Diamond Edge Logo Menu opener

オルツ社の粉飾決算問題:AIベンチャー凋落の真相と再発防止策とは?119億円の粉飾決算と上場廃止…AIベンチャー「オルツ」の不正会計事件

AIベンチャー、オルツの粉飾決算疑惑。売上過大計上、循環取引による不正、経営陣の関与が発覚し上場廃止へ。第三者委員会の調査で、杜撰なガバナンス、監査機能不全が明らかに。スタートアップエコシステムへの警鐘と、今後の再生への道を探る。再発防止策、リアルタイム監査の必要性も浮き彫りに。

オルツ社の粉飾決算問題:AIベンチャー凋落の真相と再発防止策とは?119億円の粉飾決算と上場廃止…AIベンチャー「オルツ」の不正会計事件

📘 この記事で分かる事!

💡 オルツ社は、売上高を過大計上し、多額の粉飾決算を行っていた。

💡 循環取引や架空売上など、巧妙な手口で不正会計が行われていた。

💡 経営陣の責任、スタートアップエコシステムへの影響、そして再発防止策について掘り下げていく。

今回は、AI技術を駆使したパーソナル人工知能(P.A.I.)の開発で注目を集めたオルツ社の粉飾決算問題について、詳しく解説していきます。

AIベンチャーの凋落:粉飾決算と上場廃止への道

オルツ、上場廃止の理由は?不正売上、一体何があった?

約119億円の売上過大計上、循環取引による粉飾決算。

AIベンチャー株式会社オルツが、東証グロース上場後に119億円の過大計上が発覚し、上場廃止となった問題について、詳しく見ていきましょう。

経営状況と詳細について解説します。

AI新興企業オルツの粉飾決算疑惑 グロース市場改革の行方にも影響か(日経ビジネス)
AI新興企業オルツの粉飾決算疑惑 グロース市場改革の行方にも影響か(日経ビジネス)

✅ オルツ社の売上高が急増する一方で、営業キャッシュフローはマイナスが続き、売掛金の回収期間が2ヶ月を超えているなど、キャッシュフローに不自然さが見られる。

✅ 売上高の大部分をジークス社に依存し、広告宣伝費が売上高の76%を占めるなど、粉飾決算の疑いも指摘されており、不自然な取引の可能性が示唆されている。

✅ 今回の事件は、東証グロース上場基準の厳格化が進む中で発生し、今後の日本のベンチャー振興に悪影響を及ぼす可能性があり、再発防止策を検討する必要がある。

さらに読む ⇒Yahoo!ニュース出典/画像元: https://news.yahoo.co.jp/articles/2909a1cb6616a45410a1a7725f24599d47a9df37?page=2

売上高の大部分を特定の企業に依存し、広告宣伝費が売上高の76%を占めるなど、異常値が目立ちますね。

キャッシュフローの悪化も気になるところです。

2014年に設立されたAIベンチャー株式会社オルツは、パーソナル人工知能(P.A.I.)の開発を目指しデジタルクローン技術や「AIGIJIROKU」などのAIソリューションを提供していました。

2024年に東証グロース市場に上場しましたが、2025年4月、約119億円の売上高の過大計上が発覚し、上場廃止へと追い込まれました。

2021年から2024年までの売上の大部分は、広告宣伝費を外部業者に支払い、その資金が「販売店」経由で売上として計上される循環取引による粉飾でした。

第三者委員会調査報告書によると、不正は「AIGIJIROKU」の売上に集中しており、実際には利用されていないアカウントの売上が過大に計上されていた疑いがあります。

2024年12月期には2万8699件あった有料アカウント数が、2025年7月には5170件にまで減少したことも、不正を裏付けています。

うーん、これは酷い話だ。AIベンチャーが、上場後にこんな形で終わってしまうとは。投資家への裏切り行為だな!詳細を教えてくれ。

不正会計の手口と発覚の経緯

オルツの不正会計、手口は?主な財務上の危険信号は?

循環取引、売上水増し。広告費、営業CFの悪化。

粉飾決算の手口は巧妙化しており、その発覚までの経緯は複雑です。

オルツ社の不正会計がどのように行われたのか、詳しく見ていきましょう。

監査法人・大手VC・証券会社・東証…オルツの「単純な循環取引」を見破れなかった真因 創業者の主導の下、財務責任者もあっさり不正の゛中心人物゛に

公開日:2025/08/07

監査法人・大手VC・証券会社・東証…オルツの「単純な循環取引」を見破れなかった真因 創業者の主導の下、財務責任者もあっさり不正の゛中心人物゛に

✅ AI開発ベンチャーのオルツが、売上高の9割超を過大計上していた問題で、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、上場廃止となった。

✅ 不正会計は、議事録作成サービス「AI GIJIROKU」の販売において、実際にはライセンスが発行されていないにも関わらず、SP(販売パートナー)へのバルク販売を装って売上を計上していた。

✅ SPへの資金の流れは「循環取引」であり、広告費や研究開発費の名目で広告代理店などに支払われた資金がSPに渡っていた。

さらに読む ⇒ 東洋経済オンライン出典/画像元: https://toyokeizai.net/articles/-/894976

循環取引という手口は、売上を水増しするために使われる典型的な手法ですね。

広告費が不正の温床になっていたというのも、よくあるパターンです。

オルツの不正会計は、販売代理店への資金提供から始まり、その資金で自社製品のライセンスを購入させることで売上を水増しする「循環取引」が主な手口でした。

この不正は、売上の75%を超える異常な広告宣伝費や、営業キャッシュフローのマイナスといった財務上の危険信号として現れていました。

また、関連会社や役員の個人資産を利用した循環取引による売掛金の偽装、研究開発費の架空計上も行われていました。

不正は、内部告発や証券取引等監視委員会の強制調査を経て発覚し、決算発表の延期、東証による監理銘柄指定、第三者委員会報告書の公表、社長の辞任(米倉千貴氏)、上場廃止決定へとつながりました。

あらまあ。まるで詐欺みたいだね。ライセンス発行なしで売上計上、広告費で資金を回すなんて。これ、詐欺でみんな捕まるんでないの?しっかり説明してね。

次のページを読む ⇒

オルツ不正会計事件勃発!創業者辞任、新社長も不正関与。VC、監査法人も責任問われる。スタートアップのガバナンス崩壊が露呈!再生への道は?