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住友化学、カーボンニュートラルへの挑戦と成長戦略:新時代の化学産業を読み解く?脱炭素、ケミカルリサイクル、事業再編…住友化学の戦略を多角的に分析

住友化学が、革新的なCFP算定システム「CFP-TOMO®」を開発!2050年カーボンニュートラル実現へ、製品のGHG排出量を可視化し、社会全体の削減に貢献。ケミカルリサイクルや事業再編も加速し、持続可能な社会を目指す。巨額赤字からの黒字転換を果たし、半導体材料や農薬分野にも注力。未来へ向けた「守り」と「攻め」の戦略で、成長軌道を描く。

住友化学、カーボンニュートラルへの挑戦と成長戦略:新時代の化学産業を読み解く?脱炭素、ケミカルリサイクル、事業再編…住友化学の戦略を多角的に分析

📘 この記事で分かる事!

💡 住友化学は、製品カーボンフットプリント(CFP)算定システムを開発し、温室効果ガス排出量の見える化を実現。

💡 ケミカルリサイクル技術への投資を強化し、資源循環型社会への貢献を目指している。

💡 石油化学事業の構造改革を進め、成長戦略として農薬や電子材料分野への注力も図っている。

それでは、まずカーボンニュートラルへの取り組みについて詳しく見ていきましょう。

カーボンニュートラルへの挑戦:見えない排出量を可視化する

住友化学の「CFP-TOMO®」は何を実現?

製品GHG排出量の見える化と削減!

住友化学のCFP算定システムは、排出量削減を支援し、CBAMへの対応も可能にする画期的な取り組みです。

GSC入門No.10:二酸化炭素を「見える化」~化学製品のカーボンフットプリント算定ツールの開発住友化学株式会社
GSC入門No.10:二酸化炭素を「見える化」~化学製品のカーボンフットプリント算定ツールの開発住友化学株式会社

✅ 住友化学が開発した、化学製品の温室効果ガス排出量を可視化する「製品カーボンフットプリント(CFP)算定システム」が、第23回GSC賞経済産業大臣賞・環境大臣賞を受賞しました。

✅ このシステムは、原料採掘から製造、出荷までの温室効果ガス排出量を算出し、他社にも無償提供されており、企業の排出量削減への取り組みを支援しています。

✅ CFPは、製品のライフサイクル全体での温室効果ガス排出量をCO2換算で示し、生産プロセスの改善や、欧州の炭素国境調整メカニズム(CBAM)への対応にも役立ちます。

さらに読む ⇒JACI 公益社団法人新化学技術推進協会出典/画像元: https://www.jaci.or.jp/gscn/GSCgs/j10/gsc_j10.php

CFP-TOMO®の開発は、化学業界特有の課題を解決し、GHG排出量の見える化を実現。

無償公開も素晴らしいです。

住友化学は、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、製品ライフサイクル全体での温室効果ガス(GHG)排出量削減を目指し、LCA(ライフサイクルアセスメント)を活用した製品カーボンフットプリント(CFP)算定システム「CFP-TOMO®」を開発しました。

複雑な製造工程を持つ化学業界特有の課題を解決するため、ケミカルエンジニアとIT推進部が協力し、ISO規格に準拠したシステムを構築。

これにより、GHG排出量の見える化を実現し、効率的なCFP算定と社内計算方法の統一を可能にしました。

さらに、このシステムを無償で公開し、社会全体でのGHG排出量削減への貢献を目指しています。

素晴らしい取り組みですね!こういう技術革新こそ、企業の成長の鍵です。うちも導入を検討します。

ケミカルリサイクル競争:資源循環型社会への転換

化学業界、2050年カーボンニュートラルへ、どんな挑戦?

ケミカルリサイクルで廃プラや植物油を再利用!

ケミカルリサイクルは、資源循環型社会に不可欠な技術であり、化学業界の大きなテーマです。

プラスチック油化ケミカルリサイクル」先端技術を使った新たな資源循環モデル
プラスチック油化ケミカルリサイクル」先端技術を使った新たな資源循環モデル

✅ 三菱ケミカルグループは、ENEOSと共同で、廃プラスチックを油化して新たなプラスチック原料とするケミカルリサイクルを推進しており、国内最大規模のプラントを新設。

✅ 油化技術は、混合プラスチックの処理が可能で、新品同等の品質の製品を製造できるメリットがある一方、油化に必要なエネルギー量が多いという課題がある。

✅ サーキュラーエコノミー実現のため、廃プラスチックの安定的な収集スキームを構築し、エネルギー効率の改善を目指すとともに、GHG排出量削減に貢献していく。

さらに読む ⇒三菱ケミカルグループ出典/画像元: https://www.mcgc.com/kaiteki_solution_center/oursolution/17.html

三菱ケミカルとENEOSの連携、住友化学と積水化学の協業など、各社の取り組みに期待が持てますね。

2050年のCO2排出量実質ゼロに向け、化学業界ではケミカルリサイクルが重要な役割を果たしています

三菱ケミカルHDは、ENEOSと連携し、英MuraTechnology社の技術を活用した廃棄プラスチックのケミカルリサイクル事業を開始。

一方、住友化学は積水化学工業と協力し、米ランザテック社の技術を用いてごみからエタノールを生成し、そこからエチレン、ポリオレフィンを製造する技術に取り組んでいます。

三井化学はBASFと連携し、廃プラではなく植物油廃棄物からプラスチックを合成するアプローチを進めています。

各社は、持続可能な社会の実現に向けて、技術革新と事業展開を加速させています。

資源の有効活用ってのは、世界中で重要だべさ。各社の技術革新、応援したいね。

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住友化学が巨額赤字から脱却!石化事業再編と成長戦略で未来を切り開く。脱炭素、半導体、農薬で持続可能な社会へ貢献。