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鉄鋼スラグと海の未来:持続可能な漁業とブルーカーボンへの貢献?鉄鋼スラグの有効活用による海洋環境改善とSDGsへの貢献

日本製鉄とJFEスチールは、鉄鋼スラグを有効活用し、海の森づくりや漁業支援を展開。藻場再生や地盤改良を通じて、海洋環境改善と漁業振興に貢献しています。共同研究による技術革新も進み、肥料や海中林造成への展開も。鉄鋼スラグの循環利用で、ブルーカーボン事業を推進し、気候変動対策とSDGs達成を目指します。持続可能な社会の実現に向けた、革新的な取り組みを紹介します。

鉄鋼スラグと海の未来:持続可能な漁業とブルーカーボンへの貢献?鉄鋼スラグの有効活用による海洋環境改善とSDGsへの貢献

📘 この記事で分かる事!

💡 鉄鋼スラグは、藻場再生やブルーカーボン創出に貢献し、海洋環境の改善に役立っています。

💡 日本製鉄やJFEスチールは、鉄鋼スラグの有効活用技術を開発し、漁業支援や気候変動対策に貢献しています。

💡 鉄鋼スラグは、循環型社会の実現に貢献し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を促進しています。

それでは、鉄鋼スラグを活用した様々な取り組みについて、具体的な事例を交えながら詳しく見ていきましょう。

鉄鋼スラグを活用した海域環境改善と漁業支援

鉄鋼スラグで海を再生?どんな取り組みが?

海の森づくりや藻場造成

本日は、鉄鋼スラグを活用した海域環境改善と漁業支援に関するテーマです。

鉄鋼スラグの具体的な活用方法や、それらがもたらす効果について解説していきます。

日本製鉄、鉄鋼スラグを活用した藻場再生の新試験を開始。ブルーカーボン効果も検証

公開日:2022/11/18

日本製鉄、鉄鋼スラグを活用した藻場再生の新試験を開始。ブルーカーボン効果も検証

✅ 日本製鉄株式会社は、鉄鋼スラグを活用した藻場再生事業「海の森プロジェクト」の一環として、北海道・宮城県・三重県の6つの漁業協同組合と協業し、同社が開発した鉄分施肥材「ビバリー®ユニット」の新たな設置試験を開始した。

✅ この試験は、鉄鋼スラグと腐植土を発酵させたビバリー®ユニットが藻場の再生と、CO2吸収・固定によるブルーカーボン化に貢献できるかどうかを実証することを目的としている。

✅ 日本製鉄株式会社は、2023年5月に設置海域における藻場造成の効果を確認し、海水中の鉄分濃度の変化や海藻の成長状況を継続的に調査することで、ブルーカーボンの効果を検証していく予定である。

さらに読む ⇒サーキュラーエコノミーハブ出典/画像元: https://cehub.jp/news/nipponsteel-umimori/

鉄鋼スラグを活用した藻場再生事業は、海の生態系回復に大きく貢献する可能性がありますね。

CO2吸収効果の検証も楽しみです。

日本製鉄とJFEスチールは、鉄鋼スラグを活用した海域環境改善漁業支援に取り組んでいます。

日本製鉄は「鉄を利用した海の森づくり」として、製鋼スラグを原料とした「ビバリーユニット」を開発し、北海道増毛町や泊村などでコンブ場の再生に貢献しています。

また、千葉県君津市では、貧酸素による水産生物の減少対策として、製鋼スラグを活用した地盤改良を行っています。

JFEスチールは「生物多様性の保全活動」として、鉄鋼スラグを海に投入することで、藻場を造成し、生物の生息環境を改善する取り組みを行っています。

これらの取り組みは、鉄鋼スラグの有効活用と海洋環境保全を両立させるものであり、地方創生SDGsの好例と言えます。

鉄鋼スラグは、製鉄所が立地する臨海部に生まれることから、まさに゛地産地消゛を実現する取り組みと言えるでしょう

なるほど、鉄鋼スラグってのは、単なる廃棄物じゃないんだな!資源を有効活用して、海の環境を良くするなんて、素晴らしいね!これは投資する価値がありそうだ。

鉄鋼スラグの有効利用技術の実用化に向けた取り組み

鉄鋼スラグを有効活用する新技術、どんな未来を拓く?

陸と海の環境問題解決

次に、鉄鋼スラグの有効利用技術の実用化に向けた取り組みについて見ていきましょう。

JFEスチールと広島大学の研究事例です。

鉄鋼スラグで海に藻の林をJFEと広島大が研究【SDGs持続可能な開発目標】
鉄鋼スラグで海に藻の林をJFEと広島大が研究【SDGs持続可能な開発目標】

✅ JFEスチールと広島大学は、西日本製鉄所で発生する鉄鋼スラグを海の環境改善に活用する研究を進めている。

✅ スラグを海底に敷き詰め、藻類を付着させることで海中に林を作り、魚などの生態系を改善することを目指す。

✅ スラグはこれまで藻場再生に利用されてきたが、ホンダワラ類などの大型藻類の定着が課題であり、二酸化炭素吸収効率の向上を目指していく。

さらに読む ⇒中国新聞デジタル出典/画像元: https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/121020

JFEスチールと広島大学の共同研究講座、これはとても興味深いですね。

ブルーカーボンと海洋酸性化防止機能への着目も素晴らしいです。

JFEスチールと広島大学は、鉄鋼スラグの有効利用技術の実用化を加速し、社会実装を早期実現するため、「共同研究講座(第2期)」を開設しました。

共同研究講座は、陸域分野の「GreenFieldProject」と海域分野の「MarineForestProject」の2つの分野で推進されます。

「GreenFieldProject」では、鉄鋼スラグに含まれるリンやケイ素などの有用元素を作物生産に活用するための技術開発を行います

リン濃縮スラグの肥料としての特性を調べることで、植物の生育向上効果が確認されました。

第2期では、さらなる吸収効率化の検討や、実用化試験に着手し、肥料としての商品化を目指します。

「MarineForestProject」では、鉄鋼スラグ資材を基盤材として、高い生態系サービスが期待できる大型海藻による海中林を形成させるための技術開発を行います。

第1期では、スラグ資材の生物付着基盤と水質浄化機能を調べ、海藻類の付着基盤となることや、フジツボなどの動物の生息が確認されました。

また、スラグ資材の生物膜による溶存有機物の浄化能力が天然石よりも高いことが確認されました。

第2期では、スラグのアルカリ成分による二酸化炭素固定と海洋酸性化防止機能、および海藻などによるブルーカーボンおよび生物生産性向上に着目した研究を行います。

へえー、スラグで海に林を作るとか、まるでSFの世界みたいだな!でも、それが現実になるかもしれないってのが面白いね。大学との連携で、技術が進歩するのを期待してるよ!

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日本製鉄、鉄鋼スラグで海の森を育む!磯焼け対策「ビバリー®ユニット」で藻場再生、CO2吸収も。ブルーカーボンで持続可能な社会へ貢献。