自動車販売業界の現状と今後?ダイハツ、トヨタ、不正問題が業界に与える影響とは?ダイハツ不正問題とトヨタグループの構造改革、自動車販売業界の未来
2022年以降、回復基調にあった自動車販売業界が、ダイハツ不正問題とビッグモーター問題で揺れる。半導体不足は解消も、ダイハツ出荷停止で新車市場に約7万台の供給不足。サプライチェーンへの影響は甚大で、トヨタグループの構造改革が急務。豊田自動織機の不正も発覚し、2024年はトヨタの信頼回復と改革の進捗が業界の命運を握る。普通車販売は増加も、不透明感は拭えない。
💡 ダイハツ工業の不正問題が発覚し、経営体制が刷新され、事業構造の再構築が進められています。
💡 2023年の自動車販売は回復傾向にあったものの、不正問題の影響で不透明感が増しています。
💡 トヨタグループの構造改革の進捗が、今後の自動車販売業界の動向を左右する重要なポイントとなります。
それでは、まずは自動車販売業界の現状と直面している課題について、詳しく見ていきましょう。
自動車販売業界の回復と不透明な状況
自動車業界の現状は?
不正問題で混乱中
2023年は、ダイハツの不正問題が発覚し、自動車販売業界に大きな衝撃を与えました。
この問題は、サプライチェーン全体に影響を及ぼし、販売台数の減少だけでなく、業界の信頼を揺るがす事態となりました。

✅ ダイハツ工業は、車両の認証不正問題を受けて、経営体制を刷新し、井上雅宏氏を新社長に迎えることを発表しました。
✅ 新体制では、軽自動車事業に軸足を置き、海外事業をトヨタに委託することで、不正問題の再発防止と事業構造の再構築を目指します。
✅ トヨタは、ダイハツの再生を主導し、安全・安心を第一としたクルマ作りを徹底することで、グループ全体での不正再発防止に取り組む姿勢を示しています。
さらに読む ⇒自動車ニュースマガジン、ネクストモビリティ出典/画像元: https://www.nextmobility.jp/economy_society/daihatsu-embarks-on-a-trial-run-as-it-rebuilds-its-management-structure-and-business-areas20240213/ダイハツの不正問題は、経営体制の刷新や事業構造の再構築という対応が取られましたが、その影響は広範囲に及びました。
トヨタグループ全体の信頼回復と不正再発防止に向けた取り組みが急務となっています。
2022年以降、自動車販売業界はコロナ禍以前の水準まで回復傾向にありました。
しかし、ダイハツ工業の不正問題やビッグモーター問題などの影響により、再び不透明な状況に陥っています。
2023年は半導体不足の解消とともに販売・登録台数は微増しましたが、コロナ禍前には届いていません。
ダイハツ工業の出荷停止の影響は大きく、日本の新車市場から約7万台が不足する計算となりました。
帝国データバンクの調査によると、ダイハツ工業を頂点とするサプライチェーン企業は国内に推計8136社、派生する売上高合計は推計2兆2110億円に達し、影響は広範にわたります。
さらに、豊田自動織機の自動車用ディーゼルエンジン不正問題も発生し、トヨタ車種だけでなく、エンジン供給を受けるマツダや日野自動車にも影響が出ており、トヨタグループの構造改革の進捗が今後の自動車生産台数や自動車販売業界に大きな影響を与えると考えられます。
2024年には、トヨタのグループ統治に対する信頼回復と構造改革の進捗が自動車販売業界の動向を左右する重要なポイントとなると予想されます。
なるほど、ダイハツの不正問題は、本当に痛手だったな。影響額も莫大だし、この問題が業界全体に与える影響は計り知れないな。トヨタの再生にかける本気度に期待したいね。
自動車販売DIの変動と販売台数の現状
自動車販売DIは2023年、どのように推移した?
回復後、悪化
昨年は、自動車販売DIの変動が大きく、業界の景況感に波がありました。
ビッグモーター問題やダイハツの不正問題が、販売台数に直接的な影響を与え、業界全体のイメージダウンにもつながりました。

✅ 2023年は半導体不足解消により自動車販売業界は回復傾向にあったが、ビッグモーター不正問題やダイハツ工業の品質不正問題発覚により再び不透明な状況に陥っている。
✅ 2023年の普通自動車の販売台数は前年比16.0%増、中古自動車の販売台数は同2.1%増と増加傾向にあるものの、ダイハツ工業の不正問題による出荷停止の影響で今後の自動車生産台数、自動車販売業界への影響は避けられない。
✅ ダイハツ工業の不正問題に加え、豊田自動織機の自動車用ディーゼルエンジン不正問題も発覚し、トヨタグループの構造改革が急務となっている。今後の動向を見守る必要がある。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.tdb-publish.com/2024/01/20240130.php2023年は、中古車販売も微増にとどまりました。
ダイハツの不正問題の影響で新車の供給が滞り、中古車市場にも影響が出たと考えられます。
今後の販売動向を注視していく必要があります。
2023年4月には自動車販売DIは43.0まで上昇し、全産業の景気DI44.6に迫る水準まで回復しました。
しかし、7月のビッグモーター不正問題発覚以降、中古車業界のイメージが悪化し、12月のダイハツ工業の不正問題発覚により、自動車販売DIは39.1と景況感を押し下げました。
2023年の普通自動車販売台数は約399万台と前年比15.7%増、中古自動車販売台数は約540万台と同2.6%増と微増しましたが、ダイハツ工業の不正問題の影響で、同社は約1カ月間全車種の生産・出荷を停止し、日本の新車市場から約7万台の新車供給が滞りました。
ほんとに、今年は浮き沈みの激しい一年だったわね。ビッグモーターの問題もあって、中古車業界のイメージも悪くなっちゃったし。でも、あたしは、クルマのこと、よーわからんから、もっと分かりやすく話して欲しいんだけどさ。
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ダイハツ不正問題が波紋!サプライチェーン、売上に甚大な影響。トヨタグループの不正と構造改革、自動車販売への影響は?今後の動向を徹底分析!