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下請法Q&A!金型保管問題から海外取引まで?下請法違反の現状と対策とは?下請法の適用範囲と違反事例、Q&A集と対策を解説

下請法、知っておくべきはコレ!製造委託や建設工事における下請法違反の実例から、金型保管料問題、海外取引への適用までを解説。中小企業向けQ&A集や下請かけこみ寺の活用、サンデンの事例も交え、あなたの会社を守る下請法の知識を凝縮。不当な経済的利益の提供要求を許さない、公正な取引のために。

下請法Q&A!金型保管問題から海外取引まで?下請法違反の現状と対策とは?下請法の適用範囲と違反事例、Q&A集と対策を解説

📘 この記事で分かる事!

💡 下請法とは、親事業者が下請事業者に不当な要求をすることを防ぐ法律です。

💡 金型保管に関する下請法違反事例と、その対策について解説します。

💡 下請代金法に関するQ&A集や、海外法人との取引における下請法の適用について触れます。

それでは、下請法の基礎知識から、具体的な違反事例、そして企業が取るべき対策まで、詳しく見ていきましょう。

下請法の適用範囲と判断基準

下請法はどんな取引を規制するの?

親事業者と下請事業者の取引

下請法は、下請事業者を保護するために様々な規定を設けています。

親事業者は、下請法を遵守し、公正な取引を行うことが重要です。

下請法の対象取引は?親事業者・下請事業者の定義や禁止事項を解説

公開日:2024/10/10

下請法の対象取引は?親事業者・下請事業者の定義や禁止事項を解説

✅ 下請法は、親事業者が下請事業者に仕事を発注する際に適用される法律で、弱い立場にある下請事業者をトラブルから守ることを目的としています。

✅ 下請法の対象となる取引には、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託の4つがあり、それぞれ具体的な委託内容によって定義されています。

✅ 親事業者は、下請事業者に対して発注内容の交付、取引記録の作成・保存、支払期日の決定、遅延利息の支払いなど、さまざまな義務を負っています。

さらに読む ⇒クラウド会計ソフト出典/画像元: https://www.freee.co.jp/kb/kb-deals/subject-to-the-subcontract-acts/

下請法の適用範囲は非常に幅広く、様々な取引が対象となることが分かりました。

親事業者は、下請事業者との取引において、様々な義務を負う必要がありますね。

下請法は、建設工事、製造委託、情報成果物作成委託などの取引において、親事業者と下請事業者の間の取引を公正に規制するための法律です

建設工事については、建設工事そのものは下請法の適用対象外ですが、建設資材の製造や設計、内装設計などの委託は下請法の対象となります。

公益法人については、資本金区分に該当する固定的な財産があれば、親事業者となる可能性があります。

親子会社間取引については、実質的に同一会社内での取引とみられる場合は、運用上問題としていません。

労働者の派遣については、派遣会社への派遣依頼は、事業者が自ら業務を行っていることとなり、下請法の対象とはなりません。

商社の関与については、商社が製造委託等の内容に関与している場合は、商社が下請事業者となる可能性があります。

規格品については、仕様等を指定せずに購入した場合は、製造委託に該当しません。

しかし、仕様等を指定して製造を依頼した場合は、製造委託に該当します。

ふむ、なるほど。下請法は、企業経営において避けて通れない知識だな。うちの会社でも、しっかりと理解しておかないといけないな。

金型保管に関する下請法違反事例

下請けに金型を預ける際の保管費用負担は?

親事業者が負担すべき

ニデックテクノモータの事例は、金型保管に関する下請法違反として、公正取引委員会から勧告を受けました。

これは、企業にとって大きな問題です。

ニデック子会社、下請法違反で公正取引委員会が勧告無償で下請けに製造設備保管させる
ニデック子会社、下請法違反で公正取引委員会が勧告無償で下請けに製造設備保管させる

✅ ニデックテクノモータが下請け会社44社に金型などの製造設備を無償で保管させていたことが、下請法違反として公正取引委員会から再発防止を勧告された。

✅ 同社は、2022年5月から今年3月にかけて、部品製造の発注時期が見通せないにも関わらず、計600個の金型などを下請け会社に保管させ、棚卸し作業もさせていた。

✅ 同社は現在、保管費など計1812万円を下請け会社に支払っており、今後下請法に関する研修を開く予定である。親会社のニデックもグループ全体で下請法遵守の徹底を図るとコメントしている。

さらに読む ⇒京都新聞出典/画像元: https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1225016

ニデックテクノモータの事例は、金型保管が無償で行われていた点が問題でした。

これは、下請法違反にあたる可能性が高いですね。

下請事業者に部品等の製造を委託する際に、自社所有の金型を預けることはよくあるが、その金型を下請事業者に保管させ続けることは、下請法違反になる可能性がある。

令和6年3月の公正取引委員会の勧告では、ニデックテクノモータ株式会社が、産業用モータ部品製造の下請事業者に600個の金型を預け、使用予定のない状態でも無償で保管させていたことが、下請法第4条第2項3号の「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」に該当するとされた。

これは、金型等の保管や管理にコストがかかるにもかかわらず、その費用を下請事業者に負担させていたためである

公正取引委員会は、ニデックテクノモータに対して、金型等を回収または廃棄し、保管料や棚卸し作業料を下請事業者に支払うよう勧告した。

下請事業者にとって、金型等の保管や管理は本来、親事業者が負担すべきものであり、無償でこれらを負担させることは、不当な経済上の利益の提供要請に当たるとされる。

そのため、製造委託を行う際には、金型等の保管や管理に関する費用負担について、明確な契約を結ぶことが重要である。

ほー、金型が無償保管ってのは、下請けさんにとっては負担でしかないべや。企業はもっと下請けさんのこと考えないと、痛い目にあうってことだね。

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下請法、見直そう!金型無償保管は違反?中小企業向けQ&Aで、下請代金法や海外取引の注意点も解説。公正取引委員会の勧告事例から学ぶ、下請けを守るための知識。