アクティビスト(株主)の台頭?日本市場での影響と未来への展望(?)オアシスの日本市場での動向と、企業ガバナンスへの影響
香港拠点の投資ファンド、オアシス・マネジメントが日本市場で存在感。企業価値向上を目指し、花王や三菱倉庫などへ積極的な株主提案を展開。経営陣刷新や脱炭素化、業績改善を促す。成功例もあれば、必ずしも全てが成功しているわけではない。日本企業のガバナンス改革を後押しし、アクティビスト投資の新潮流をリード。今後の動向から目が離せない。
日本企業ガバナンスへの影響:改革を促す力
オアシスが変えた日本のガバナンスとは?革新のポイントは?
企業統治改革と株価上昇への貢献。
日本企業のガバナンス改革への影響について深堀りしていきます。
オアシスの活動が、企業のあり方にどのような変化をもたらしているのでしょうか。
公開日:2022/03/26

✅ 「ガバナンス改革元年」から1年が経過し、企業統治強化が求められる中、株主還元の動きが活発化している。
✅ 特に、ファナックのような優良企業が社外取締役の増員や配当性向の引き上げなど、株主還元の姿勢を強めていることが象徴的である。
✅ IR・SRコンサルタントによると、この1年は「株主が企業経営のメインである」という認識を経営者に浸透させた年であった。
さらに読む ⇒東洋経済オンライン出典/画像元: https://toyokeizai.net/articles/-/560677株主還元の動きが活発化しているのは良い傾向ですね。
企業経営陣が株主の意向を重視するようになり、ガバナンス改革が進むことを期待します。
オアシスの活動は、日本企業のガバナンスに変化をもたらしています。
セス・フィッシャー氏は、日本の資産運用会社が「悪い企業統治」を恥ずべきことと考えるようになり、これが日本の企業慣行を変える可能性があると指摘しています。
オアシスは、関連経験を持つ社外取締役の選任や、グローバル水準のKPI導入などを提案し、日経平均株価の22%上昇と史上最高値更新に貢献したと分析しています。
また、取締役会が、デジタルトランスフォーメーション、マーケティング、ROE(株主資本利益率)、競合他社比較など、業績のあらゆる側面について経営陣に説明責任を負わせる必要があると強調しています。
しかし、「チェックボックス方式のガバナンスだけでは不十分」であり、より実質的な改革が求められています。
株主の意見を聞くって大事よね。でも、チェックボックス方式だけじゃなくて、もっと実質的な改革が必要ってのは、その通りだと思うわ。
三菱倉庫への提案とその後の状況:課題と改善点
三菱倉庫、株価低迷の原因は?投資家は何を期待?
株価パフォーマンス低迷、不動産投資等への期待。
三菱倉庫への提案は、オアシスの活動における課題と改善点を示す事例として、非常に興味深いですね。
公開日:2023/10/12

✅ 2020年にオアシスが三菱倉庫に対して行った公開株主提案の内容を詳細に分析し、その後の三菱倉庫の財務状況の変化を定期的にレビューしている。
✅ オアシスの提案では、三菱倉庫の事業価値の低さ、EBITDA有利子負債倍率の低さ、自己資本比率の高さ、株価のアンダーパフォーム、PBRの低さ、ROEの低さが指摘され、自己株式取得や役員招聘による企業価値向上を提案していた。
✅ 2021年11月時点の分析では、事業価値の改善は見られたものの、株価パフォーマンスやPBRは改善せず、オアシスの指摘事項に対する大きな改善は見られていない。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://deallab.info/mitlogi-oasis/三菱倉庫への提案は、必ずしも成功したとは言えない結果となりました。
株価パフォーマンスの改善が見られなかったことは、今後の課題を示唆しています。
オアシスは、三菱倉庫に対しても公開株主提案を行いましたが、2020年5月の提案は否決されました。
提案の論拠となった財務指標をレビューした結果、指摘事項に対する大きな改善は見られず、株価パフォーマンスの改善もみられていません。
EVブリッジはマイナスから改善しているものの、依然としてマイナス状態であり、投資家は三菱ブランドを活かした投資や不動産投資に期待している可能性があります。
EBITDA有利子負債倍率及び自己資本比率は同業他社と比較して良好な水準を維持していますが、株価パフォーマンスはMSCIオールカントリーとUPSと比較してアンダーパフォームし、PBRは1倍割れが継続しています。
ROEは同業他社中3位と、原提案時より順位を上げています。
うーん、結果が出ないと、株主としては物足りないな。三菱ブランドを活かした展開に期待したいところだね!
花王への株主提案:今後の動向と課題
花王株主提案で注目!オアシスが求めるものとは?
社外取締役選任と経営陣との対話です。
花王への株主提案は、今後の動向に注目が集まります。
フィッシャー氏へのインタビューを通して、オアシスの戦略と、今後の動きに迫ります。

✅ アクティビストファンド「オアシス」の創業者セス・フィッシャー氏が、花王の経営改善を求めて投資を行い、株主総会を前に委任状争奪戦が過熱している。
✅ フィッシャー氏は、花王の成長ポテンシャルが生かされていないと主張し、5%強の投資を通じて経営陣との対話を進めている。
✅ 番組では、フィッシャー氏へのインタビューを通して、オアシスの戦略や今後の動きに迫る。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/1770482?display=1花王の株主提案は、両者の対立が鮮明になっており、今後の展開から目が離せません。
長期的な視点での取り組みという点が、気になりますね。
2024年、オアシスは花王に対して株主提案を行い、大きな支持を得ています。
発行済み株式の5.2%を保有する大株主として、定時株主総会で社外取締役5人の選任を含む株主提案を提出しています。
セス・フィッシャーCIOは、他の株主も花王経営陣との対話の難しさを感じていると述べています。
花王はオアシスの提案に反対しており、両者の対立が鮮明になっています。
花王の業績は2021年以降右肩下がりだったものの、2024年12月期は純利益が増益となりました。
株価は昨年来、TOPIXとほぼ同程度のパフォーマンスとなっています。
フィッシャー氏は長期的な視点で取り組んでおり、提案が否決された場合は再度試みる意向を示しています。
オアシスは、長谷部佳宏社長との対話を求めたものの、実現したのは1回の短時間の会合のみで、内容に不満を感じているとされています。
フィッシャー氏、なかなか強気やなあ。株主総会での結果が楽しみやね!
本日の記事では、日本市場におけるアクティビストの活動について、様々な事例を通して解説しました。
今後の展開に注目していきましょう。
💡 オアシス・マネジメントなど、アクティビストによる株主提案が活発化。企業価値向上を目指し、日本企業のガバナンス改革を促す。
💡 企業は、株主提案に対し、様々な対応を見せる。三菱倉庫のように、必ずしも提案が成功するわけではない。
💡 今後の動向として、花王への提案など注目。アクティビストの活動が、日本市場に与える影響は大きい。