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テキサス新幹線計画はなぜ頓挫?〜日米の技術と政治的課題、今後の展望は?テキサス高速鉄道プロジェクトの現在地

日本の新幹線技術を活かしたテキサス高速鉄道計画「テキサス新幹線」、資金難、土地収用問題、連邦補助金撤回…と問題山積。総事業費高騰、政治的思惑、アムトラック参画など、計画は二転三転。日米協力の象徴となるはずが、その行方は?今後の動向から目が離せない、テキサス新幹線の現状と課題を徹底解説。

テキサス新幹線計画はなぜ頓挫?〜日米の技術と政治的課題、今後の展望は?テキサス高速鉄道プロジェクトの現在地

📘 この記事で分かる事!

💡 テキサス新幹線は、ダラスとヒューストンを結ぶ高速鉄道計画で、日本の新幹線技術が採用される予定でした。

💡 資金調達の遅れや政府支援の撤回により、計画は何度も延期され、実現性への疑問の声が上がっています。

💡 土地収用問題や政治的な反対も根強く、プロジェクトの将来は不透明な状況です。

それではまず、テキサス新幹線計画の概要と、現在の状況について、要点をお伝えします。

テキサス新幹線プロジェクトの始まり

テキサス新幹線、実現なるか?

計画復活、アムトラック次第

本計画は、具体的にどのような経緯で進められてきたのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

テキサス新幹線計画、大幅遅れJR東海など支援全米鉄道旅客公社(アムトラック)副社長「30年代前半に開業する可能性」(ページ)

公開日:2024/05/30

テキサス新幹線計画、大幅遅れJR東海など支援全米鉄道旅客公社(アムトラック)副社長「30年代前半に開業する可能性」(ページ)

✅ テキサス州の新幹線計画が、当初の2026年から大幅に遅延し、30年代前半に開業する可能性があることが、アムトラック上席副社長のインタビューで明らかになった。

✅ 資金調達難が原因で、計画はこれまでも延期を繰り返しており、300億ドルを超える総事業費の調達には、連邦政府、民間企業、外国からの投資が不可欠だとされている。

✅ テキサス新幹線用車両は、日本のN700Sをベースに日本メーカーが製造し、米国でも日本と同等の信頼性と安全性を確保するとされている。

さらに読む ⇒:夕刊フジ公式サイト出典/画像元: https://www.zakzak.co.jp/article/20240530-DTKBFHT6EJLAVBZSU76DRRL5GY/

資金調達の難航や法的問題、そして政府支援の撤回と、テキサス新幹線を巡る道のりは平坦ではありませんでしたね。

2009年、テキサス・セントラルがJR東海と提携し、ダラスとヒューストンを結ぶ高速鉄道プロジェクト「テキサス新幹線」を立案しました。

このプロジェクトは、日本の新幹線技術を活用し、約380kmの距離を90分で結ぶ計画でした

最高時速は330kmで、N700Sをベースとした車両を採用する予定でした。

当初は日本の官民ファンドが支援していましたが、資金難により撤回されました。

その後、テキサス州最高裁判所が土地収用権を認め、計画は復活しました。

しかし、政府支援は撤回され、アムトラックが事業を引き継ぐのか注目されています。

なるほど、技術は素晴らしいのに、お金と政治が絡むとこんなにも難しくなるんですね。ミリオネアとしては、資金調達の戦略が気になります。

計画の進捗と政府支援の撤回

テキサス高速鉄道はなぜ連邦助成金を得られなかったのか?

非現実的でリスクが高いと判断されたため

計画は、技術的な側面だけでなく、様々な要因によって左右されることが分かります。

米トランプ政権が゛テキサス新幹線゛の補助金を撤回「費用拡大で非現実的」東海が協力
米トランプ政権が゛テキサス新幹線゛の補助金を撤回「費用拡大で非現実的」東海が協力

✅ JR福知山線事故で娘さんを亡くされた父親は、企業が刑事責任を問われない現状に疑問を感じ、組織罰の制定を求めて20年間活動を続けている。

✅ 事故は2005年に発生し、107人が亡くなり、562人が負傷した。事故の原因は運転士の過失とされ、運転士は業務上過失致死傷罪で有罪判決を受けた。

✅ しかし、企業としての責任は問われず、遺族らは「組織の責任を明らかにし、二度とこのような事故を起こさないために、組織罰の制定が必要」と訴えている。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://newsdig.tbs.co.jp/articles/tbs/1856818

連邦政府からの支援撤回は、計画に大きな打撃となりました。

テキサス新幹線の将来に暗雲が立ち込めていますね。

2020年に、米国運輸省連邦鉄道局(FRA)は、テキサス高速鉄道プロジェクトに適用される最終安全規則(RPA)案と、環境影響評価の完了を示す決定評価(ROD)案を公表し、同時にヒューストン~ダラス間の経路を制定しました。

2023年には、アムトラックが本格的に参画し、連邦助成支援を申請しました。

しかし、2024年11月に、FRAは、建設が非現実的で、納税者にとってはハイリスクな投資と判断し、テキサス高速鉄道プロジェクトへの連邦助成6390万ドルを撤回しました

当初は民間事業主体の投資として始まった同事業は、見積り費用の高騰により、アムトラック参画後は連邦の資金に依存していました。

この計画が頓挫すると、日本の新幹線技術の海外展開にも影響が出そうね。北海道にも新幹線が欲しいんだけどなぁ。

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東海道新幹線技術採用のテキサス高速鉄道計画、暗雲。土地収用権獲得も、CEO辞任、補助金撤回の波。実現へは課題山積、日米協力への影響も。