津軽線廃止問題の行方: 廃止?存続?地域交通はどうなる?JR津軽線、廃止決定までの道のり
豪雨災害で不通となったJR津軽線・蟹田~三厩間。赤字ローカル線の廃止が現実となり、地域交通の転換が迫られました。JR東日本は、上下分離方式や代替バスを提案するも、最終的には廃止へ。「わんタク」など新たな地域交通の導入とNPO法人設立による持続可能な交通網構築を目指します。廃線後の地域経済への影響と、住民の意見反映が今後の課題です。
💡 JR津軽線・蟹田~三厩間は、利用客減少と災害による復旧費用が課題となり、廃止の検討が進められました。
💡 代替交通手段としてバス・タクシーへの転換が決定し、デマンドタクシー「わんタク」の実証実験が実施されました。
💡 JR東日本と沿線自治体は、新たな地域交通のあり方を目指し、NPO法人設立やエリア一括協定運行などを検討しています。
それでは、津軽線存廃問題について、その背景から現状、そして今後の展望について、詳しく見ていきましょう。
津軽線存廃問題の始まり
津軽線はなぜ廃止の危機に?
豪雨災害と赤字のため
Chapter-1では、津軽線の存廃問題がどのように始まったのか、その背景を詳しく見ていきましょう。
公開日:2022/12/24

✅ JR東日本は津軽線の蟹田駅から三厩駅までの約29km区間について、存続・廃止を含めた協議を地元自治体と始める方針を示しました。
✅ 津軽線は2016年の北海道新幹線開業以降、利用客が減少し、2022年の豪雨災害による不通で復旧費用も課題となり、存続が危ぶまれています。
✅ 沿線自治体は地域公共交通計画を策定しており、津軽線の維持存続を目指している一方で、路線維持の費用負担や代替交通手段の確保など、課題も多く、今後の協議の行方が注目されています。
さらに読む ⇒鉄道協議会日誌赤字ローカル線の廃止を防ぐためにできること出典/画像元: https://tetsudokyogikai.net/column/jrtsugaruJR東日本が津軽線の将来について協議を開始した背景には、利用客の減少と2022年の豪雨災害による不通がありました。
今後の協議の行方に注目が集まります。
2022年8月、豪雨災害により津軽線蟹田~三厩間が不通となり、復旧費用や維持費の負担が課題となりました。
利用者数が少なく赤字ローカル線だったこともあり、JR東日本は沿線自治体との協議で廃止の方向で話が進みました。
2022年12月19日、JR東日本は津軽線の「将来のあり方」について、沿線自治体などと協議を始める意向を示しました。
協議対象は、蟹田から三厩までの約29km区間です。
協議は、国主導ではなくJR東日本側が提起し、県と地元自治体が応じたもので、従来とは異なる枠組みでの検討が進められています。
なるほど、JR東日本も大変ですね。赤字ローカル線を抱えるのは、経営者としては痛手でしょう。しかし、地域住民の足を守ることも重要です。何か良い落としどころは見つかるのでしょうか?
廃止決定と代替交通手段
JR津軽線の廃止で、地域住民はどうなる?
バス・タクシー転換予定
Chapter-2では、JR津軽線の廃止決定と、それに伴う代替交通手段について解説していきます。

✅ JR津軽線・蟹田-三厩間(28.8キロ)の廃止とバス、タクシーへの転換で沿線4市町村と青森県、JR東日本、国が合意しました。
✅ 今別町は当初鉄路復旧を主張していましたが、議論の停滞などを理由に断念し、JR東の提案を受け入れることを表明しました。
✅ 青森県は鉄路廃止を容認し、バス、タクシーへの転換によって運行本数が増えることや、JR東がNPO法人を設立して運営を担うことを前向きに受け止めました。今後、具体的な議論に移行し、鉄路廃止の手続きや新たな交通体系の導入が進められます。
さらに読む ⇒東奥|東奥日報社出典/画像元: https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1783451廃止決定に至るまでの経緯と、代替交通手段としてのバス・タクシーへの転換が具体的に進められている状況について詳しく見ていきましょう。
JR東日本は、2023年1月から沿線自治体と協議を開始し、当初は鉄道復旧を訴えていた自治体に対し、上下分離方式による鉄道復旧や代替バス・乗合タクシーへの転換を提案しました。
上下分離方式では、自治体の負担額が年間4億2000万円と試算され、現実的ではないことから、JR東日本はバス・乗合タクシーへの転換が望ましいと結論付けました。
協議では、デマンド型乗合タクシー「わんタク」の活用も検討されましたが、運行エリアが限定的でした。
2024年5月23日、JR津軽線蟹田~三厩間の廃止が事実上決定しました。
代替交通手段として、バスの運行やデマンドタクシー「わんタク」の整備、地域交通の一帯再編などが計画されています。
バスやタクシーへの転換は、鉄道よりも柔軟性があり、利便性が向上する可能性もありますね。まあ、ワタシも東京住みだったから、ローカル線の事情は他人事だけどね。
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津軽線の存続へ!地域交通の課題解決に向け、JR東日本と沿線自治体が連携。割引やQR決済導入で利便性向上。住民の意見を反映し、持続可能な交通を目指します。