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ISSとグラス・ルイスの議決権行使助言方針改定とは?株主総会での影響は?ISSとグラス・ルイスの助言方針改定:2025年版

2018年以降のISSとグラス・ルイスの議決権行使助言方針改定を詳解。取締役会構成、買収防衛策、役員兼務、女性役員登用、配当決定機関など、ガバナンス強化と株主利益保護に向けた変化を解説します。特に、グラス・ルイスはDEI(多様性、公平性、包摂性)を重視し、ISSとの対比で注目。2025年以降の改定では、AIリスク管理も考慮。企業はこれらの変化に対応し、株主からの支持を得るための対応が求められます。

ISSとグラス・ルイスの議決権行使助言方針改定とは?株主総会での影響は?ISSとグラス・ルイスの助言方針改定:2025年版

📘 この記事で分かる事!

💡 機関投資家の議決権行使に影響を与えるISSとグラス・ルイスの2025年版議決権助言方針改定について解説。

💡 2018年からの改定内容を比較し、企業の対応事例を紹介。エンゲージメントの重要性についても言及。

💡 藤島裕三氏の解説と事例紹介を通じて、議決権行使助言会社の動向と企業への影響を理解。

さて、まずは本記事でご紹介する内容の全体像をお伝えします。

各項目の詳細に入る前に、全体像を把握しておきましょう。

ISSの議決権行使助言方針改定

ISSは近年、どのような議決権行使助言方針の改定を行いましたか?

取締役会構成要件の厳格化と買収防衛策の継続期間制限

本日は、ISSとグラス・ルイスの議決権行使助言方針改定について、掘り下げていきます。

セミナー】・グラスルイスの年版議決権助言方針

公開日:2025/02/12

セミナー】・グラスルイスの年版議決権助言方針

✅ 本セミナーでは、機関投資家の議決権行使に影響力を持つISSおよびグラスルイスの2025年版議決権助言方針について、詳細な解説が行われます。

✅ 具体的には、両社の議決権助言方針を議案別に比較検討し、企業の対応事例やエンゲージメントに関する情報提供が行われます。

✅ また、藤島裕三氏による豊富な経験に基づく解説と、複数社の事例紹介により、議決権行使助言会社の動向と企業への影響、そしてエンゲージメントの重要性について理解を深めることができます。

さらに読む ⇒取締役、監査役のトレーニング・研修は上場会社役員ガバナンスフォーラム|コーポレートガバナンス実現の支援出典/画像元: https://govforum.jp/member/casestudy/webseminar/webseminar-webseminar/76173/

なるほど、ISSは監督と経営の分離を重視し、社外取締役の比率を重要視しているのですね。

買収防衛策についても、その持続可能性を厳しく見ていく姿勢が伺えます。

ISSとグラス・ルイスは、2018年以降、議決権行使助言方針を改定しました。

ISSの改定内容としては、指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社の取締役会構成要件の厳格化(2019年2月)があります。

指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社では、取締役の3分の1を社外取締役とすることを求め、社外取締役比率が3分の1未満の場合、経営トップの取締役選任議案に反対を推奨しています。

これは、監督と経営の分離を志向するこれらの企業に対して、監査役設置会社よりも多くの社外取締役を求めることの合理性を示しています。

また、ISSは買収防衛策の総継続期間要件を導入しました(2018年2月)。

買収防衛策の総継続期間が3年以内であることを形式基準に追加し、この基準を含む第1段階の形式基準を満たした場合に限り、第2段階の個別評価を実施します。

ISSは、買収防衛策を一時的な手段と捉え、長期にわたるものは経営者の自己保身と解釈される可能性があると主張しています

ふむ、ISSは細かいところまで見てくるんだな。うちは社外取締役の比率も十分だし、買収防衛策も問題ないはずだ。しっかり対応しておかないと、株主からの支持を失うことになりかねん。

グラス・ルイスの議決権行使助言方針改定

グラス・ルイスは、企業ガバナンス強化のためにどのような変更を行いましたか?

役員兼務社数カウント方法を変更、女性役員登用方針明確化

次に、グラス・ルイスの動向を詳しく見ていきましょう。

、グラス・ルイスの議決権行使助言方針の改定について
、グラス・ルイスの議決権行使助言方針の改定について

✅ ISSとグラス・ルイスは、2018年以降の議決権行使助言方針を改定し、指名委員会等設置会社および監査等委員会設置会社の取締役会構成要件の厳格化、買収防衛策の総継続期間要件の導入など、コーポレートガバナンス向上のための基準を強化しました。

✅ 具体的には、ISSは、2019年2月から指名委員会等設置会社および監査等委員会設置会社の取締役会に占める社外取締役の割合が3分の1未満の場合、経営トップの取締役選任議案に反対を推奨するようになりました。また、2018年2月から買収防衛策の総継続期間を3年以内とする基準を導入しました。

✅ 一方、グラス・ルイスは、グループ会社内の役員兼務社数のカウント方法を変更し、女性役員の登用、買収防衛策導入・更新時の取締役会の独立性、剰余金配当等の決定機関に関する定款変更など、多様なガバナンス強化策を盛り込みました。

さらに読む ⇒企業法務の実務ポータル出典/画像元: https://www.businesslawyers.jp/articles/301

うーん、グループ会社での兼務社数カウントが変わるのは、ちょっと面倒ね。

女性役員の登用とか、企業としても積極的に取り組んでいかないといけないわね。

グラス・ルイスは、グループ会社内での役員兼務社数のカウント方法を変更しました(2018年2月)。

上場グループ会社において、取締役または監査役を兼務している場合、各グループ会社を個々に数えるのではなく、グループとして1社と数えることになりました。

また、グラス・ルイスは、女性役員の登用に関する具体的な方針を明確化しました(2019年2月)。

さらに、買収防衛策導入・更新時の取締役会の独立性を重視する方針を示しました(2018年2月)。

剰余金配当等の決定機関に関する定款変更についても、具体的な基準が示されました(2018年2月)。

これらの改定は、企業のガバナンス強化と株主利益の保護を目的としています

企業は、これらの改定内容を踏まえ、議決権行使助言機関からの推奨を得られるよう、適切な対応を行う必要があります。

あらまあ、グラス・ルイスは、グループ会社での役員兼務を厳しくチェックするようになったんですね。女性役員の登用とか、グローバルな企業では当たり前になりつつありますもんね、ちゃんと対応しとかないといけないわね〜。

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米議決権行使助言会社グラス・ルイス、取締役会の多様性欠如に反対推奨。DEI後退の動きに対応し、株主提案への説明も強化。2025年の方針改定でAIリスクも考慮。