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DEI(多様性、公平性、包摂性)は終わった? 米国の企業と投資家の動向と日本のDEIの課題とは?米国のDEI見直しと日本での新たな動き

アメリカでDEI(多様性・公平性・包摂性)プログラムに逆風!大統領令による連邦政府の終了、企業の見直しが加速。逆差別批判や株主からの圧力も。一方、日本では女性活躍推進など、異なる視点でのDEI推進が模索されています。企業の対応、投資家の動向、そしてDEIの未来を徹底解説。

DEI(多様性、公平性、包摂性)は終わった? 米国の企業と投資家の動向と日本のDEIの課題とは?米国のDEI見直しと日本での新たな動き

📘 この記事で分かる事!

💡 米国でDEIに対する批判が高まり、企業がプログラムの見直しや縮小を進めている。

💡 日本企業はDEIの取り組みが遅れており、女性活躍推進が重要な課題となっている。

💡 投資家の動向や株主提案を通じて、企業のDEI姿勢が明確化される。

まず、この記事では、DEIを取り巻く世界と日本の現状について、いくつかのポイントに分けてご紹介いたします。

DEIの起源と連邦政府による転換

米国のDEI終了、その理由は?逆差別問題?

AA違憲判断と逆差別、形骸化問題が原因。

DEIの起源から、米国政府による転換について解説します。

トランプ政権のDEI廃止施策が日本に与える影響

公開日:2025/02/09

トランプ政権のDEI廃止施策が日本に与える影響

✅ トランプ大統領は、連邦政府と政府契約企業におけるDEI(多様性、公平性、包摂性)プログラムの廃止を命じる大統領令に署名し、米国社会全体でDEIの見直しが進んでいる。

✅ 米国最高裁の判決やトランプ政権のDEI廃止は、能力主義への回帰を促し、雇用・教育分野に大きな影響を与えており、日本企業のDEI施策にも慎重な姿勢を促す可能性がある。

✅ 日本に進出している米系グローバル企業は本国の方針に影響を受けやすいため、DEI関連のポジションや予算の削減が日本法人にも及ぶ可能性があり、日本政府のDEI関連政策への影響は限定的である。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://hr-ai.org/new-column/trump1/

DEIが当初の目的から変化し、逆差別を生んでいるという解釈が強まっているという点が印象的でした。

企業がDEIの方針を満たすためだけの対応をしているという指摘もあり、本質的な変化が求められていると感じました。

2025年1月、米国では大統領令により連邦政府のDEI(多様性、公平性、包摂性)プログラムが終了しました。

この決定は、1961年の大統領令を起源とするDEIの歴史的背景と、その後の変遷が影響しています

当初は人種差別是正を目的としたアファーマティブアクションとして始まりましたが、対象が拡大し、最終的には事実上、異性愛者の白人男性以外を対象とするものとなりました。

この状況は、最高裁判所のAA違憲判断や、連邦政府によるDEI禁止の大統領令へとつながり、DEIが逆差別を生んでいるとの解釈が強まりました。

2020年以降、企業はDEIへの取り組みを強化しましたが、その実態は形骸化しているという指摘もあり、従業員向けの調査では、DEIの方針を満たすためだけの面接や採用過程が行われるケースも報告されています。

なるほど。DEIって、最初は素晴らしい理念だったんだろうけど、いつの間にか形骸化しちまったんだな。能力主義に戻るのは、ある意味当然の流れだ。

企業におけるDEIの見直しと撤退の動き

米国の企業、DEI見直し。その理由は?

顧客・商品重視、コスト削減のため。

一部の米国企業がDEI目標の見直しや縮小を発表していることについて解説します。

米トヨタなど米国企業がDEIから撤退を始めている – Global Energy Policy Research
米トヨタなど米国企業がDEIから撤退を始めている – Global Energy Policy Research

✅ 米マクドナルドやトヨタなど、一部の米国企業が、DEI(多様性、公平性、包摂性)目標の見直しや縮小を発表し、外部の多様性調査への参加を停止する動きが出ている。

✅ これらの企業は、DEIへの取り組みよりも、顧客への注力や優れた商品・サービスの提供を通じて株主価値を創造することに回帰する姿勢を示しており、ESG推進派のブラックロックCEOもDEIを「政治的」として見捨てている。

✅ トヨタはLGBTイベントのスポンサーシップ停止や第三者ランキングからの撤退を発表し、STEM教育や労働力に特化した活動に焦点を当てるなど、社会的活動から核心ビジネス目標への転換を図っている。

さらに読む ⇒Global Energy Policy Research出典/画像元: https://www.gepr.org/contents/20250117-01/

企業が顧客への注力や商品・サービスの提供に回帰しているという流れは、非常に現実的だと感じました。

DEIにかける時間やコストを削減し、本業に集中するという判断は、企業の健全な成長にとって重要だと思います。

2024年1月には、マクドナルドをはじめとする米国の企業がDEIへの取り組みを見直す動きが報じられました。

具体的には、リーダーシップ層の比率目標撤回、サプライヤーへのDEI要件廃止、多様性チームの改称などが行われ、この流れはキャタピラー、フォード、トヨタなど多くの企業にも広がっています。

企業は、顧客への注力や優れた商品・サービスの提供こそが重要であるとし、DEIに費やす時間やコストを削減する方向に舵を切っています。

米トヨタは、LGBTイベントへのスポンサーシップを停止し、外部ランキングからの撤退を発表するなど、DEI活動の一部を縮小しました。

これらの動きは、DEIが本来のビジネス目標から逸脱し、時間や資金を浪費しているという認識に基づいています。

また、株主総会においても反DEIを求める提案が増加し、企業は対応を迫られています。

へぇー、マックとかトヨタも、DEI、見直してんのか。ま、そりゃそうだべ。顧客が一番大事だもんね。企業ってのは。

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米国のDEI逆風を教訓に、日本企業はどう動く? 女性活躍推進など、焦らず自社に合ったDEI戦略が重要。投資家の動向も踏まえ、持続的成長を目指す。