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セメント業界の今とこれから:猛暑とTOB、技術革新の行方は?セメント業界の最新動向:販売低迷、企業再編、技術革新

記録的な猛暑に見舞われた2024年夏、セメント業界は大きな影響を受けている。販売量低迷、作業効率の低下に対応するため、サマータイム導入の検討やAIを活用した物流効率化など、各社は様々な対策を講じている。太平洋セメントのTOB、神鋼とUBE三菱セメントの共同事業検討など、企業再編の動きも活発化。環境負荷低減に向けたCO2回収技術の活用や、国際連携による事業展開も進み、セメント業界は持続可能な成長を目指している。

セメント業界の今とこれから:猛暑とTOB、技術革新の行方は?セメント業界の最新動向:販売低迷、企業再編、技術革新

📘 この記事で分かる事!

💡 記録的な猛暑による建設現場の作業停滞。セメント販売量の減少。

💡 太平洋セメントによるパシフィックシステムへのTOB、企業再編の動き。

💡 CO2分離・回収技術の開発など、環境問題への取り組み。

本日は、セメント業界の現状と将来展望について、詳しく見ていきましょう。

まず、業界を取り巻く様々な課題と、それに対する企業の対応について、3つのポイントに分けてご紹介します。

揺らぐセメント業界:猛暑と販売低迷の現状

猛暑がセメント業界に与える影響は?販売量は?

販売量減少、作業停滞、サマータイム検討。

記録的な猛暑に見舞われた2024年夏、セメント業界は厳しい状況に置かれています。

セメント販売量の減少、そして、今後の課題について見ていきましょう。

セメント需要も夏バテ? 8月販売量が7%減 サマータイム待望論も:朝日新聞

公開日:2025/08/27

セメント需要も夏バテ? 8月販売量が7%減 サマータイム待望論も:朝日新聞

✅ セメント協会の発表によると、8月1~25日の国内セメント販売量は前年同期比7.7%減と、7月に続き需要が低迷している。

✅ 需要低迷の一因として、猛暑による建設現場の作業停滞が挙げられており、作業員の熱中症対策のための休憩時間増加が影響している。

✅ セメント協会の流通委員長は、サマータイム導入を政府に要望していくべきとの考えを示し、建設現場での作業時間確保を訴えている。

さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/AST8W3F2PT8WULFA011M.html

建設現場の作業停滞は、セメント販売量の減少に直接的な影響を与えていますね。

猛暑対策としての休憩時間の増加は、労働者の健康を守る上で重要ですが、同時に作業効率の低下にも繋がっています。

サマータイム導入の議論も活発になるかもしれません。

セメント業界は、2024年夏、記録的な猛暑の影響を大きく受けています。

セメント協会の発表によると、8月1日から25日までの国内セメント販売量は、前年同期比7.7%減と低迷。

7月も5.1%減と、既に減少傾向にありました。

猛暑による建設現場の作業停滞が主な原因で、作業員の熱中症対策のための休憩時間増加は、建設資材の搬入など作業時間の短縮につながっています。

セメント協会の福嶋委員長は、サマータイム導入を政府に要望することを検討すべきとの見解を示し、作業効率の向上を目指しています。

2025年7月31日号のコンクリート新聞記事によると、6月のセメント国内販売(輸入除く)は前年同月比5.9%減の257万5千トンとなり、34ヶ月連続の減少。

7月も20日時点での日当たり前年比8.2%減と低迷しており、猛暑が荷動きを鈍らせる新たな要因として影響しています。

ふむ、猛暑の影響は甚大だな。サマータイム導入は、一考の価値ありだ。労働時間の確保と、事業継続の両立が重要になってくる。この状況をどう乗り切るか、経営者の腕の見せ所だな。

企業の動き:TOB、共同事業、技術革新

セメント業界再編の鍵は?TOBと共同事業の狙いとは?

規模拡大と効率化、競争力強化を目指しています。

業界内では、企業再編の動きも活発化しています。

太平洋セメントによるTOB、共同事業の検討など、セメント業界は再編期を迎えています。

それぞれの動きを詳しく見ていきましょう。

太平洋セメント、パシフィックシステムの完全子会社化に向けTOB実施へ
太平洋セメント、パシフィックシステムの完全子会社化に向けTOB実施へ

✅ 太平洋セメント株式会社は、パシフィックシステム株式会社を完全子会社化するため、TOB(株式公開買付け)を実施します。

✅ TOB価格は1株あたり6,850円で、買付期間は2025年8月12日から9月24日までです。 パシフィックシステムは上場廃止となる見込みです。

✅ 完全子会社化により、DX戦略の推進、中長期的な投資促進、コーポレート機能の効率化を目指します。

さらに読む ⇒日本M&Aセンター出典/画像元: https://www.nihon-ma.co.jp/news/20250808_5233-9/

太平洋セメントによる子会社化は、DX推進や効率化を目指す戦略ですね。

神鋼とUBE三菱セメントの共同事業検討も、規模拡大やコスト削減につながる可能性があります。

AIを活用した物流効率化システムも、競争力強化の鍵となるでしょう。

業界内では、太平洋セメントによる子会社パシフィックシステムへのTOBが実施され、企業再編の動きが見られます

また、神鋼とUBE三菱セメントは共同事業を検討しており、事業規模の拡大や効率化を目指しています。

技術革新の分野では、グリッドと太平洋セメントがAIを活用した配船計画最適化システムを開発・運用開始し、物流効率化を図っています。

これらの動きは、セメント業界が直面する課題に対応し、競争力を高めようとする企業の戦略を示しています。

いやー、企業っていうのは、生き残りをかけて色んなこと考えるもんだね!ワタシ、こういうの見てると、なんだかワクワクしてくるわ!もっと面白いこと、ないのかしら?

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