地銀の収益回復は?日銀の金融政策修正がもたらす変化とは!?
💡 日銀の金融政策変更が地銀の収益にどう影響するか
💡 地銀が収益回復のために取り組むべき具体的な対策
💡 地銀が直面する課題とリスク
それでは、具体的な内容を見ていきましょう。
日銀の金融政策修正と長期金利上昇
現在の日本の金融政策は、長期金利を安定させるため、日銀が市場介入を行っている状態です。
✅ 日本の金融政策であるYCC(イールド・カーブ・コントロール)は、市場で決まるべき長期金利を日銀が人為的に操作する政策です。しかし、YCCによって生じる「ゆがみ」は、物価上昇などの経済状況変化に対応しづらく、近年は市場で長期金利が上昇する圧力が高まっています。
✅ 特に2023年1月に入って、海外投資家は日本の国債を大量に売却し、日銀のYCC政策に対する懸念が高まっています。これは、海外投資家がYCCの撤廃を予想し、国債価格が下落する前に売却しているためです。
✅ YCCは「事前に通告できない」という構造的弱点があり、事前に撤廃を表明すると市場が混乱し、国債価格が下落してしまうため、日銀はYCCの維持か撤廃か、難しい判断を迫られています。
さらに読む ⇒三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた出典/画像元: https://freetonsha.com/2023/01/17/boj/このYCCの修正は、市場の反応が大きいです。今後の動向に注目ですね。
日本銀行は金融政策決定会合で、長期金利の許容変動幅を「±0.5%程度」に据え置いたものの、目標から「目途」に変更し、事実上の上限を1%に引き上げました。これは、長期金利が0.5%の上限に迫っていたことと、2023年度の消費者物価指数の前年比上昇率見通しを大幅に引き上げたことが背景にあると考えられます。このYCC修正により、企業部門では利払いコストの増加による収益減、中小企業では利払い負担増、家計部門では住宅投資や繰り上げ返済などに影響が予想されます。また、地方銀行や第二地方銀行は、長期金利上昇による有価証券価値の下落リスクを抱えることになります。ただし、短期金利はマイナス0.1%に据え置かれたため、金融正常化へのステップとは見なされません。日銀の財務内容は改善する可能性があるものの、将来の政策金利引き上げによる損失は新たな財政コストとなる懸念が残ります。
なるほど、日銀も大変だな。でも、俺だったらもっと早く動いて、市場の混乱を防ぐようにするけどな。
地銀にとっての収益回復への道
地銀は、地域経済の活性化に重要な役割を担っています。
✅ 上場地銀は24年9月期中間決算で経常利益が24%増益となるなど、資金運用利益や役務取引等利益の改善により底堅い業績を示しました。これは企業の設備投資増加や日銀の政策修正による金利上昇が追い風となり、貸出残高が増加したことが要因です。
✅ しかし、地銀の預貸金利ざやは半数以上で改善しておらず、貸出金利の引き上げ幅は銀行間で差が出ている一方、預金金利は横並びで上昇しているため、利ざやの縮小圧力が懸念されます。特に小規模地銀では貸出金利の引き上げが遅れている傾向が見られます。
✅ 今後、日銀の追加利上げにより金利が上昇すれば、融資先が金利引き上げに難色を示したり、返済能力が乏しい企業の資金繰りが悪化する可能性があります。地銀は融資先の経営課題解決を支援する体制強化や市場金利に見合う貸出金利の引き上げを検討する必要があり、金利上昇に脆弱な企業に対しては収益力強化支援などが重要となります。
さらに読む ⇒TBS NEWS DIG出典/画像元: https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/1571206?display=1地銀にとって厳しい状況が続くようですね。
日銀の金融政策修正は、地銀の資金運用利益を回復させる可能性があるものの、大幅な回復は期待できません。マイナス金利政策解除だけでも、預貸金からの利益は約1200億円改善する見込みですが、これはマイナス金利政策導入以降減少した資金運用利益の約4割に過ぎません。地銀は、低金利環境が長期化する中で貸出金利の低金利シフトが進んでいるため、収益回復には新たな収益源の獲得が不可欠です。しかし、新たな収益源の早期収益化は困難なため、当面は預貸ビジネスを収益の基盤に据え、収益悪化に歯止めをかける必要があります。
地銀は、新たな収益源を早く見つけないと、厳しい状況が続くぞ。
収益改善に向けた具体的な対策
リスクテイクは、慎重に進める必要があるでしょう。
✅ 銀行はリスクテイクを積極的に行うべきとの意見がある一方で、銀行自身はリスクテイクには慎重な姿勢を示しており、認識のずれが生じている。
✅ この認識のずれは、貸出利鞘の縮小と信用コスト率の低水準、および有価証券運用の利回りの低水準と金利リスクの高まりという、リスク・リターンのアンバランスが原因と考えられる。
✅ 銀行は、異次元緩和解除による金利上昇の可能性などを考慮し、過去のデータに基づくリスク計測に加え、より厳しいストレスシナリオを策定し、厳格なストレステストを行う必要がある。
さらに読む ⇒株式会社NTTデータ経営研究所出典/画像元: https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/column/archives/yamamoto/column/column_140701.html銀行は、リスクとリターンのバランスをしっかりと見極めることが大切ですね。
具体的な施策としては、信用リスクの適正評価と適正なリターンの設定が挙げられます。信用リスクの適正評価には、幅広い情報を活用した多面的な信用リスク分析やフォワードルッキング引当の導入などが有効です。また、過度な競争を回避し、リスクに応じたリターンを設定することで、収益管理を徹底することが重要です。地銀は、預貸ビジネスの付加価値や収益性を向上させるため、中長期的に新ビジネスとのシナジー効果を追求していく必要があります。
地銀は、もっとリスクを取って、新しいビジネスに挑戦すべきだ。
地銀にとっての課題とリスク
地銀は、地域経済を支える重要な役割を担っています。
✅ 地銀の貸出金利が都市銀行と同水準まで低下し、特に長期貸出金利は都銀を下回るケースが増えている。これは、地銀が運用難から国内貸出に傾斜し、地方創生に対する期待も加わって貸出金利を押し下げているためである。
✅ しかし、地銀の貸出金利は低すぎる。これは、信用コストや経費率、預金利回りを考慮すると、地銀は利益を確保するのが難しい水準であることを意味する。
✅ 地銀が貸出金利を引き下げる理由は、長引く金融緩和による企業倒産の激減と、信用保証協会の保証付き実質無利子融資などの公的制度による補助金効果がある。しかし、超金融緩和下での実績を将来に当てはめるリスクや、公的制度への依存が問題視される。
さらに読む ⇒金融経済イニシアティブ出典/画像元: https://www.kyinitiative.jp/column_opinion/2022/06/02/post2096/地銀は、長期的な視点で安定収益を確保できるよう、戦略を練る必要があると感じます。
日銀の政策修正により、長期金利が上昇し、銀行株は急上昇しました。しかし、地銀の収益回復につながらない可能性も指摘されています。今回の修正は長期金利が中心であり、短期金利に連動する変動金利には影響が限定的です。また、地銀はこれまで貸出金利を引き下げていたため、すぐに貸出金利を引き上げられるかは不透明です。さらに、地銀は超長期の円債を保有しており、金利上昇は評価損の増加につながる可能性もあります。
地銀は、もっと貸出金利を上げて、儲けを増やすべきだ。
今後の地銀の展望
地銀は、地域社会に対して多様なサービスを提供しています。
公開日:2022/08/31
✅ 地域銀行(地銀)は、持続可能な収益確保と地方創生のために、業務多角化とアライアンス戦略を進めています。
✅ アライアンスは、地銀同士、大手金融機関、地域事業会社などとの提携があり、業務粗利益向上、資産効率改善、コスト効率改善が目的です。
✅ 大和総研は、資産効率とコスト効率を指標に、地銀を業界平均以上のグループAと、業界平均未満のグループBに分類しています。
さらに読む ⇒PROJECT DESIGN - 月刊「事業構想」オンライン トップページ出典/画像元: https://www.projectdesign.jp/articles/ef435948-f704-4ebc-8578-52a4646cc5c5地銀は、地域経済の活性化に貢献するため、新たなビジネスモデルの構築に取り組む必要があると思います。
地銀は、リスクに応じた適正なリターンを確保し、貸出の収益性低下に歯止めをかける必要があります。そして、新ビジネスの模索と収益化といった収益力強化策に取り組むことが求められます。
地銀は、もっと積極的にM&Aを進めて、規模を拡大すべきだ。
今回の記事では、日銀の金融政策修正が地銀に及ぼす影響について詳しく解説しました。
💡 日銀の金融政策修正は、地銀の収益に大きな影響を与える可能性がある
💡 地銀は、収益回復のために新たな収益源の獲得やリスク管理の強化が必要
💡 地銀は、地域経済の活性化に貢献するため、持続可能なビジネスモデルを構築することが重要