アクティビスト(株主)の台頭?日本市場での影響と未来への展望(?)オアシスの日本市場での動向と、企業ガバナンスへの影響
香港拠点の投資ファンド、オアシス・マネジメントが日本市場で存在感。企業価値向上を目指し、花王や三菱倉庫などへ積極的な株主提案を展開。経営陣刷新や脱炭素化、業績改善を促す。成功例もあれば、必ずしも全てが成功しているわけではない。日本企業のガバナンス改革を後押しし、アクティビスト投資の新潮流をリード。今後の動向から目が離せない。
💡 アクティビスト、オアシス・マネジメントは日本市場で活発に活動。株主提案を通じて企業価値向上を目指す。
💡 東京ドーム、花王などへの提案事例を紹介。企業のガバナンス改革を促し、日本市場に変化をもたらす。
💡 今後の課題と展望を考察。三菱倉庫への提案事例や、花王への今後の動向を分析。
本日は、日本市場におけるアクティビストの活動に焦点を当て、その現状と今後の展望について詳しく見ていきましょう。
オアシスの台頭:日本市場におけるアクティビストの活動開始
香港発アクティビスト、オアシスは何に注目? 日本株投資の狙いは?
割安感と緩い資本規制の日本市場への積極投資。
オアシス・マネジメントが日本市場で存在感を示し始めたきっかけとなった、東京ドームへの提案について見ていきましょう。

✅ 香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントが東京ドームに対し、臨時株主総会の招集請求を行い、社長らの解任を要求したことで、東京ドームの株価が上昇しました。
✅ オアシスは東京ドームの収益化不足を批判し、デジタルサイネージ導入など具体的な改善策を提案。コロナ禍での業績悪化を受け、経営陣の解任まで求めるなど強いプレッシャーをかけています。
✅ 市場では、オアシスの存在が株主価値向上につながる可能性を指摘。東京ドームは今後の対話を進めながら、遊園地やホテルを含むリゾート型の進化を目指すことが期待されています。
さらに読む ⇒|株式投資・マーケット・金融情報の総合サイト株価・記事・ニュース出典/画像元: https://moneyworld.jp/news/05_00037515_newsオアシスの提案により、東京ドームの株価が上昇したのは興味深いですね。
収益改善策の提案や、経営陣の解任要求など、具体的なアクションも印象的です。
2002年にセス・フィッシャー氏によって設立されたオアシス・マネジメントは、香港を拠点とするアクティビストファンドとして、日本市場に積極的に投資を行っています。
2020年4月時点での主要な投資先にはサン電子、東京ドーム、サンケン電気、島忠などが含まれており、特にサン電子に対する株主提案では経営陣の刷新に成功しました。
また、東京ドームに対しては、球場や関連施設の収益力向上を求めています。
近年の日本の株主総会シーズンにおいて、オアシスの存在感は増しており、日本市場がアジアのアクティビストにとって魅力的な投資先となっている背景には、円安による株価の割安感や緩やかな資本規制があります。
オアシス・ジャパン・ストラテジック・ファンドを設立し、セブン&アイ・ホールディングスなど10社以上の日本企業に投資しています。
2024年6月時点では、日本企業の株を5%超保有するケースは7社に及んでいます。
池田健三郎氏によれば、アクティビストによる日本株への投資額は約9.5兆円に達し、3年間で5割増加しています。
なるほど、オアシスの活動が株主価値向上に繋がる可能性がある、と。企業経営にプレッシャーをかけるだけでなく、具体的な改善策を提示している点が、さすがですね!
企業価値向上を目指す株主提案:多様な企業へのアプローチ
オアシスの株主提案、何を目指してる?
企業価値向上と経営陣への働きかけ。
企業価値向上を目指す株主提案は、様々な企業に対して行われています。
オアシス・マネジメントの多岐にわたるアプローチを見ていきましょう。
公開日:2024/04/08

✅ オアシス・マネジメントのセス・フィッシャーCIOは、花王株を3%以上保有しており、来年の株主総会での株主提案も視野に入れていると表明しました。
✅ オアシスは、花王に対しマーケティングの改善や、主要化粧品・スキンケアブランドの国際的な成長への注力を要求しています。
✅ 花王は、オアシスの要求に対し、既に公表済みの構造改革への理解不足などを理由に反論しています。
さらに読む ⇒ロイター 経済、株価、ビジネス、国際、政治ニュース出典/画像元: https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/FAKFVXZG5ZO57M2ZRNLUOI5HOE-2024-04-08/花王に対する提案は、今後の展開が注目されますね。
マーケティングや社外取締役の起用など、具体的な要求がなされている点が重要です。
オアシスは、企業価値向上を目的として、株主提案を通じて積極的に経営陣に働きかけています。
その活動は多岐にわたり、東芝の買収価格引き上げ要求、東京ドームのTOBへの対応、東洋製罐への脱炭素化に関する提案など、様々な企業に対して行われています。
花王に対しては、低採算ブランドの削減や、マーケティング経験を持つ社外取締役の任命を求めています。
オアシスは、花王の「稼ぐ力」の低さを指摘し、適切な社外取締役の必要性を強調しています。
セブン&アイ・ホールディングスへの投資も行っています。
2022年には、エレベーター大手のフジテックにおいて筆頭株主となり、臨時株主総会を通じてオアシス派の社外取締役を選任し、創業家である内山高一会長の解任を実現しました。
これは、アクティビストが日本企業において支配権を獲得し、経営陣の刷新に成功した代表的な事例です。
ただし、小林製薬への株主提案は否決されるなど、必ずしも全ての提案が成功しているわけではありません。
アクティビストが日本企業で影響力を持つのは、ある意味当然の流れなのかもしれないね。ま、全部が全部うまくいくわけじゃないってとこも面白いけど。
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オアシス、日本企業のガバナンス改革に挑む! 企業統治の改善を促し、株価上昇にも貢献。 花王との対立、長期的な視点で改革を目指す。