損害保険会社4社への排除措置命令!共同保険における独占禁止法違反はなぜ起きたのか?独占禁止法違反とは!?
💡 損害保険会社4社が、共同保険の入札において、価格調整を行い、独占禁止法違反を行っていたことが発覚しました。
💡 公正取引委員会は、4社に対して排除措置命令と課徴金納付命令を行いました。
💡 今回の事件は、企業向けの共同保険における競争制限という問題点を浮き彫りにしました。
それでは、最初の章に移ります。
損害保険会社に対する独占禁止法違反による排除措置命令
共同保険における独占禁止法違反は、従来から懸念されてきた問題です。
公開日:2024/10/31
✅ 公正取引委員会は、三井住友海上火災保険、損害保険ジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険、東京海上日動火災保険の4社と、損害保険代理店の共立に対して、独占禁止法違反による排除措置命令と課徴金納付命令を行いました。
✅ 違反行為は、9つの保険取引において、見積り合わせで各社の見積りを調整したり、受注予定者を決定したりするなど、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)に違反するものでした。
✅ 公正取引委員会は、共同保険の組成過程での独占禁止法違反行為の未然防止のため、損害保険会社、損害保険代理店、保険契約者向けに、独占禁止法上の考え方と競争政策上の考え方をまとめました。また、金融庁と日本損害保険協会は、独占禁止法遵守の周知徹底をそれぞれ損害保険会社と会員に要請しました。
さらに読む ⇒Car Watch出典/画像元: https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1636009.html今回の事件は、企業が連携して競争を制限する行為が、社会に大きな影響を与えることを改めて示しています。
令和6年10月31日、公正取引委員会は複数の損害保険会社に対して、独占禁止法違反に基づく排除措置命令と課徴金納付命令を行いました。違反内容は、複数の損害保険会社が共同で、見積もり合わせの際に保険料の水準を調整することで競争を制限していたことです。具体的な事例として、株式会社JERA、コスモ石油株式会社、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構、シャープ株式会社、京成電鉄株式会社に対する保険契約において、各社が事前に保険料や引受割合を調整していたことが挙げられます。公正取引委員会は、今回の命令を通じて、損害保険市場における不正な行為を防止し、健全な競争環境を維持することを目指しています。また、金融庁と一般社団法人日本損害保険協会に対し、共同保険に関する独占禁止法上の留意点について周知徹底を求める要請も行いました。
おー、これは大変だ!共同保険で価格調整か。一体どういうことだ?
共同保険って、各社のリスクを分散する良い方法だと思ってたけど、こんな問題があったとはね。
えー、保険会社って悪いやつ?
公正取引委員会による調査と処分
公正取引委員会は、独占禁止法違反の疑いのある事業所に対して、厳しく調査を進めています。
✅ この規則は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)に基づき、公正取引委員会の犯則事件の調査に関する手続きを定めています。
✅ 犯則事件調査職員の指定、身分証の様式、調査開始の報告義務、調査終了後の報告事項などが規定されています。
✅ 具体的には、犯則事件調査職員は事務総局審査局犯則審査部の職員に限定され、身分証は別記様式で定められています。また、調査開始時には事務総局審査局長が委員会に報告を行い、調査が終了した際には、端緒、調査経過、事実の概要、関係法条、犯則事件調査職員の意見などを報告する必要があります。
さらに読む ⇒Wikisource出典/画像元: https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%85%AC%E6%AD%A3%E5%8F%96%E5%BC%95%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E3%81%AE%E7%8A%AF%E5%89%87%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AE%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%A6%8F%E5%89%87犯則事件調査の手続きは、公正取引委員会の権限に基づいて行われ、透明性を保つように設計されています。
公正取引委員会は、独占禁止法違反の疑いのある事業所に対して、行政調査や犯則調査を行い、違反行為を排除するため、排除措置命令や課徴金納付命令などを発出します。調査は、一般の方からの報告や申告、課徴金減免制度の利用などを通じて開始されます。行政調査では、関係書類の提出や関係者からの事情聴取などが行われ、必要に応じて営業所への立入検査が行われます。犯則調査は、刑事告発に相当する事案を対象とし、関係者からの事情聴取や所持品の検査などが行われます。必要に応じて、裁判官の許可を得て、直接強制による臨検・捜索が行われることもあります。
公正取引委員会の調査は、徹底しているんだな。
公正取引委員会は、独占禁止法違反を厳しく取り締まるべきだ。
公正取引委員会って、何をしているの?
排除措置命令における意見聴取と報告者への通知
排除措置命令を受ける企業は、公正取引委員会の決定に対して、意見を述べる権利があります。
✅ 公正取引委員会(公取委)から排除措置命令案の事前通知を受けた企業は、まず代理人弁護士を選任し、証拠資料の閲覧・謄写を行うとともに、社内調査を実施して意見内容を検討する必要がある。
✅ 意見聴取手続では、会社は公取委に対し、認定された事実や処分内容について意見を述べることができる。認定事実を争う場合や、処分が重すぎる場合は、その旨を意見書として提出する。
✅ 公取委は意見聴取結果を踏まえ、最終的に排除措置命令を決定する。命令に不服がある場合は、行政事件訴訟法に基づき、抗告訴訟を提起して争うことができる。
さらに読む ⇒~中小企業による談合・カルテル~出典/画像元: https://www.valueup-jp.com/2024/10/16/column-vol-l85/意見聴取手続は、公正取引委員会が適切な命令を出すために非常に重要です。
公正取引委員会は、排除措置命令を出す前に、名宛人となるべき者に対して意見聴取を行います。意見聴取では、当事者は、認定された事実を立証する証拠の閲覧・謄写を求めたり、意見を述べたり、証拠を提出することができます。公正取引委員会は、報告者からの報告内容が具体的な事実を示している場合、どのような措置を採ったか、または措置を採らなかったかについて、報告者に通知を行います。
意見聴取は、企業にとって重要な権利だな。
意見聴取って、どんなことをするんだ?
意見聴取って、難しそうね。
確約手続きにおける事後チェック体制強化
公正取引委員会は、確約手続における事後チェック体制を強化することで、独占禁止法違反の再発防止を目指しています。
✅ 公取委は、確約手続の運用を変更し、確約措置の履行期間を原則5年以上とし、外部専門家による履行監視を原則義務化、さらに履行状況の確認を強化することを発表しました。
✅ 変更点としては、確約措置の履行期間が従来の3年から原則5年以上になったこと、外部専門家による履行監視が原則義務化されたこと、公取委が履行状況の確認を強化し、罰則付きの調査権限を積極的に適用することなどが挙げられます。
✅ これらの変更は、競争法上の問題をより確実に是正し、市場における競争の回復を図ることを目的としています。企業は、これらの運用変更を認識し、今後の事業活動における確約手続への対応を検討する必要があります。
さらに読む ⇒長島・大野・常松法律事務所出典/画像元: https://www.noandt.com/publications/publication20240712-2/事後チェック体制の強化は、企業の行動を監視し、健全な競争環境を守るために必要です。
公正取引委員会は、企業の独占禁止法違反を防止するため、確約手続きにおける事後チェック体制を強化する方針を固めました。具体的には、企業が提出する改善計画の実施状況を弁護士などの第三者に監視させる「日本版トラスティー」導入、監視期間の原則5年への延長、強制的な調査の実施などが検討されています。この強化策は、グーグルが過去に確約手続きで問題行為の報告を怠っていた事例を教訓としています。公正取引委員会は、企業側の責任と透明性を高め、独禁法違反の再発防止を目指しています。
これはいいぞ!これで独占禁止法違反が減るかもしれないな。
監視期間を延ばすのは、ちょっとやり過ぎじゃないかな?
事後チェックって、何をしているの?
損害保険市場における競争制限
損害保険市場における競争制限は、消費者にとって大きな問題です。
公開日:2023/12/19
✅ 損害保険大手4社が企業向けの共同保険の入札で価格調整を行い、独禁法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会が立ち入り検査を実施した。
✅ 公取委は、大手4社の他に代理店2社も検査し、行政処分としての排除措置命令や課徴金納付命令も視野に入れている。また、東京都やコスモ石油などの6団体との契約を調査対象に追加し、共同保険の価格調整における組織的な違反行為の有無を調べている。
✅ 共同保険は、損保各社が保険金支払いのリスクを分担するために契約するものであり、大手4社が寡占状態であることから競争原理が働きにくかった可能性も指摘されている。昨年12月に企業からの指摘で価格調整疑惑が発覚し、4社は計100社超との取引で不適切な行為があったことを認めている。金融庁は近く4社に業務改善命令を出す見込みである。
さらに読む ⇒時事ドットコム:時事通信社が運営するニュースサイト出典/画像元: https://www.jiji.com/jc/article?k=2023121900462&g=eco今回の事件は、損害保険市場における競争環境が、必ずしも健全ではないことを示しています。
今回の事件では、複数の損害保険会社が、共同で保険料の水準を調整することで競争を制限していました。これは、保険契約者の選択肢を狭め、保険市場全体の競争を阻害する可能性があるため、公正取引委員会は、違反行為を排除し、健全な競争環境を維持することを目指しています。
これは一大事だ!保険市場の競争が制限されているとは!
保険料が高くなって、消費者には不利よね。
保険会社って、何をしているの?
今回の事件は、独占禁止法違反が、企業活動に大きな影響を与えることを示しています。
💡 損害保険会社4社が、共同保険の入札で価格調整を行い、独占禁止法違反を行っていたことが発覚しました。
💡 公正取引委員会は、4社に対して排除措置命令と課徴金納付命令を行いました。
💡 今回の事件は、企業向けの共同保険における競争制限という問題点を浮き彫りにしました。