券株式会社出典/画像元: https://www.oanda.jp/lab-education/market_news/catastrophic_spending/アメリカでは、将来への不安から「破滅的消費」と呼ばれる浪費傾向が強まっているんですね。
一方、日本では節約志向が強まっているという対照的な現象が興味深いです。
コロナ危機以降、日米の若年層の消費行動には顕著な違いが見られます。
米国では、経済的不安から「破滅的消費(DoomSpending)」と呼ばれる浪費傾向が強まり、将来への備えよりも「今」を楽しむ消費にシフトしています。
これは住宅価格高騰や労働市場の変化に対する不安から、贅沢品への浪費を通じてストレスを解消しようとする傾向と関連しています。
Credit Karmaの調査では、Z世代とミレニアル世代の約7割が経済状況に不安を感じ、約4割が破滅的消費の傾向を示しています。
また、将来への貯蓄よりも、現在の経験を重視する「SoftSaving」という価値観も広がっています。
一方、日本では、将来への不安から節約傾向が強まり、消費回復の妨げとなっています。
この対照的な消費行動の違いは、GDP統計における実質消費の動きにも表れており、米国では若年層の消費性向が回復しているのに対し、日本ではコロナ危機前の水準を下回ったままです。
なるほど、アメリカの若者は、将来への不安から「今」を謳歌するために消費しているのか。日本とは対照的だな!
日本の若年層が抱える経済的・精神的課題
日本の若者が将来に不安を感じる主な理由は?
経済的要因と自己肯定感の低さ。
日本の若年層が抱える経済的、精神的課題について掘り下げていきましょう。

✅ Z世代の多くが将来に強い不安を抱いており、その背景には経済的な不安(収入、物価高、奨学金返済など)や仕事への不安(自己肯定感の低さ、人間関係、就職の不安など)がある。
✅ 高校生の7割以上が将来に不安を感じており、Z世代全体でも経済状況や奨学金による将来設計への影響を懸念している。
✅ Z世代の将来不安を緩和するためには、経済的な安定(収入増加、物価対策、奨学金制度の見直しなど)と、自己肯定感や仕事に対する自信を育むための施策が必要である。
さらに読む ⇒第一生命経済研究所TOPページ出典/画像元: https://dlri.co.jp/report/ld/387978.html日本の若者の将来不安は深刻ですね。
経済的な問題だけでなく、自己肯定感の低さも影響しているというのは、見過ごせない問題です。
日本の若年層が将来に対して強い不安を抱く背景には、経済的要因と自己肯定感の低さがあります。
国立青少年教育振興機構の調査では、高校生の7割以上が将来に不安を感じています。
Z世代の約4割は、今後の景気悪化による生活設計への影響を懸念しています。
具体的には、仕事の収入への不安や、奨学金返済による経済的負担が大きな課題となっています。
労働者福祉中央協議会の調査によると、大学卒の奨学金利用率は45.2%で、借入総額は平均340万円を超え、返済に対する不安が7割に上ります。
さらに、「きちんと仕事ができるか」「働く先での人間関係がうまくいくか」「就職できるか」といった点も不安要素として挙げられ、自己肯定感の低さが将来不安に繋がっていることが示唆されています。
日本財団の調査でも、日本の18歳は自己肯定感が他の国に比べて低い傾向が見られます。
まぁ、今の若いもんは大変だべさ。給料も上がんないし、将来のことを考えると不安になるのもわかるわ。
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パンデミック後の消費行動を徹底分析!節約志向が高まる一方、自己主導のライフスタイルが加速。企業は持続可能な価値提供で差別化を。