新長田駅南再開発事業の真実と課題?- 震災復興と街の未来を考える326億円の赤字と負の遺産 - 新長田駅南再開発事業の真相
阪神・淡路大震災からの復興を目指した神戸市新長田駅南地区の再開発。 2277億円を投じ、安全な街を目指したが、商業床の売れ残り、商店街の衰退など、 326億円の赤字という結果に。震災後の都市計画と社会の変化との乖離、住民との連携不足が浮き彫りに。 復興は終わったのか? 再開発の課題と未来への教訓を問いかける。
💡 阪神・淡路大震災からの復興を目指した新長田駅南地区の再開発事業の経緯を解説します。
💡 326億円の赤字を出し、負の遺産と化した再開発事業の問題点を具体的に明らかにします。
💡 再開発事業における住民との対立や、今後の課題と展望について考察します。
それでは、新長田駅南地区の再開発事業が抱える問題点について詳しく見ていきましょう。
阪神・淡路大震災からの復興と再開発事業の開始
阪神・淡路大震災後の新長田駅南地区再開発は成功したのか?
失敗に終わった
本章では、阪神・淡路大震災からの復興と、新長田駅南地区の再開発事業の始まりについて見ていきます。
公開日:2021/06/08

✅ 阪神大震災で壊滅的な被害を受けた神戸市長田区の新長田駅南地区で進められた復興再開発事業について、地元の民間機関である兵庫県震災復興研究センターが検証を行っている。
✅ センターの出口俊一事務局長は、神戸市の検証報告書が再開発地区周辺も含めた地域全体の現状を十分に考慮していないと指摘し、再開発の必要性について疑問を呈している。
✅ センターは、今年12月までに検証を完了し、報告書を出版する計画で、その費用をクラウドファンディングで募っている。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20210608/ddl/k28/040/281000c震災からの復興を目指した壮大な計画でしたが、事業の遅延や赤字によって、その影が色濃くなりましたね。
1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生し、神戸市新長田地区は壊滅的な被害を受けました。
特に、新長田駅南地区は、商店街が壊滅し、多くの住民が家を失いました。
震災直後、被災した人々の生活再建は急務であり、神戸市は、被災地復興を目指して、新長田駅南地区の再開発事業を決定しました。
この事業は、住商工の再配置、災害に強い安全・安心な街づくり、道路や歩行者ネットワークの整備、良質な住宅の供給などを目的とし、19.9ヘクタールの地区に、約2277億円をかけて行われました。
しかし、事業費の調達や地権者との交渉が難航し、再開発事業は当初の計画から遅延しました。
また、バブル崩壊後の低成長期に突入したこともあり、人口増加や商業床需要増による地価上昇を前提とした計画は、時代と合致しませんでした。
その結果、再開発事業は326億円の赤字見込みとなり、商業床の約6割が売れ残る現状となりました。
うーん、2277億円もかけて、6割も商業床が売れ残るとは、ビジネスとしては大失敗だな!
再開発事業の完了と街の現状
新長田駅南地区は災害に強くなりましたが、何が課題として残っていますか?
活性化不足と高齢者の生活再建
この章では、再開発事業の完了と、その後の街の現状について見ていきましょう。

✅ 阪神・淡路大震災からの復興事業として行われた「新長田駅南地区震災復興第二種市街地再開発」は、30年の歳月と326億円もの赤字を費やしたにもかかわらず、地元住民からは「負の遺産」と評されている。
✅ この巨大事業は、震災で壊滅的な被害を受けた長田区南部の「下町」地区を対象とし、かつては活況を呈していた商業地域を再開発することを目的としていた。
✅ しかし、住民の猛反発や、開発計画の変更、事業費の膨張など、数々の課題を克服できずに、当初の目的であった「西の副都心」の実現には至らなかった。
さらに読む ⇒ニュース出典/画像元: https://news.yahoo.co.jp/articles/526337d7de75583e22c9afcb0ab545f3323d19d0再開発は完了したものの、震災前の活気を取り戻すことはできなかった。
住民の生活再建も課題が残ったんですね。
再開発事業が完了した2024年11月12日、新長田駅南地区は、災害に強い街として生まれ変わりました。
しかし、かつてのにぎわいを再現することはできませんでした。
商店街は、再開発事業によって高額な管理費を負担せざるを得なくなり、多くの店が撤退を余儀なくされました。
震災前の活気に満ちた商店街は、再開発によって影を潜め、街の活性化は進んでいません。
また、再開発事業によって、居住者のための住宅は確保され、新たな施設も整備されましたが、人口増加は限定的でした。
これは、再開発事業が、社会の変化に対応しきれていなかったことを示しています。
特に、高齢化社会における生活再建の課題は深刻です。
被災者向けの借り上げ復興住宅の退去問題も浮上しており、高齢者の生活再建が困難になっています。
再開発って、まるでパッチワークみたいだね。新しいモノで隠しても、根本的な問題は解決してないってことかな。
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新長田駅再開発の裏側!商業不振、市との対立…震災復興の名の下に進められた事業の闇に迫る。326億円赤字の真相とは?未来の街づくりを問う。