日韓通貨スワップ協定再開はなぜ? 専門家による解説と今後の展望 (日韓、通貨スワップ、経済)日韓通貨スワップ協定再開の裏側:合意内容、専門家の見解、今後の課題
約8年ぶりに再開の日韓通貨スワップ協定。金融市場の安定を目指すも、その裏には政治的思惑も。100億ドル融通枠、3年間の協定だが、発効発表の遅れや情報公開の差に疑問も。専門家は、短期的な韓国支援としながらも、中長期的なアジア情勢への備えとして、日韓連携の重要性を指摘。円安・ウォン安に対応し、金融協力を強化する動きも。しかし、韓国側の誤解やウォン安加速など、課題も山積。日韓関係の未来を占う、通貨スワップの行方は?
💡 日韓通貨スワップ協定が約8年ぶりに再開、最大100億ドル規模。経済と政治、両面での関係改善が目的。
💡 専門家は、協定再開の真の目的は、中国経済の不確実性や地政学リスクへの対応にあると分析。
💡 韓国経済の現状と課題、通貨スワップ協定の戦略的意義、今後の日韓関係への影響について解説。
今回は、日韓通貨スワップ協定再開について、様々な視点から掘り下げていきたいと思います。
まずは、協定内容について詳しく見ていきましょう。
日韓通貨スワップ協定再開:合意と疑問点
日韓通貨スワップ、8年ぶり再開!経済より政治?
日韓関係改善の象徴
本日は、日韓通貨スワップ協定再開について、詳しく見ていきましょう。
公開日:2023/07/29

✅ 日韓両政府は29日、財務対話を開催し、金融危機時の外貨融資協定である通貨交換(スワップ)協定の再開に合意しました。協定は2015年以来約8年ぶりに再開され、交換枠は最大100億ドル(約1兆4400億円)となります。
✅ スワップ協定の再開は、岸田首相と尹大統領によるシャトル外交の再開を受け、輸出規制強化措置の解除に続く、経済分野での日韓関係改善の具体策となります。
✅ 鈴木財務相はスワップ協定再開が円とウォンに対する信認強化につながると強調し、秋経済副首相は韓日関係の経済金融分野における正常化を示す成果だと述べています。両政府は次回会合を24年に韓国で開催することで合意し、年1回ペースで定期的に開催する予定です。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20230629/k00/00m/020/312000c協定再開は、日韓関係改善の象徴であり、政治的な意味合いが強いという見方もあります。
韓国側の情報公開と日本の期間に関する記述の欠如、そして発効発表の遅れなど、気になる点も指摘されていますね。
2023年6月29日、日韓両国は東京で財務対話を開催し、約8年ぶりに通貨スワップ協定の再開で合意しました。
この協定は、金融市場が混乱した場合に、両国が互いに通貨を融通しあう仕組みです。
協定の再開は、日韓関係の改善を象徴するものであり、経済的な必要性よりも政治的な意味合いが強いとされています。
両国は、協定の再開によって、アジア域内の経済を支え、金融の安定を維持するためのセーフティーネットを構築することを目指しています。
協定の融通枠は100億ドルで、期間は3年です。
韓国側は詳細な情報、特に期間(3年)を公表している一方、日本の発表では期間に関する記述がありません。
また、合意から3ヶ月近く経つにも関わらず、公式な発効発表はされていません。
日本は米英欧瑞加など主要国との無制限の為替スワップ網を持ち、国際的に広く通用する日本円を有しています。
一方で、韓国は自国通貨の韓国ウォンが国際的な決済にはほとんど使えないローカル通貨です。
日本には「G-SIBs」に指定されている金融機関が3社存在し、その他にも大規模金融機関が多数存在しますが、韓国にはG-SIBは1社もありません。
日本にとって韓国との協力は必須ではありませんが、韓国にとって日本との協力は必要かもしれません。
しかし、韓国の発表内容では、通貨スワップの規模よりも、8年ぶりの復活という事実自体に重点が置かれています。
日韓両国の発表には、韓国側の詳細な情報公開と日本の期間に関する記述の欠如、そして発効発表の遅れなど、不自然な点が見られます。
この協定が本当に発効するのか、今後の動向が注目されます。
ふむ、日韓スワップ、再開ね。政治的な意味合いが強いってのは、企業経営者としてはちょっと引っかかるな。結局のところ、金になるのかどうかが重要だ。
宮家邦彦氏の解説:日韓通貨スワップ再開の意義
日韓通貨スワップ再開は、日本にとってどんな意味を持つ?
短期は支援、長期は連携
宮家邦彦氏の解説では、日韓通貨スワップ再開は、中長期的な政治・戦略的メリットが大きいと分析しています。

✅ 日韓両国が8年ぶりに通貨交換(スワップ)協定を再開させた背景には、短期的な経済的なメリットよりも、中長期的な政治・戦略的なメリットが大きいと考えられています。
✅ 具体的には、中国経済の不確実性や北朝鮮の脅威など、東アジア情勢が不安定化する中で、日韓の金融連携が重要となるため、政治的に日韓関係を安定させる必要性があると考えられています。
✅ また、尹錫悦政権下で日韓関係が改善傾向にあることを受け、日本政府は、今回の通貨交換協定再開を日韓関係の成熟に向けた重要な一歩と位置づけているとみられます。
さらに読む ⇒ニッポン放送出典/画像元: https://news.1242.com/article/446994日本にとって短期的なメリットは乏しいものの、中長期的な視点で見ると、アジア情勢の不安定化に対応するための金融連携は重要であると述べています。
日韓関係の改善が、今後の展開にどう影響するのか、注目ですね。
宮家邦彦氏は、日韓通貨スワップ再開について、短期的な経済的視点と中長期的な政治的・戦略的視点の両面から解説しました。
短期的には日本のメリットは乏しく、事実上の韓国支援であると指摘しました。
しかし、中長期的に見ると、中国経済の不確実性など、アジア情勢が不安定化する中で、日韓金融レベルでの連携は大きなメリットをもたらすと主張しました。
特に、尹錫悦政権の下で日韓関係が改善に向かう中、日本が中長期的な戦略的判断を下した結果であると説明しました。
また、日韓両国が経済的に成熟した関係へと進むべき時期にきていること、政治的な問題に関わらず経済をしっかりと守ることは重要であることを強調しました。
通貨交換協定は、日本が日韓関係改善に向けた「1つのカードを持った」とも解釈できると述べ、日韓関係における今後の展開に注目すべきであると締めくくりました。
日韓関係における経済と政治の複雑な絡み合い、ほんと興味深いよね。政治的な問題に左右されず、経済を安定させるってのは、理想だけど難しいことだよね。
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日韓が通貨スワップ強化で合意!円安・ウォン安に対応。金融協力で安定化目指すも、韓国側の誤解や思惑も。今後の関係に注目。