植え込み型ループレコーダー(ILR)でわかる！原因不明の失神、その謎を解くとは！？
💡 原因不明の失神の原因解明に役立つ、植え込み型ループレコーダー(ILR)について解説します。
💡 ILRは、心臓の電気的活動を長期間記録することで、失神の原因となる不整脈を特定します。
💡 ILRは、原因不明の失神だけでなく、心房細動などの不整脈の早期発見にも役立ちます。
それでは、最初の章に移りましょう。
失神：原因不明の症状、その謎を解く
失神は、様々な原因が考えられますが、原因が特定できない場合も多く、患者様にとって不安なものです。
公開日:2021/02/08
✅ 失神は脳への血流低下が原因で起こる意識消失ですが、心臓由来の失神は突然死のリスクが高いため原因解明と適切な治療が重要です。
✅ 失神の診断では、通常の心電図で異常が見つかりにくく、ホルター心電図検査でも症状を捉えられないことが多いですが、植え込み型ループ心電計は長期間にわたり心臓の拍動を監視し、不整脈や失神時の心電図を記録することで、原因特定に役立ちます。
✅ 植え込み型ループ心電計は、原因不明の失神だけでなく、潜因性脳梗塞患者における心房細動の検出にも有効で、小型で体内に埋め込むことが可能、必要があれば取り出すこともできます。
さらに読む ⇒
フロントページ - 心臓血管センター出典/画像元: https://osaka-heart.jp/patient/cardiovascular-disease/arrhythmia/ilr/ILRは、失神の診断に大きく役立つ技術ですね。患者さんの不安を解消するだけでなく、適切な治療につなげることが期待できます。
失神は、生涯で7人に1人が経験する共通の症状であり、多くの場合、原因不明のまま放置されることがあります。しかし、適切なリスク層別化と鑑別診断を進めることで、失神の真因を特定し、適切な治療につなげることが可能になります。特に、心原性失神は、心臓の電気系統のトラブルによって引き起こされるもので、従来の検査方法では原因が特定できない場合が多くありました。しかし、植込み型ループ式心電計（ILR）の登場により、原因不明の失神発作の原因究明が可能になりました。ILRは、心臓の拍動を長期間監視することで、症状発生時の心電図を記録し、原因を特定します。ILRは、小型で目立たず、手術も簡便で、日常生活に支障はありません。また、失神発作の原因が特定できれば、ペースメーカーやカテーテルアブレーションなどの治療に繋げることが可能になります。
なるほど！これは画期的だ！うちの会社でも導入を検討させてもらおうかな。
うん、私も失神って怖いから、原因がわかるのは安心するよね。
うちのおじいちゃんも、よく失神してたのよ。病院行っても原因が分からなかったから、心配だったわ。
ILR：失神の謎を解き明かす、革新的な技術
ILRは、失神の診断、さらには治療にも繋がる素晴らしい技術ですね。
✅ 74歳の男性は前失神発作を繰り返し、心電図検査の結果、洞性徐脈と心房細動が認められました。
✅ 植え込み型ループレコーダによる精査の結果、前失神発作時に8.4秒の心静止が確認され、徐脈頻脈症候群（心房細動の停止後の洞停止）によるアダムス・ストークス発作と診断されました。
✅ 心房細動停止時の洞停止によるアダムス・ストークス発作に対しては、ペースメーカー植え込み術が有効であり、本症例ではペースメーカー植え込み術により前失神発作は消失しました。
さらに読む ⇒公益社団法人 臨床心臓病学教育研究会（ジェックス）出典/画像元: https://www.jeccs.org/electro_cardiogram/%E7%97%87%E4%BE%8B99-%E5%89%8D%E5%A4%B1%E7%A5%9E%E7%99%BA%E4%BD%9C%E3%82%92%E7%B9%B0%E3%82%8A%E8%BF%94%E3%81%99-74%E6%AD%B3%E7%94%B7%E6%80%A7/この男性のケースは、ILRによって適切な治療が行われた好例ですね。失神の治療はなかなか難しいことが多いので、ILRの活用が期待されます。
植込み型ループ式心電計（ILR）は、失神の原因となる不整脈や、潜因性脳梗塞の原因となる心房細動（AF）の検出に役立ちます。従来のモニタリング方法では検出が難しかった発作頻度の低い不整脈を、ILRは長期間の連続モニタリングによって検出可能にしました。ILRは、自動記録機能に加えて、患者や周囲の人が手動で記録できる機能も備えています。PICTURE試験では、原因不明の失神症例にILRを植込み、約8割の症例で診断に至りました。ESUSの原因としてAFが関与することが多く、CRYSTAL-AF試験では、ESUS患者にILRを植込み、3年で3割の症例でAFが検出されました。特に、無症候性のAFが多く検出されたことから、ILRの有用性が確認されています。
やっぱり、最新技術ってすごいな！こんな便利なツールがあれば、ビジネスチャンスも増えるだろう。
ILRって、手術とか大変そうだな。
うちのおじいちゃんも、ペースメーカー入れてるけど、ILRって、ペースメーカーと違うの？
LOOP試験：スクリーニングの限界とILRの真価
LOOP試験の結果は、ILRの有効性を示す重要なデータですね。
✅ デンマークで行われた「LOOP試験」では、脳卒中のリスク因子を持つ集団において、植込み型ループレコーダ（ILR）による心房細動のスクリーニングは、心房細動の検出率と抗凝固療法の開始率を大幅に増加させたものの、脳卒中や全身性動脈塞栓症のリスクの低減には結びつかず、大出血の発生も抑制しなかった。
✅ ILR群は、対照群に比べて心房細動の検出率が約3倍、抗凝固療法の開始率が約3倍と有意に高かった。
✅ しかし、主要アウトカムである脳卒中または全身性動脈塞栓症の初回発症までの期間は、ILR群と対照群で有意な差は認められなかった。大出血についても、両群間に有意差はなかった。
さらに読む ⇒CareNet.comへようこそ｜CareNet.com出典/画像元: https://www.carenet.com/news/journal/carenet/52990ILRは、すべての失神患者に有効というわけではないということですね。今後の研究で、ILRの適応範囲がより明確になることを期待します。
LOOP試験は、脳卒中のリスク因子を持つ集団において、植込み型ループレコーダ（ILR）を用いた心房細動スクリーニングが、心房細動検出率と抗凝固療法開始率を3倍に増加させたものの、脳卒中や全身性動脈塞栓症のリスク低減には効果がなく、大出血発生抑制にも繋がりませんでした。この結果から、すべての心房細動がスクリーニングや抗凝固療法の対象とはならない可能性が示唆されました。この結果を受け、ILRの利用は、失神の診断に特化し、脳卒中予防のためのスクリーニングには適さないという結論に至ります。
なるほど、費用対効果を考えると、すべての患者にILRを使うのは難しいのか。
でも、リスクの高い患者さんには有効ってことだよね？
なんか難しい話ね。でも、ILRって、本当にすごいんだね。
遠隔モニタリング：早期発見、早期介入の可能性
遠隔モニタリングは、医療の未来を大きく変える可能性を秘めていると思います。
✅ ICM（植込み型心臓モニタ）は、手のひらサイズの機器で、最長3年間、心臓を24時間モニタリングし、不整脈や失神時の心電図を記録できます。
✅ ICMは、胸の皮膚を切開して機器を挿入する手術で、感染のリスクはゼロではありませんが、30分程度の比較的簡単な手術です。
✅ ICMは心拍リズムの乱れを自動で記録する他、患者自身や家族が携帯型アシスタントを使って、失神前後の心電図を記録できます。
さらに読む ⇒失神.jp出典/画像元: https://shisshin.jp/patient/shiraberu4.shtmlICMは、患者さんが日常生活を送る上で、大きな安心感を与えることができると思います。
さらに、遠隔モニタリングを導入することで、不整脈の早期検出と早期介入が可能になりました。ILRは、従来のモニタリング方法では検出が難しかった不整脈の診断や治療に大きく貢献できるデバイスです。失神の多くは、心房細動などの不整脈が原因であることが判明しています。ILRは、失神の診断だけでなく、不整脈の早期発見と治療、そして、脳卒中などの重篤な合併症の予防にも貢献できる可能性をもっています。
これは、革命的なビジネスチャンスだ！
遠隔モニタリングって、病院に行かなくても大丈夫なの？
うちのおじいちゃんは、病院まで行くのが大変だから、遠隔モニタリングは良いと思うわ。
未来への展望：失神治療の革新
ILRは、原因不明の失神に悩む多くの人々に希望を与えてくれる技術だと思います。
✅ 植え込み型ループレコーダーは、心臓の拍動を長期間継続的に監視し、不整脈や失神などの症状が起きた時の心電図を記録する装置です。
✅ 従来の検査では原因不明の失神発作に対して、心臓由来によるものかどうかを確認するために使用されます。
✅ 装置は左胸の皮膚の下に埋め込み、手術時間は10～15分程度と短く、見た目も目立たず、日常生活に支障がない点が特徴です。
さらに読む ⇒京都 西陣病院のホームページです出典/画像元: https://www.nishijinhp.com/nis_data/index.php?e=338失神は、原因が特定できない場合も多く、患者様にとって不安なものです。ILRが、患者さんの不安を解消し、適切な治療に繋がることを願っています。
症例を通して、ILRが原因不明の失神患者に非常に有用であることが示されています。ILRは、失神の診断だけでなく、適切な治療への道筋をつけるための重要なツールとして、今後ますます注目されることが期待されます。失神は、決して軽視できない症状です。原因不明の失神を経験した際は、専門医に相談し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
これは、投資する価値がある！
失神って、本当に怖いよね。原因がわかるのは、心強いと思うわ。
うちのおじいちゃんも、原因不明の失神で悩んでたから、ILRって、本当にありがたいわ。
本日は、原因不明の失神とILRについてご紹介いたしました。ILRは、失神の診断に役立つだけでなく、不整脈の早期発見にも繋がる技術です。今後、ILRの更なる発展に期待したいですね。
💡 ILRは、原因不明の失神の原因を特定し、適切な治療につなげるための重要なツールです。
💡 ILRは、心臓の電気的活動を長期間記録することで、従来の検査では見つけることができなかった不整脈を検出できます。
💡 ILRは、失神の診断だけでなく、心房細動などの不整脈の早期発見にも役立ちます。
