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BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)の戦略転換、株主圧力と脱炭素化への対応?BPの経営戦略に見る、投資家と環境問題の影響

2020年第4四半期、コロナ禍とエネルギートランジションが石油メジャーの決算を揺るがした。BPは方針転換し、再生可能エネルギー投資を縮小、化石燃料事業を強化。株主利益を優先し、脱炭素化へのコミットメントは後退。巨額損失を計上したExxonMobilなど、各社は財務規律を重視しつつ、低炭素ソリューションへの投資も。BPの戦略転換は、短期的な利益追求と気候変動対策の狭間で揺れる石油業界の現状を浮き彫りにする。

BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)の戦略転換、株主圧力と脱炭素化への対応?BPの経営戦略に見る、投資家と環境問題の影響

📘 この記事で分かる事!

💡 2020年、エネルギー業界はコロナ禍とエネルギートランジションで大きな変化を経験しました。

💡 BPは投資家からの圧力と株価低迷を受け、再生可能エネルギー投資を削減し、化石燃料へ再注力しました。

💡 BPの戦略転換は、環境保護団体から批判を浴び、長期的視点での影響が懸念されています。

それでは、BPの戦略転換について、詳しく見ていきましょう。

2020年の揺らぎ:エネルギー業界の決算と各社の戦略

コロナとエネルギートランジション、石油メジャー決算への影響は?

巨額損失と、低炭素への投資という二面性。

2020年のエネルギー業界は、新型コロナウイルスの影響と、脱炭素化の流れという二つの大きな課題に直面しました。

各社の決算と戦略は、この影響を如実に物語っています。

メジャー企業の2020年第4四半期決算発表について
メジャー企業の2020年第4四半期決算発表について

✅ 2020年第4四半期決算において、メジャー企業各社は、ExxonMobil、Royal Dutch Shell、Chevronが損失を計上する一方、BPとTotalは利益を確保し、財務規律を優先するため設備投資を削減。

✅ ExxonMobilは米国シェールガス資産などの減損処理を行い、エネルギートランジションへの対応として二酸化炭素回収貯留技術の事業化を発表。一方、深海油田の探鉱・開発は積極的に推進。

✅ メジャー企業は、新型コロナウイルス感染拡大とエネルギートランジションの影響を受け、事業ポートフォリオの見直しを進め、再生可能エネルギーや二酸化炭素回収貯留事業などへ投資をシフト。

さらに読む ⇒プロジェクト トップページ出典/画像元: https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1008924/1009014.html

各社の決算結果は、コロナ禍とエネルギートランジションへの対応の差が浮き彫りになりましたね。

財務規律を優先し、設備投資を削減する動きは、今後の事業戦略に影響を与えそうです。

2020年第4四半期、新型コロナウイルス感染拡大とエネルギートランジションが、メジャー企業の決算に大きな影響を与えました

BPとTotalは利益を確保したものの、ExxonMobil、RoyalDutchShell、Chevronは損失を計上。

ExxonMobilは米国シェールガス資産の減損で201億ドルの巨額損失を計上しました。

各社は財務規律を優先し、設備投資の削減と借入圧縮を行いました。

しかし同時に、低炭素ソリューション事業への投資や、再生可能エネルギー、二酸化炭素回収貯留事業など、エネルギートランジションへの取り組みも進めています。

なるほど、エネルギー業界は大きな転換期にあるんですね。投資家の期待と、持続可能なエネルギーへの移行、そのバランスが重要になってくるわけですね。

BPの戦略転換:投資家圧力と株価低迷からの脱却

BP、再生エネ投資削減!株価上昇のカギは何?

石油・ガス強化と株主利益重視への転換。

BPは、株主からのプレッシャーと株価低迷という状況を受け、戦略を大きく転換しました。

再生可能エネルギーへの投資を減らし、石油・ガス事業を強化する方針へと舵を切ったのです。

エリオット、BPに純現金収支改善要求か 27年までに200億ドルに

公開日:2025/04/23

エリオット、BPに純現金収支改善要求か 27年までに200億ドルに

✅ アクティビストの米エリオット・マネジメントは、英石油大手BPに対し、支出削減とコスト抑制を通じて2027年までにフリーキャッシュフローを200億ドルに増やすよう要求している。

✅ エリオットはデリバティブ契約の形でBPへの出資比率を5%強に引き上げ、主要株主20人と面会した。

✅ エリオットはBPの再生可能エネルギー事業売却を望んでおり、BPは株主からのフィードバックを歓迎している。

さらに読む ⇒ロイター | 経済、株価、ビジネス、国際、政治ニュース出典/画像元: https://jp.reuters.com/markets/commodities/SI7RB7JJBNIIPELYYPAVLEA5D4-2025-04-23/

BPの戦略転換は、株主利益を最優先にする一方で、環境への影響も気になります。

短期的には株価上昇に繋がったようですが、長期的にはどうなるのか、今後の動向を注視する必要がありますね。

英石油大手BPは、エネルギートランジションへの対応を加速させる中で、戦略を大きく転換しました

投資家からの圧力と株価低迷を受け、再生可能エネルギーへの投資を削減し、石油・ガス事業を強化する方向へと舵を切ったのです。

アクティビストファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントからの圧力は、株主利益の向上を目的とし、具体的には自社株買いの削減と、化石燃料への投資を目論みました。

この方針転換は、2030年までに化石燃料生産を40%削減するという当初の目標を放棄し、原油採掘への積極的な姿勢を示唆するものでした。

この動きは、BPの株価上昇に繋がり、市場からは肯定的な反応が得られました。

この方針転換、個人的にはちょっと複雑な心境だわ。株価は上がるかもしんないけど、地球環境のこと考えたら、ほんとにこれでいいのかって、ちょっどモヤモヤするわよね。

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BP、脱炭素化から転換? 再エネ投資縮小、石油・ガスに再注力。株主は歓迎、環境団体は非難。持続可能性へのコミットメントは後退か?