HIS不正受給問題:コロナ禍の雇用調整助成金利用で露呈したガバナンスの課題とは?HISの雇用調整助成金不正受給問題:再発防止策と今後の課題
HISの雇用調整助成金不正受給問題。コロナ禍で約62億円もの不適切受給が発覚!ずさんな労務管理とガバナンスの甘さが露呈。子会社でも不正が相次ぎ、再発防止策が急務。経営再建の最中、信頼回復への道のりは険しい。
💡 旅行大手HISが、コロナ禍の雇用調整助成金約242億円のうち、約62億円を不適切に受給していたことが判明。子会社でも不正受給が発覚。
💡 不正受給の原因は、助成金制度への理解不足と労務管理の不備。HISは自主返還と再発防止策を発表。経営陣の責任も問われる。
💡 ガバナンス体制の脆弱性が露呈。再発防止策として、労務管理体制の強化と社内教育の充実を図るも、信頼回復への道は険しい。
HISの不正受給問題について、詳細を見ていきましょう。
まずは、今回の問題の概要からご説明いたします。
コロナ禍と雇用調整助成金:HISの苦境
HIS、コロナ禍で不正受給?巨額の雇調金の行方は?
約242.6億円の雇調金受給が不適切と判明。
今回の問題は、コロナ禍におけるHISの経営状況と、雇用調整助成金という制度の利用が背景にあります。
まずは、HISの置かれた状況から見ていきましょう。
公開日:2025/01/28

✅ 旅行大手HISが、新型コロナ禍で受給した雇用調整助成金約242億円のうち、約62億円を不適切に受給していたことが判明し、自主返還を発表しました。
✅ 子会社でも不正受給が発覚し、同社の社長が謝罪、労務管理の甘さと助成金制度への理解不足を原因として挙げています。
✅ 厚生労働省の厳格な対応を受け、HISは再発防止策として労務管理体制の強化と社内教育の充実を図るとしていますが、企業ガバナンスの課題が問われています。
さらに読む ⇒サステナビリティをステークホルダーの声で可視化するメディア出典/画像元: https://coki.jp/article/news/45110/HISが雇用調整助成金で不正受給していたというニュースは衝撃的でしたね。
242億円もの巨額な助成金を受給していたことも驚きです。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、旅行業界に深刻な打撃を与え、HISも例外ではありませんでした。
厳しい経営状況下、HISはコスト削減の一環として雇用調整助成金制度を利用しました。
この制度は、休業手当などを企業が支給した場合に、国から助成金が支給されるものです。
HISは2020年3月から2022年12月にかけて約242.6億円の雇調金を受給しましたが、その後、この受給が不適切であったことが明らかになります。
いやあ、ミリオネアとしては、企業がこういった制度を最大限に活用するのは当然のことだと思う。ただ、ルールは守らないといけないね。
不正受給の発覚:HIS本体と子会社ナンバーワントラベル渋谷
HIS、約63億円の不正受給!何が問題だった?
休業日の就業実態隠蔽、虚偽申請が原因。
HIS本体だけでなく、子会社でも不正が行われていたという事実は、組織全体のガバナンス体制に問題があったことを示唆していますね。

✅ HISは、雇用調整助成金の不適切受給が発覚し、約62.6億円を自主返還することを決定。子会社ナンバーワントラベル渋谷では不正受給が確認され、約1.3億円を返還、経営陣の報酬減額や社長の辞任勧告を実施。
✅ 不正受給の要因として、助成金制度への理解不足と労務管理の不備が指摘され、就労実態の認識の甘さやグループ単位での仕事の運用不足が明らかになった。
✅ 更なるガバナンス強化のため、特別調査委員会の提言を踏まえ、再発防止策を速やかに報告する予定。その他子会社への調査は継続中で、2024年10月期決算は調査報告書受領後に発表される。
さらに読む ⇒観光産業最新情報トラベルビジョン出典/画像元: https://www.travelvision.jp/news/detail/news-114871まさか子会社でも不正受給があったとはね。
就業実態の確認とか、もっとしっかりやらないとダメよ。
お金のことだからさ。
HISの内部調査の結果、休業日に従業員が業務メールを送信するなど就業実態が確認され、受給条件を満たさない状態での申請があったことが判明しました。
具体的には、休業日の約2割で就業実態が確認され、約62億円が不適正受給と判定されました。
外部調査の結果、就労の有無に関する調査では、メールやシステム操作履歴が確認されたにも関わらず休業と申請されていた実態が明らかになりました。
問題はHIS本体だけに留まらず、連結子会社「ナンバーワントラベル渋谷」でも、2020年3月から2023年3月にかけて約1億円の不正受給が発覚しました。
就労日に休業したとする虚偽の申請が行われていたことが原因です。
これを受け、東京労働局が調査を開始し、外部の法律事務所(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)に調査を依頼しました。
あらまあ、子会社でも不正受給ね。HISって、ちょっとガバナンスが甘いのかな? 他にも何か出てきそうよねぇ。
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HIS、不正受給問題でガバナンスの甘さが露呈。再発防止策を発表も、信頼回復への道は険しい。コンプライアンス強化が急務。