北朝鮮の言語統制と韓流:分断を深める言葉と文化の壁?平壌文化語保護法と韓国文化への対抗
北朝鮮、韓国文化遮断へ!「平壌文化語保護法」施行。韓流ドラマ視聴で死刑も。経済難の中、若者の心掴む韓流を警戒、情報統制強化で体制維持狙う。平昌五輪での衝撃、脱北者の証言…揺らぐ忠誠心。対照的にロシアとの連携アピール。北朝鮮の閉鎖性と内部統制、今後の動向に注目。
💡 北朝鮮は、韓国文化の流入を防ぐため、言語統制を強化し「平壌文化語保護法」を採択しました。
💡 韓流は北朝鮮社会に浸透し、脱北者の証言から、韓国文化への接触が早期統一支持に繋がることが判明しています。
💡 金正恩氏は韓国との対話を拒否し、情報統制を強めながら、国内の結束を図っています。
北朝鮮における言語統制と韓流への対策について、具体的な事例を交えながら解説していきます。
言葉と分断:北朝鮮の言語統制と韓国文化
北朝鮮、韓流を阻止!何法を採択?
平壌文化語保護法
北朝鮮が韓国文化の流入に対抗し、言語統制を強化している現状について見ていきましょう。
具体的には「平壌文化語保護法」の採択とその背景にある政治的意図を深掘りします。
公開日:2023/01/27

✅ 北朝鮮は、韓国文化の流入に対抗するため、生活言語を統制する「平壌文化語保護法」を採択。これは、韓国ドラマなどの視聴や、韓国風の言葉遣いを取り締まる「反動思想文化排撃法」など、一連の対策の一環。
✅ 「平壌文化語」は、1960年代に金日成が、多様な言語を持つ社会主義圏との差別化、および分断された韓国との対比を目的として作った造語。学校教育を通して浸透させ、韓国語からの差別化を図った。
✅ 金正恩氏は韓国を「明白な敵」とみなし、韓国への対抗意識を強めている。今回の法制化は、文化的な面だけでなく、政治的な対立を反映したものであり、経済的な指標発表に金正恩氏が出席しなかったことにもその一端が表れている。
さらに読む ⇒朝日新聞GLOBE+:世界のいまを伝えるウェブメディア出典/画像元: https://globe.asahi.com/article/14824735北朝鮮の言語統制は、単なる文化対策を超え、政治的な対立を反映したものと言えるでしょう。
経済的な問題も抱える中で、国民の忠誠心を揺るがす韓流の浸透を阻止したいという思惑も透けて見えますね。
北朝鮮は、韓国文化の流入を阻止するため、2024年1月に「平壌文化語保護法」を採択しました。
これは、韓国ドラマや音楽など、非規範的な要素の排除を目的としています。
この動きは、半世紀以上前に金日成が「平壌文化語」を標準語として確立し、韓国との差別化を図ったことに端を発しています。
当時、外来語の氾濫を批判し、純粋な朝鮮語を重視した金日成は、学校教育を通じて標準語を浸透させました。
現代において、金正恩総書記は、韓国を「我々の明白な敵」と位置づけ、言語統制の強化を通じて国内の結束を図ろうとしています。
この法制化は、強い対抗意識の表れであり、経済的困難の中で、国民の忠誠心を揺るがす韓流の浸透を阻止する狙いがあります。
ふむ、なるほど。要するに、金正恩氏は韓国文化から国民を守るという大義名分で、国内を締め付けているわけですね。経済制裁で苦しい状況だからこそ、韓流を目の敵にするのは、国民の目を逸らすためもあるでしょう。
韓流の浸透と北朝鮮社会への影響
北朝鮮、韓流ドラマ視聴で死刑?一体なぜ?
思想統制と体制維持のため
次に、韓流が北朝鮮社会に与える影響と、北朝鮮が講じている対策について見ていきましょう。
中国経由での韓流流入の実態や、脱北者の証言から見える韓国文化への接触と意識の変化を分析します。
公開日:2023/01/31

✅ 北朝鮮は、韓流による「言葉の乱れ」を問題視し、「平壌文化語保護法」を制定するなど、韓流の浸透を阻止するための対策を強化している。
✅ 金正恩総書記は、韓流の浸透を「思想的・文化的浸透」と捉え、核開発に対する国際社会からの制裁と同列に並べるほど強い警戒心を示しており、韓国文化への接触が早期統一支持につながることを懸念している。
✅ 韓流は、中国との闇貿易を通じて北朝鮮に流入し、脱北者の調査によれば、多くの人々が韓国文化に触れており、その接触が多いほど韓国への統一を支持する傾向があることが示されている。
さらに読む ⇒週刊エコノミスト Online出典/画像元: https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20230131/se1/00m/020/067000d脱北者の証言は、韓流が北朝鮮の人々の価値観に大きな影響を与えていることを示唆していますね。
金正恩氏が韓流の浸透を「悪辣な制裁や圧力」と同列に扱うのも、当然の結果かもしれません。
北朝鮮における韓流人気は、2000年頃から中国経由で流入し始め、VCDの海賊版が普及に大きく貢献しました。
2011年から2016年の調査では、脱北者の4〜5割が韓国文化に触れており、7割以上が市場や友人・知人を通じて入手していました。
韓国文化への接触が多いほど、早期統一を予想し、韓国の体制への統一を支持する傾向が見られました。
金正恩総書記は、韓流の浸透を「悪辣な制裁や圧力」と同列に並べ、青年たちの変容を恐れています。
2020年には「反社会主義思想文化排撃法」を制定するなど、韓流対策は以前から講じられていました。
近年では、韓国ドラマの視聴を厳しく禁じ、最高で死刑を適用する措置も講じられています。
いやー、韓流ってすごいなぁ。言葉の壁を越えて、人々の心を掴むんだもんね。北朝鮮の人々も、韓国ドラマ見て「こんな暮らしがしたい!」って思うんだろうな。まるで、禁断の果実みたい。
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