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中国鉄鋼業界の冬、輸出拡大と貿易摩擦の行方?中国鉄鋼業の現状と世界への影響

中国の建設不況が鉄鋼業界を直撃!生産過剰と需要減退で赤字拡大、輸出急増も単価下落を招く。世界市場に安価な鉄鋼が溢れ、価格競争激化。日本を含む各国メーカーは業績悪化。米中貿易摩擦も激化し、関税問題へ発展。中国の過剰生産能力が世界経済に与える影響とは?今後の動向から目が離せない。

中国鉄鋼業界の冬、輸出拡大と貿易摩擦の行方?中国鉄鋼業の現状と世界への影響

📘 この記事で分かる事!

💡 中国の鉄鋼業界は、需要低迷と供給過剰により深刻な業績悪化に直面している。

💡 輸出の増加は、中国の鉄鋼業界の苦境を一時的に緩和しているが、価格競争を引き起こしている。

💡 米中の貿易摩擦は激化しており、中国の過剰生産能力に対する懸念が高まっている。

本日は、中国鉄鋼業界を取り巻く状況について、詳しく解説していきたいと思います。

まずは、現在の状況を整理していきましょう。

鉄鋼業界の冬 中国国内の不況と供給過剰

中国建設不況、鉄鋼業界に何をもたらした?

利益総額赤字、需要低迷、生産過剰。

本章では、中国の鉄鋼業界が直面している現状について解説していきます。

中国鉄鋼メーカー「生産過剰」半数以上赤字の深刻 不動産不況で鋼材需要減少、コストは高止まり

公開日:2023/08/07

中国鉄鋼メーカー「生産過剰」半数以上赤字の深刻 不動産不況で鋼材需要減少、コストは高止まり

✅ 中国の2023年上半期の粗鋼・鋼材生産量は増加したものの、不動産不況による需要低迷と価格下落により、多くの鉄鋼メーカーが業績悪化に直面している。

✅ 上半期には、上場鉄鋼メーカーの過半数が赤字を計上し、最大の赤字は馬鞍山鋼鉄の22億3800万元に達した。需要回復の遅れと生産コストの高止まりが収益を圧迫した。

✅ 中国政府は2023年の粗鋼生産量を前年並みに抑える方針を示しており、下半期は減産圧力が強まる見込み。業界からは需要低迷、利幅縮小、赤字拡大への危機感が示されている。

さらに読む ⇒ 東洋経済オンライン出典/画像元: https://toyokeizai.net/articles/-/690660?display=b

中国の鉄鋼業界は、不動産不況と政府の方針により、厳しい状況に置かれていることがよくわかりました。

需要回復の遅れが、今後の課題となりそうですね。

中国の建設不況は、鉄鋼業界に深刻な影響を及ぼしています。

国内の鉄鋼需要が低迷し、生産過剰が顕著になっています。

2024年1~2月の粗鋼生産量は前年同期比で増加したものの、鉄鋼製品の消費量は減少。

結果として、鉄鋼業界全体の利益総額は過去最大規模の赤字を記録しています。

この状況は、上海の鋼材販売業者の売上減少や、チリの製鉄所の閉鎖危機といった具体的な事例にも表れています。

中国政府は、不動産依存からの脱却を図り、ハイテク製造業やグリーンテクノロジーへの転換を目指していますが、不動産不況は鉄鋼需要を減退させ、業界に「厳しい冬」をもたらしています。

うーん、これは厳しいね。過半数のメーカーが赤字ってのは、さすがにまずい。政府の減産方針も、焼け石に水かもしれん。

輸出という逃げ道 世界市場への影響と価格競争

中国鉄鋼輸出、なぜ増加?業績悪化の真相とは?

国内需要低迷、価格競争力、輸出増加。

次に、輸出という逃げ道について掘り下げていきます。

24年の中国鋼材輸出/9年ぶり1億1000万トン超/内需低迷で過去2番目の高水準/輸入は33年ぶり700万トン割れ
24年の中国鋼材輸出/9年ぶり1億1000万トン超/内需低迷で過去2番目の高水準/輸入は33年ぶり700万トン割れ

✅ 2024年の中国の鋼材輸出は、内需低迷と高水準の鉄鋼生産を背景に、前年比22.7%増の1億1071万6千トンとなり、9年ぶりに1億1千万トン台を超えた。

✅ 一方、鋼材輸入は33年ぶりに700万トンを割り込む見込みで、輸出拡大と対照的な動きとなった。

✅ 記事は、有料購読者向けの電子版コンテンツであり、過去の価格データや記事検索、スクラップ機能などが利用できることを紹介している。

さらに読む ⇒日刊鉄鋼新聞 Japan Metal Daily出典/画像元: https://www.japanmetaldaily.com/articles/-/231078

輸出増加は、国内の需要低迷を補うために不可欠な戦略となっているようですね。

しかし、価格競争が激化しているという点は、今後の懸念材料となりそうです。

中国の鉄鋼業界の苦境は、輸出増加という形で現れています。

2023年上半期の輸出量は前年同期比で大幅に増加し、年間輸出量は2015年の記録を超える可能性も指摘されています。

2024年の鋼材輸出は過去最高を記録し、純輸出量は初めて1億トンを突破しました

この輸出増加は、国内需要の低迷と海外市場での価格競争力の高さを反映しています。

輸出単価は下落傾向にあり、値下げ販売を余儀なくされるなど、中国の鉄鋼メーカーの業績悪化を招いています。

専門家は、中国が電気自動車などの生産拠点を海外に移し、鉄鋼や部品の輸出は今後も増加すると予測しています。

あー、輸出増えてるんだ。でも、価格下落ってことは、儲けは薄いってことだよね? 結局、苦しい状況は変わらないんじゃないの?

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中国鉄鋼輸出急増が世界経済を揺るがす!価格下落、貿易摩擦、米中対立…日本製鉄も影響。過剰生産能力と輸出戦略が、世界市場を翻弄する。