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福島第一原発 廃炉への道:燃料デブリ取り出しと汚染水対策の現状は?福島第一原発の廃炉作業:燃料デブリ取り出しの現状と今後の課題

福島第一原発の廃炉に向けた中長期ロードマップの進捗を解説。燃料デブリ取り出しという最難関に挑む。2号機での試験的取り出しが成功し、デブリの分析が進む。ロボット技術も駆使し、安全な作業環境を構築。今後の取り出し方法確立へ。

福島第一原発 廃炉への道:燃料デブリ取り出しと汚染水対策の現状は?福島第一原発の廃炉作業:燃料デブリ取り出しの現状と今後の課題

📘 この記事で分かる事!

💡 福島第一原発の廃炉は、汚染水対策、燃料デブリ取り出し、廃棄物対策の3本柱で進められています。

💡 燃料デブリ取り出しは、2号機から試験的に開始され、ロボット技術を活用した調査と回収が進んでいます。

💡 2024年11月には2号機で燃料デブリの試験的取り出しが完了し、分析が行われています。

それでは、福島第一原子力発電所の廃炉について、現状と今後の展望を3つのポイントに絞ってご紹介いたします。

事故から廃炉へ:ロードマップと現状

福島第一原発廃炉の鍵は?どんな技術が使われる?

ロボットとミュオンで燃料デブリを探す!

本日は、福島第一原発の廃炉に向けたロードマップと、現在の進捗状況について解説していきます。

廃止措置に向けた中長期ロードマップ
廃止措置に向けた中長期ロードマップ

✅ 福島第一原子力発電所の事故収束後の中長期的な取り組みとして、中長期ロードマップが策定され、3回の改訂を経て、廃炉・汚染水対策が進められている。

✅ 中長期ロードマップでは、地域の安全確保を最優先とし、透明性を確保しながら、現場状況や研究開発成果を踏まえて継続的に見直しを行うことを基本原則としている。

✅ 中長期の具体的対策として、汚染水対策、使用済燃料プールの燃料取り出し、燃料デブリ取り出し、廃棄物対策等が進められており、各段階においてマイルストーンが設定されている。

さらに読む ⇒原子力百科事典出典/画像元: https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-07-03-08.html

廃炉作業は、中長期ロードマップに基づいて進められ、汚染水対策、燃料取り出し、廃棄物対策など、多岐にわたる取り組みが行われていますね。

2011年の福島第一原発事故後、政府と東京電力は廃炉作業の工程を示す「中長期ロードマップ」を策定し、状況に合わせて見直しを重ねてきました。

このロードマップは、汚染水対策、燃料取り出し、燃料デブリ取り出し、廃棄物対策、労働環境改善、研究開発の5つの柱で構成されています

2017年には4回目の改定が行われ、詳細な炉内状況の調査が進みました。

高放射線量の環境下では、ロボットや宇宙線「ミュオン」などの先端技術が活用され、炉内の状況を調査し、燃料デブリの位置を特定しています。

ふむ、ロードマップの改訂を重ねて、ロボット技術まで活用しているとは、流石だな。それにしても、何百億円かかっているんだ?株価に影響が出ないか、気になるね。

汚染水対策と燃料取り出し:進捗と課題

汚染水対策、燃料取り出しの今後のスケジュールは?

2031年内に全号機の燃料取り出し完了。

汚染水対策と燃料の取り出しについて、詳しく見ていきましょう。

廃炉への取り組み〜中長期ロードマップ、燃料デブリ〜
廃炉への取り組み〜中長期ロードマップ、燃料デブリ〜

✅ 福島第一原子力発電所では、溶融した燃料デブリの取り出しと原子炉建屋の解体・撤去が進められており、国、技術戦略を策定する組織、企業、研究機関などが連携して廃炉・復興に取り組んでいます。

✅ 燃料デブリの取り出しに向けて、ロボットなどを用いて原子炉建屋内の除染や内部状況の調査が行われており、2号機からの取り出し開始を目指して準備が進められています。

✅ 各号機の状況として、1~3号機は水素爆発によって損傷し、燃料デブリの取り出しに向けた対策が講じられています。4号機は使用済燃料の取り出しを完了しており、5、6号機は研究開発の場として活用が検討されています。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.jaero.or.jp/sogo/detail/cat-06-02.html

各号機で進められている対策、それぞれ状況が異なるんですね。

建屋内の滞留水処理は完了したとのことですが、先は長いですね。

汚染水対策としては、汚染水発生量の抑制を目指し、建屋内の滞留水処理を完了させました

燃料取り出しについては、1~6号機の燃料取り出し完了を2031年内、1号機の大型カバー設置を2025年夏頃、1号機の燃料取り出し開始を2027~2028年度、2号機の燃料取り出し開始を2024~2026年度としています。

新型コロナウイルス感染症の影響や安全性の確保のため、一部工程は見直されました。

廃棄物対策としては、処理・処分の方策と安全性に関する技術的な見通しを2021年度頃に達成し、ガレキ等の屋外一時保管を2028年度内に解消することを目指しています。

あら、燃料取り出しの完了が2031年までかかるの? まだまだ先の話だね。それに、一部工程が見直されたってことは、やっぱり大変なんだね。

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福島第一原発2号機で燃料デブリ初取り出し!遠隔操作で0.7gを回収。分析結果を基に、更なる取り出しへ。廃炉作業を安全に進めるための技術開発も。