JFEスチールの賃上げと働き方改革：2025年春闘と人材獲得への道（？）JFEスチールの高額ベアと人材戦略

💡 JFEスチールは2025年春闘で、2年連続となる高額ベアを実現。定昇含め6.6%の賃上げ。

💡 過去最高額の賃上げにより、人材獲得と定着を強化。若年層への手厚い賃上げも注目点です。

💡 働きがい向上のため、人事制度改革や多様な働き方を推進。人的資本への投資を強化。

✅ 2025年春闘では、大手企業が労働組合の要求に満額回答するケースが目立ち、自動車、電機業界を中心に歴史的な賃上げ率を記録した前年に匹敵する水準となった。

✅ 特にトヨタ自動車、日立製作所、NEC、富士通などの大手企業は、賃上げと一時金ともに満額回答し、日立の滝本晋理事は従業員への成果還元と成長への好循環を強調した。

✅ 一方、業績不振に陥った日産自動車やホンダは要求を下回る回答となり、中小企業の賃上げ動向は今後の交渉次第で大きく左右される。

✅ 2024年春闘では、大手労働組合が集中要求日を迎え、鉄鋼や自動車など多くの産業で前年を大幅に上回る賃上げを求める要求書が提出されました。特に、物価上昇を上回る賃上げが求められており、労組側はベースアップに軸足を置き、連合は賃上げ分3%以上、定期昇給相当分を含め5%以上の目標を掲げています。

✅ 産別組織では、UAゼンセンが連合方針を上回る「ベア相当分として4%基準（全体で6％）」方針を表明するなど、積極的な要求が目立ちます。また、金属労協はベア要求額を「月1万円以上」とし、電機連合は「1万3000円以上」の統一要求額を掲げています。基幹労連は「1万2000円以上」のベア要求額を掲げ、鉄鋼大手3社の労組は賃金改善分として3万円の賃上げを求める要求書を提出しました。

✅ 春闘では、中小企業の賃上げが課題となっています。大手企業の賃上げ実績は中小企業を上回っており、人材獲得や定着のための「防衛的賃上げ」にも限界が見られます。そのため、中小企業の収益構造の改善や生産性向上を伴わない限り、持続的な賃上げの流れから取り残される可能性があります。また、大手との取引では、原材料やエネルギー価格の上昇分に加え、人件費の増加分を納入価格に上乗せする価格転嫁が十分に進んでいないとの不満も根強く、取引慣行の是正が求められています。