MUFG、NZBA脱退の波紋？ESG投資と脱炭素化への道のりとは？MUFGのNZBA脱退：ESG投資の行方と脱炭素化戦略

MUFGの新たなコミットメントと具体的な取り組み

各社が独自の脱炭素戦略を打ち出す中、MUFGは具体的な目標とコミットメントを提示しています。

2030年、2050年の目標達成に向けて、様々な取り組みが進められています。

MUFGカーボンニュートラル宣言」からみられる脱炭素への本気度

公開日:2021/08/06

✅ 三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFG）は、2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量のネットゼロ、2030年までに自社の温室効果ガス排出量のネットゼロを達成する「MUFGカーボンニュートラル宣言」を発表し、金融機関として脱炭素化を明確に打ち出した。

✅ MUFGは、投融資先企業の脱炭素化を促すため、ネットゼロ・バンキング・アライアンス（NZBA）に邦銀として初めて参加し、投融資における脱炭素スコアの重視など、グローバル規格での対応を開始。

✅ 三井住友FGやみずほFGも気候変動対策を強化しており、金融庁も中小企業を含めた気候変動対応を支援する姿勢を示し、2021年を金融セクター主導の脱炭素化への転換点と位置づけている。

さらに読む ⇒一般社団法人　北海道中小企業診断士協会出典/画像元: https://shindan-hkd.org/lab-sdgs/2021/07/20/mufg-carbon-neutral/

MUFGは、脱炭素社会の実現に向けて、かなり本気で取り組んでいるようですね。

社会課題への貢献を経営戦略の中核に据えているという点も、注目すべきポイントだと思います。

MUFGは、NZBA離脱後もサステナブルファイナンスの目標を維持し、投融資先の脱炭素支援を継続する方針を明確にしています。

2024年度からの3年間を計画期間とする新中期経営計画において、社会課題解決への貢献を経営戦略の中核に据え、カーボンニュートラル社会の実現を重点課題としています。

具体的には、投融資ポートフォリオのネットゼロ、ファイナンスを通じた脱炭素化、自社排出のネットゼロに取り組み、2030年、2040年、2050年の目標達成を目指しています。

MUFGは、1.5℃目標達成への貢献、脱炭素社会へのスムーズな移行の支援、環境と経済の好循環による持続可能な社会の実現という3つのコミットメントのもと、自然資本、循環型経済、人権、公正な移行、アダプテーションも考慮しながら、取り組みを進めています。

すごいわね！私も、カーボンニュートラルとか、SDGsとか、ちょっとは気にしてたけど、こんなに色々やってるんだ！応援したいわね！

MUFGのネットゼロ達成に向けた戦略と課題

MUFGは、脱炭素化に向けた具体的な戦略と、4つの柱を掲げています。

中間目標の設定や、科学的なアプローチなど、詳細な取り組み内容も公開しています。

三菱UFJグループ、投融資先も「2050年までにGHG排出ゼロ」

✅ 三菱UFJフィナンシャル・グループは、2030年までに自社の温室効果ガス排出量を実質ゼロ、2050年までに投融資ポートフォリオの排出量を実質ゼロにする「MUFGカーボンニュートラル宣言」を発表しました。

✅ この目標達成のため、国連環境計画金融イニシアチブ（UNEP FI）の「Net-Zero Banking Alliance（NZBA）」に日本から初めて参加し、ファイナンスを通じた脱炭素化の実現、自社の脱炭素化、情報開示の拡充などを進めます。

✅ 取り組みの柱として、ファイナンスを通じた脱炭素化、自社での脱炭素化、情報開示の拡充、体制強化の4点を掲げています。

さらに読む ⇒環境ビジネスオンライン トップページ出典/画像元: https://www.kankyo-business.jp/news/028112.php

MUFGは、顧客とのエンゲージメントを重視し、科学的根拠に基づいたアプローチを採用しているんですね。

様々な要因を考慮して目標を設定しているという点は、評価できると思います。

MUFGは、2021年5月に公表したカーボンニュートラル宣言に基づき、2050年ネットゼロを目標としており、2022年4月にはパリ協定に整合した2030年中間目標を設定しています。

中間目標設定においては、地域特性や事業特性の違い、地政学リスクの影響などを踏まえ、顧客とのエンゲージメントを通じて課題を共有し、解決を支援します。

中間目標設定には、IEAのシナリオやガイドライン、顧客によるデータ開示などを考慮し、科学的なアプローチ、データの質を重視したアプローチ、標準的で透明性の高いアプローチ、顧客とのエンゲージメントを通じたアプローチの4つのアプローチを採用しています。

なるほど、企業は、単に目標を掲げるだけでなく、どのように達成するか、具体的なプロセスを示すことが重要ということですな！

批判と期待：MUFGの脱炭素化への道のり

MUFGの脱炭素化への取り組みは、様々な意見や期待を集めています。

今回の脱退に対する、批判の声と、今後の期待について見ていきましょう。

MUFGの投資家の皆さまへ

公開日:2025/06/19

✅ 三菱UFJフィナンシャル・グループ（MUFG）は、2050年ネットゼロ目標を掲げるものの、化石燃料や森林破壊リスクのある産品への多額の投融資を行っており、パリ協定の目標達成と矛盾している。

✅ MUFGは、LNG事業や問題のあるパーム油などへの資金提供を通じて、気候変動、生物多様性、人権侵害に繋がる可能性があり、財務リスクや座礁資産のリスクも抱えている。

✅ MUFGは、投融資方針の信頼性欠如により、気候変動、生態系破壊、人権侵害に関わるセクターへの投融資リスクがあり、監査委員会はリスク管理に関する監督状況を開示すべきである。

さらに読む ⇒Fossil Free Japan出典/画像元: https://fossilfreejapan.org/ja/campaigns/mufg/

1.5度目標達成を困難にする事業への資金提供について、批判の声が上がっているんですね。

MUFGが、今後どのように対応していくのか注目ですね。

今回のMUFGの脱退に対し、レインフォレスト・アクション・ネットワーク（RAN）は、脱退後もパリ協定1.5度目標に整合させるコミットメントを維持し、同目標に矛盾する企業への融資を中止するよう求める声明を発表しました。

RANは、MUFGが2050年までの投融資ポートフォリオのネットゼロ目標に取り組むことを重要視し、ウェルズ・ファーゴによるコミットメント放棄の実例を挙げ、MUFGが日本の大手銀行として気候変動問題に責任を持つことを期待しています。

しかし、MUFGは、新規の液化天然ガス（LNG）事業への巨額投融資など、1.5度目標に整合しないプロジェクトに資金提供しており、RANは、MUFGに対して、1.5度目標達成を困難にする事業や企業への資金提供の中止を強く求めています。

今後は、MUFGが、これらの課題にどのように対応し、脱炭素化へのコミットメントを具体的に実行していくのかが注目されます。

投資家、企業、金融機関がESG投資の動向を注視していく必要があります。

うーん、難しい問題だね。企業は、利益を追求するだけじゃなくて、環境問題にも真剣に取り組まなきゃいけない時代なんだな。

MUFGのNZBA脱退は、ESG投資や脱炭素化への道のりにおける、様々な課題を浮き彫りにしました。

今後の金融機関の動向に注目です。