TOTOの中国事業はなぜ低迷している?中国市場進出の光と影とは!?
中国市場に参入したTOTO。高級路線でシェア拡大を目指していたが、不動産市況の低迷で業績悪化!抜本的な戦略見直しへ。今後の展望は?
💡 TOTOは中国市場において高級路線戦略を採用している。
💡 TOTOの中国事業は近年低迷しており、業績予想の下方修正も発表されている。
💡 TOTOは中国事業戦略の見直しを進め、新たな成長戦略を模索している。
それでは、TOTOの中国事業について詳しく見ていきましょう。
中国市場への進出と高級路線戦略
TOTOは中国でどの商品が人気?
衛生陶器と温水洗浄便座
中国市場は、まだまだ成長が見込める市場であり、TOTOにとっても重要な市場と言えるのではないでしょうか。
公開日:2024/08/28
✅ 中国では温水洗浄便座の生産量は世界一だが、普及率は低く、2019年の時点でわずか5%だった。一方、日本では温水洗浄便座の普及率は80%を超え、生活必需品となっている。
✅ 中国では、公衆トイレの衛生状態が悪いため、便座に座りたくないという人が多く、和式便座が好まれている。また、住宅のトイレでは、日本のトイレットペーパーと比べて若干厚みがあったり、水圧が弱く、詰まる頻度が高いという問題もある。
✅ 中国では、家電のスマート化が進んでいるものの、トイレのスマート化は近年になって普及し始めた。特に若い世代に需要があるが、価格や機能性の面で課題もある。
さらに読む ⇒海外情報ナビ - 海外ビジネスをもっと簡単に!出典/画像元: https://global-biz.net/east-asia/china/toilet_tech_paradox-cn/TOTOは、中国市場で高級路線戦略を採用し、高所得者層にアプローチしているんですね。
TOTOは1980年から中国市場に進出し、現在では8つの工場を構えています。
2017年度の中国での売上高は719億6600万円で、衛生陶器が約40%、温水洗浄便座が25%を占めています。
売上高の約40%は華東地域で、上海や蘇州、南京などの主要都市が中心となっています。
TOTOは、北京オリンピックの会場や5つ星ホテル、超高層ビルなどの著名施設への納品に力を入れており、ブランド戦略として高所得者層への認知度向上を目指しています。
従来の゛ニーハオトイレ゛とは異なる高機能・高品質な商品を提供することで、自然と高級路線に落ち着いたとのことです。
なるほど。中国市場で高級路線戦略を採用するというのは、なかなか挑戦的な戦略ですね。
中国事業の低迷と課題
TOTOの中国事業はなぜ苦戦しているのか?
不動産不況と需要減
中国での不動産市況の悪化は、TOTOの中国事業にも大きな影響を与えているんですね。
公開日:2019/10/21
✅ TOTOは日本のトイレメーカーとして国内で圧倒的なシェアを誇り、温水洗浄便座「ウォシュレット」の代名詞として知られています。中国市場での経済成長に伴い業績を伸ばしてきましたが、近年は不動産市況の悪化や新商品立上げの遅れにより、中国事業が減収減益となり、株価も下落しています。
✅ TOTOの強みは、国内市場における高いシェアとブランド力です。トイレ分野で6割、温水洗浄便座分野で5割超のシェアを占め、競合であるLIXILとの比較においても圧倒的な実力差があります。
✅ 中国事業の減収減益は、一線都市における不動産市況の悪化や経済の停滞が影響しており、特に富裕層からの需要が落ち込んでいることが要因です。TOTOは高価格帯の製品を展開しているため、中国の「トイレ革命」と呼ばれる低価格帯のトイレ市場への浸透が遅れていることが課題として挙げられます。
さらに読む ⇒まぐまぐ! - 読みたいメルマガ、きっと見つかる。出典/画像元: https://www.mag2.com/p/money/795180中国のトイレ市場は、低価格帯のトイレが主流なんですね。
TOTOは温水洗浄便座「ウォシュレット」でお馴染みのトイレメーカーです。
国内では圧倒的なシェアを誇り、中国の経済成長と共に業績を伸ばしてきましたが、近年中国事業が減収減益に陥り、株価も下落しています。
原因は、中国の一線都市における不動産市況の悪化と新商品発売の遅れによる富裕層からの需要減とされています。
TOTOは高級路線を維持しているため、中国で普及している安価なトイレの需要には応えられておらず、中国における「トイレ革命」の波に乗り遅れている可能性も指摘されています。
うむ。中国市場では、価格競争が激化しているからな。TOTOは、高級路線を維持しつつ、中国の市場に合わせた商品開発も必要になってくるだろう。
業績予想の下方修正と中国事業の低迷
TOTOの営業利益下方修正の主な理由は?
中国不動産市況低迷
TOTOの業績予想下方修正は、中国事業の低迷が大きな要因となっているんですね。
公開日:2023/10/31
✅ TOTOは2024年3月期の業績予想を下方修正し、営業利益は470億円(前期比減益)、売上高は7200億円(前期比減収)となる見通しを発表しました。
✅ 下方修正の理由は、中国の不動産市況低迷による海外住設事業の業績悪化です。特に中国大陸事業は大幅な減収減益が見込まれ、ホテルなど住宅以外の物件への営業強化で新たな需要の掘り起こしを急ぐとしています。
✅ TOTOは、住宅設備事業の成熟化に伴い、新たな成長分野として半導体関連事業への参入を検討しているとのことです。
さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/ASRBZ7TH8RBZULFA01F.html中国市場の不動産市況の低迷は、いつまで続くのでしょうか?。
TOTOは2024年3月期の連結営業利益が従来予想の530億円から470億円に下方修正されました。
これは、中国の不動産市況の低迷が想定より長引いているため、海外住設事業の採算が悪化したことが主な要因です。
特に中国大陸事業の営業利益は30%減の57億円となり、当初計画から半減しました。
一方で、国内住設事業は値上げ効果が浸透し、33%増の260億円と従来予想より10億円上振れする見込みです。
TOTOは、中国の不動産市況の低迷が2024年度以降も続くと予想しており、今後の事業展開には注意が必要です。
うむ。TOTOは、中国市場の低迷を乗り切るためにも、新たな成長分野への進出も検討しているようだな。
2025年3月期業績予想と今後の戦略
TOTOの2025年3月期予想は?
減益見通し
TOTOは、中国事業の低迷に加えて、売上高も下方修正されているようですね。
✅ TOTO株式会社の四半期業績推移は、売上・営業利益・営業利益率のデータが示されています。直近のFY2024.Q3では、売上は185,024百万円、営業利益は17,640百万円、営業利益率は9.53%となっています。
✅ TOTO株式会社は1917年5月に設立され、衛生陶器の製造・販売から始まり、水栓金具、プラスチック製品、温水洗浄便座「ウォシュレット」などの周辺機器も製造・販売しています。
✅ 代表取締役は3名で、会長の喜多村円氏は1981年に入社し、社長の清田徳明氏は1984年に入社、副社長の白川敬氏は1985年に入社しています。
さらに読む ⇒PERAGARU_INSIGHT出典/画像元: https://peragaru.net/10563/中国事業の赤字転落は、予想外の事態だったのではないでしょうか?。
TOTOは2025年3月期の連結純利益が前期比3%減の360億円になる見通しと発表しました。
従来予想を下回り、減益となる見込みです。
市場予想平均も下回る結果となりました。
税負担増が響いたほか、材料高や市況低迷で国内外の住宅設備事業や中国事業が落ち込んだことが原因です。
特に中国事業は不動産市況の低迷と競合他社との価格競争の激化により、従来計画の44億円の黒字から一転、44億円の赤字に転落する見込みです。
白川敬副社長は抜本的な戦略の見直しに着手すると表明しました。
一方、米州ではウォシュレット販売が伸びており、セラミック事業も上振れする見込みです。
連結売上高は4%増の7300億円と200億円下振れする予想です。
24年4〜9月期の売上高は前年同期比5%増の3557億円、純利益は2%増の169億円でした。
やはり、中国市場は安定しているとは言えないな。TOTOは、抜本的な戦略の見直しが必要だろう。
中国事業戦略の見直しと新たな成長戦略
TOTOは、中国事業の減速を受けてどのような戦略転換を図ることにしたのでしょうか?
事業戦略を抜本的に見直し
TOTOは、中国市場の現状を踏まえて、戦略を見直す必要性を感じているようですね。
公開日:2024/10/29
✅ TOTOは、中国大陸事業の戦略を全面的に見直すことを発表しました。これは、中国の不動産市況の低迷と価格競争の激化によるものです。
✅ TOTOは従来、中国大陸市場を成長の重要な柱と位置付けていましたが、新築物件の需要減少を受け、今後はリフォームを軸に販売を強化する方針に転換します。
✅ 清田社長は、年初の予想以上に環境が厳しいため、今年4月に公表した年5%の成長目標の見直しも検討すると述べ、競争激化の中で成熟市場での生き残りを図る必要性を強調しました。
さらに読む ⇒Financial News Japan出典/画像元: https://fnnews.jp/archives/16414TOTOは、中国市場での成長を諦めたわけではないようですね。
TOTOは、中国市場の減速を受け、現地での住設事業戦略を抜本的に見直す方針を打ち出しました。
中国市場の不動産市場のブレーキや消費マインドの抑制、新築市場の縮小、中級クラスの競争激化などが要因として挙げられています。
TOTOは、普及品ではなく、品質と機能で評価される層をターゲットに、安定した事業を目指します。
2030年度の売上高目標は「1兆円以上」に引き上げられていますが、中国事業の減速を考慮しても、新たな成長分野の伸びによって目標達成は可能であると、清田徳明社長は考えています。
TOTOは中国大陸事業の戦略を全面的に見直すことを発表しました。
不動産市況低迷の長期化と価格競争の激化を受け、4月に公表した年5%の成長目標を引き下げる方針です。
TOTOは従来、中国大陸事業を成長の柱としていましたが、近年は不動産不況の影響を受けて、新築からリフォーム中心の販売戦略に転換しています。
清田社長は、中国市場は年初以上に厳しさを増しており、底入れの時期も見えない状況であると述べ、競争激化の中で成熟的な生き残りを目指すため、事業戦略を抜本的に見直していく方針を明らかにしました。
TOTOは、2024年3月期の業績予想を下方修正し、営業利益は470億円(前期比減益)、売上高は7200億円(前期比減収)を見込みました。
これは、中国の不動産市況低迷による海外住設事業の低迷、特に中国大陸事業の売上高と営業利益の大幅な減少が原因です。
TOTOは、ホテルなど住宅以外の物件に対する営業を強化して、新たな需要の掘り起こしを急ぐとともに、半導体分野への進出など新たな事業展開にも注力していく方針です。
うむ。TOTOは、中国市場での成長を諦めずに、戦略を見直して、新たな道を切り開く必要がある。
TOTOは、中国事業の低迷を克服するために、戦略の見直しを進めているようですね。
今後の動向に注目していきましょう。
💡 TOTOは中国市場において高級路線戦略を採用しているが、近年は不動産市況の悪化などにより低迷している。
💡 TOTOは業績予想の下方修正を発表し、中国事業戦略の見直しを進めている。
💡 TOTOは新たな成長戦略として、リフォーム市場や半導体関連事業への進出も検討している。