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三菱商事の洋上風力発電撤退は何故?低価格落札の裏側と今後の課題とは?三菱商事が洋上風力発電から撤退を発表

日本初の洋上風力発電で異例の低価格落札を果たした三菱商事。しかし、その裏には、想定外の事業環境の変化による撤退という苦渋の決断があった。巨額の違約金支払いと、地元への影響… 再生可能エネルギー政策の課題を浮き彫りにし、日本の洋上風力産業の将来に警鐘を鳴らす。制度改革と迅速なロードマップ提示が急務。脱炭素社会実現に向けた、エネルギー政策の再構築が問われる。

三菱商事の洋上風力発電撤退は何故?低価格落札の裏側と今後の課題とは?三菱商事が洋上風力発電から撤退を発表

📘 この記事で分かる事!

💡 洋上風力発電とは、海上に風力発電設備を設置し、風の力で発電するシステムのこと。

💡 三菱商事が日本初の洋上風力発電入札で落札するも、撤退を決断。

💡 撤退の要因と今後の課題について、詳しく解説します。

本日は、三菱商事の洋上風力発電事業撤退について、その背景や影響、今後の課題を掘り下げていきます。

それでは、洋上風力発電とは何か、日本の現状について見ていきましょう。

幕開けと落札

三菱商事グループは、洋上風力発電をいくらで落札?

驚異的な低価格!11.99〜16.49円/kWh

洋上風力発電の幕開けとなった三菱商事の落札。

その背景には、国の再生可能エネルギーへの期待がありました。

しかし、落札価格の安さが波紋を呼ぶことに。

洋上風力 価格破壊:《オンライン先行特集》三菱商事の安値受注に業界騒然 思惑外れた新産業育成の゛国策゛

公開日:2022/04/18

洋上風力 価格破壊:《オンライン先行特集》三菱商事の安値受注に業界騒然 思惑外れた新産業育成の゛国策゛

✅ 三菱商事が日本初の洋上風力発電入札で3海域すべてを落札したが、約1兆円規模の発注が大幅に安値となったため、関連企業や自治体から落胆の声が上がっている。

✅ 三菱商事の安値落札は国民負担軽減に繋がる一方、関連産業の育成に支障をきたす可能性があり、日本風力発電協会は入札評価の情報開示や評価方法の改善を国に求めている。

✅ 洋上風力はEVで失われる雇用の受け皿としての期待があるが、風車製造工場がないなど、国内の産業基盤は脆弱であり、資材価格の高騰も価格競争に影響を与えている。

さらに読む ⇒週刊エコノミスト Online出典/画像元: https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220309/se1/00m/020/006000d

三菱商事の安値落札は、国民の負担軽減に繋がる一方で、関連産業の育成に課題を残しました。

業界からは、入札評価の情報開示や、評価方法の改善を求める声が上がっています。

2021年12月、三菱商事グループは、秋田県沖と千葉県沖の3海域を対象とした、日本初の一般海域での洋上風力発電事業の公募(R1)で驚異的な低価格で落札した。

当時の落札価格は、政府が提示した供給価格上限額や、業界内で採算ラインとされていた価格を大きく下回るものであり、他の入札参加事業者からは「ありえない低価格」と驚愕の声が上がった。

三菱商事グループは、能代沖で13.26円/kWh、由利本荘沖で11.99円/kWh、銚子沖で16.49円/kWhという価格で落札。

政府はR1の供給価格上限額を29円/kWhとしていた。

いやー、まさかあんな破格値で落札するとはね!三菱商事、只者じゃないね。でも、安けりゃ良いってわけじゃないんだよな、この世界は。長期的な視点が必要だよ!

暗雲と課題

洋上風力発電の落札、何が問題?持続可能性は?

低価格落札と情報開示の不足が課題。

三菱商事は、洋上風力発電事業における地元企業との連携や、政府へのセントラル方式導入を要望しました。

しかし、問題は山積みだったのです。

驚異の低価格で世間を騒がせた洋上風力発電入札 三菱商事が語った3つのテーマとは

公開日:2022/03/23

驚異の低価格で世間を騒がせた洋上風力発電入札 三菱商事が語った3つのテーマとは

✅ 自民党の再生可能エネルギー普及拡大議員連盟で、三菱商事エナジーソリューションズが、洋上風力発電事業における地元企業との連携、政府へのセントラル方式導入の要望、入札価格と運転開始時期の関係性について説明した。

✅ 三菱商事は、地元企業との対話不足という一部報道を否定し、事前調査や地元企業との連携を強調。洋上風力を軸とした地方創生への貢献を目指し、固定価格買取制度以外の収益を折り込んでいるという憶測も否定した。

✅ 三菱商事は、洋上風力発電導入をスムーズにするため、政府に対してセントラル方式の確立とウィンドファーム認証制度の整備を要望。競争入札における運転開始時期の問題にも言及し、入札価格への影響について説明した。

さらに読む ⇒ EnergyShift出典/画像元: https://energy-shift.com/news/e667c50f-80c9-4dc3-82af-0293fd00f333

地元との連携不足や、詳細な情報開示の不足が、事業の不透明感を増幅させました。

再生可能エネルギーの普及には、様々な課題が立ちはだかっています。

しかし、この低価格落札は、その持続可能性に疑問を投げかけた。

三菱商事が落札前に十分な海底調査や地元調整を行っていなかったと見られることも、その要因の一つである。

落札後の情報開示も限られており、R1の選定結果は、詳細な情報が伏せられたままとなった。

洋上風力発電だけでなく、大規模太陽光発電(メガソーラー)においても、地元とのトラブルなど課題が浮上し、再生可能エネルギーの普及には不透明感が漂っていた。

ほんと、最初っからちょっと怪しいなぁとは思ってたんだよね。地元との連携とか、情報公開とか、ちゃんとやってないってことは、何か隠したいことでもあるんじゃないの?

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三菱商事が洋上風力発電事業から撤退。採算悪化と制度の課題が浮き彫りに。再エネ政策への影響と、今後のエネルギー政策の行方は?