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六ヶ所再処理工場とは?課題と未来への展望(?)核燃料サイクルと安全への課題

日本のエネルギー政策を揺るがす、六ヶ所再処理工場。使用済み核燃料の再処理、資源の有効活用を目指すが、完成遅延、巨額の費用、そして安全性への懸念が山積。トリチウム放出、設計ミス隠蔽など、問題は尽きない。核燃料サイクル政策の行方は?高レベル放射性廃棄物の最終処分地問題や、海外の動向にも注目し、日本のエネルギーの未来を考える。

六ヶ所再処理工場とは?課題と未来への展望(?)核燃料サイクルと安全への課題

📘 この記事で分かる事!

💡 六ヶ所再処理工場は、核燃料サイクルの中核となる施設で、核燃料再処理、MOX燃料製造などを行う。

💡 再処理の目的は、資源の有効活用、廃棄物量の削減、廃棄期間の短縮であり、国際的な監視下にある。

💡 日本は様々な原子力関連施設を有し、高レベル放射性廃棄物の貯蔵管理も行っている。

まず、六ヶ所再処理工場について、現状と概要を説明します。

核燃料サイクルと六ヶ所再処理工場の幕開け

六ヶ所再処理工場の主な目的は何?資源の有効活用?

資源の有効活用、廃棄物削減、期間短縮。

六ヶ所再処理工場の建設背景と、施設概要、そして現在の進捗状況について詳しく見ていきましょう。

完成目指す青森県・六ヶ所の核燃料再処理施設、現状を取材 – NPO法人 国際環境経済研究所
完成目指す青森県・六ヶ所の核燃料再処理施設、現状を取材 – NPO法人 国際環境経済研究所

✅ 青森県六ヶ所村にある日本原燃の核燃料サイクル施設は、2024年上期のできるだけ早い時期の竣工を目指しており、核燃料再処理、MOX燃料製造、低レベル・高レベル放射性廃棄物の処分・一時保管、ウラン濃縮の5つの施設からなる。

✅ 再処理施設は、プルトニウム分離やウラン濃縮を行うため、核兵器転用の可能性から国際的な監視下にあり、IAEAや原子力規制庁の査察官が常駐している。

✅ 施設内には、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターがあり、着実に廃棄物処理が進められている。特に高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターは、海外で再処理された廃棄物を保管しており、安全な運営が行われている。

さらに読む ⇒NPO法人 国際環境経済研究所|International Environment and Economy Institute出典/画像元: https://ieei.or.jp/2023/04/ishii_20230417/

再処理工場は、日本のエネルギー政策において重要な役割を担っています。

安全な運営と、国際的なルール遵守が求められますね。

日本は、原子力発電で生じた使用済燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを回収して再利用する「核燃料サイクル」政策を推進しています。

このサイクルの中核を担うのが、青森県六ヶ所村に建設された六ヶ所再処理工場です

1993年から建設が始まり、2021年度上期の竣工を目指して工事と規制基準への適合審査が進められています。

この工場は、年間800トンの使用済み燃料を再処理する計画であり、老朽化した原発から発生する使用済燃料の処理が主な目的です。

再処理の目的は、資源の有効活用、高レベル放射性廃棄物の量と有害性の低減、そして廃棄期間の短縮です。

六ヶ所村には、この再処理工場だけでなく、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターなど、様々な原子力関連施設が存在しています。

ふむ、核燃料サイクルか。資源の有効活用ってのは、経営者としては大いに興味があるな。費用対効果も気になるが、未来への投資と思えば悪くない。

再処理の仕組みと安全への課題

再処理の究極の目的は? 危険性やコストは?

ウランとプルトニウムの再利用。危険と莫大なコスト。

再処理の具体的なプロセスと、安全面で抱える課題について解説します。

専門的な知識が必要となりますが、分かりやすく説明します。

トラブルにミス続出、需要もない…それでも「適合」再処理工場:東京新聞デジタル
トラブルにミス続出、需要もない…それでも「適合」再処理工場:東京新聞デジタル

✅ 青森県六ケ所村の核燃料再処理工場が新規制基準に適合したが、運営元の日本原燃(原燃)の能力に対する国民からの意見や規制委員からの懸念が多数寄せられている。

✅ 試験でのトラブルや書類の不備、虚偽報告など、原燃の技術的能力や管理体制に問題が多々指摘されており、委員会からも改善が求められている。

✅ 再処理工場は核燃料サイクルという目的さえ失っており、今後の検査などで原燃の能力を確認するものの、国民や委員の不安は払拭されていない状況である。

さらに読む ⇒東京新聞 TOKYO Web出典/画像元: https://www.tokyo-np.co.jp/article/45750

再処理プロセスは複雑で、様々なリスクを伴います。

安全対策の徹底と、透明性の確保が不可欠ですね。

再処理のプロセスは以下の通りです。

まず、原発から運ばれた使用済燃料は、冷却・保管された後、せん断され、溶かされます。

次に、溶液からウランとプルトニウムが分離され、それぞれ精製されます。

ウランは粉末として、プルトニウムは核不拡散の観点からウランと混合され、混合酸化物(MOX燃料)として回収、貯蔵され、MOX燃料の製造に用いられます。

一方、分離後に残る高レベル放射性廃液はガラス固化され、キャニスターに閉じ込められて貯蔵されます。

最終的には、ガラス固化体は青森県外の安定した地層に処分される予定です。

しかし、この再処理プロセスは、臨界事故、放射能漏れ、火災・爆発などの危険性を伴います。

特に、高レベルガラス固化体は非常に強い放射線を出し、人間が近づけば即死する可能性があり、30~50年間専用の貯蔵建屋で保管されます。

六ヶ所再処理工場では、過去に設備の設計ミス隠ぺいも発覚しており、建設費も当初の計画から大幅に増加し、総費用は約11兆円に達すると公表されています。

へえ、再処理ってそんな複雑なんだね。放射能漏れとか、怖いよね。ちゃんと安全対策してほしいもんだわ。

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六ヶ所再処理工場の問題点に迫る!トラブル頻発、環境汚染、地元への影響…核燃料サイクルはどこへ向かう?日本のエネルギー政策の未来を揺るがす問題を徹底解説。