米国の経済安全保障強化？トランプ関税政策と232条の行方？トランプ関税、鉄鋼・アルミ、木材輸入への影響

まずは、トランプ政権下での米国の経済安全保障強化に向けた動きの全体像を把握していきましょう。

米国の経済安全保障強化への動き：トランプ政権の初期対応

トランプ政権は、経済安全保障を重視し、関税政策を強化する姿勢を示しているのです。

トランプ次期政権下で取られ得る関税政策（米国）

✅ 2024年11月の米国大統領選挙でトランプ前大統領が勝利し、2025年1月に再就任。公約として、関税政策の強化を掲げている。

✅ トランプ氏の関税政策は、全世界からの輸入への一律関税、互恵通商法、中国やメキシコへの追加関税など多岐にわたる。大統領権限で発動可能な関税措置の根拠法も複数存在する。

✅ 過去の通商拡大法232条や通商法301条、国際緊急経済権限法（IEEPA）などを基に、関税政策の実現可能性やスケジュールを考察する必要がある。

さらに読む ⇒ジェトロ（日本貿易振興機構）出典/画像元: https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2025/0102/671a32dff1e92ddd.html

トランプ大統領の関税強化の動きは、様々な法律に基づいており、その実現可能性を検証する必要がある事が分かりました。

ドナルド・トランプ大統領は、就任初日に米国の経済安全保障を強化するための大統領覚書を発表しました。

この覚書は、安全保障を脅かす輸入に対する調査、輸出管理の強化、対外投資規制の見直しなどを指示しています。

特に、1962年通商拡大法232条に基づく調査開始の評価を商務長官に指示し、232条が安全保障を損なう輸入に対し大統領が是正措置を取る権限を与えるものであることを明確にしました。

トランプ政権は、木材・製材品の輸入が国家安全保障を脅かす可能性があるとして、232条に基づく調査を商務長官に指示する大統領令も発表しました。

この調査は、米国の木材サプライチェーンの脆弱性や、外国政府の不当な補助金を受けた木材輸入が米国の安全保障を損なう可能性を評価することが目的です。

商務長官は270日以内に調査結果を報告し、関税賦課などの脅威緩和措置も提言する予定です。

なるほど、232条ってやつが、今回の話のキモってことだな。関税って、やっぱりビジネスには大きな影響を与えるから、しっかり見ておかないとな。

232条に基づく鉄鋼・アルミ製品への追加関税：その経緯と内容

鉄鋼とアルミへの関税引き上げは、国内産業の保護と国家安全保障を目的としています。

訂正

公開日:2025/02/14

✅ トランプ米大統領は、鉄鋼とアルミニウムに対する関税を大幅に引き上げ、カナダ、メキシコ、ブラジルなど主要供給国への適用除外措置と無関税枠を撤回しました。

✅ 今回の措置は、国内の鉄鋼・アルミ生産会社を保護し、国家安全保障上の理由から、外国からのダンピングを抑制し国内生産を押し上げる狙いがあります。

✅ 今回の関税引き上げに対し、カナダや欧州委員会は不当であると反発し、報復関税の可能性も示唆しており、貿易戦争のリスクが高まっています。

さらに読む ⇒ロイター 経済、株価、ビジネス、国際、政治ニュース出典/画像元: https://jp.reuters.com/markets/commodities/X2KZ6NMZFFK5FLPMFK2WAXU6E4-2025-02-10/

2018年の調査結果によると、鉄鋼とアルミニウムの輸入は米国の安全保障を脅かす可能性があると判断されたんですね。

2018年2月16日、商務省は鉄鋼とアルミニウム製品の輸入が米国の安全保障に及ぼす影響に関する調査結果を公表しました。

これは1962年通商拡大法232条に基づき実施されたもので、輸入が安全保障を損なう恐れがある場合に大統領に是正措置を取る権限を与えるものです。

商務省は鉄鋼とアルミニウム双方の輸入について、米国の安全保障を損なう恐れがあると判断し、大統領に是正措置を提言しました。

トランプ大統領は、232条に基づき、鉄鋼製品については4月11日まで、アルミニウムについては4月19日までに措置内容を決定し、その後15日以内に実施する必要がありました。

鉄鋼製品には25%、アルミ製品には10%の追加関税が課されており、MFN（最恵国待遇）ベースで適用されます。

国別除外や製品別除外も認められていますが、国別除外は数量制限を受け入れることが条件となっています。

追加関税は原則として継続することが特徴です。

また、自動車・自動車部品についても調査が進行中です。

やっぱり、自国の産業を守るってのは大事なんだべさ。でも、報復関税とか貿易戦争は避けたいよね。