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農林中金の巨額赤字問題とは?原因、課題、再建への道を探る(農林中金、赤字、JA)?農林中金、1.5兆円の最終赤字へ。外債運用失敗による巨額損失と今後の課題

米金利高止まりで農林中金が巨額赤字!外債運用失敗で、2025年3月期に最大1兆9000億円の損失へ。JAグループからの資本増強も、リスク管理の甘さや経営責任問題が浮き彫りに。専門家は運用戦略の見直しを提言、JAの預金依存からの脱却も課題に。農協金融の根幹を揺るがす危機に、今後の動向から目が離せない。

農林中金の巨額赤字問題とは?原因、課題、再建への道を探る(農林中金、赤字、JA)?農林中金、1.5兆円の最終赤字へ。外債運用失敗による巨額損失と今後の課題

📘 この記事で分かる事!

💡 農林中央金庫が巨額の最終赤字を計上。主な原因は、外債運用における損失。

💡 赤字拡大の背景には、金利上昇と円安の影響、さらにはJAグループの預金依存という課題も。

💡 経営再建に向けた資本増強と、運用戦略の見直し、リスク管理の強化が急務となる。

それでは、農林中金の赤字が具体的にどのような状況なのか、詳しく見ていきましょう。

農林中央金庫の赤字:原因と課題

農林中央金庫はなぜ巨額の赤字が見込まれるのか?

債券価格下落の影響

農林中金の赤字問題は、単なる金融機関の問題に留まらず、日本の農業全体に影響を及ぼす可能性があると認識しています。

農林中金:農林中金、外債頼みアダ米金利高止まり響き赤字.兆円

公開日:2024/07/25

農林中金:農林中金、外債頼みアダ米金利高止まり響き赤字.兆円

✅ 農林中央金庫(農林中金)は、2025年3月期に1.5兆円の最終赤字となる見込みであり、その原因は資金運用における失敗によるものとされています。

✅ 農林中金は、農業協同組合(JA)などから集めた預金を基に債券などに投資を行っていましたが、その運用がうまくいかなかったことが赤字拡大の要因と考えられます。

✅ 農林中金の赤字問題には、農林中金に出資するJAの課題も関係しており、JAバンク全体の運営についても見直しが必要となる可能性も指摘されています。

さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20240725/ddm/008/020/103000c

農林中金の抱える問題は、金利上昇と債券運用という二つの要因が重なり合って発生しているんですね。

運用戦略の見直しが急務ですね。

農林中央金庫は、米金利高止まりによる外債価格下落の影響を受け、2025年3月期に5000億円超の最終赤字を計上する見込みです。

これは、農林中央金庫が保有する債券の収益悪化が主な原因です。

農林中央金庫は、JAグループの預金を運用し、その利益の一部をJAグループに奨励金として還元していますが、近年は債券価格の下落や金利上昇の影響で、運用で巨額の損失を生じてきました。

これは、農林中央金庫がドル建てで資産運用を行う際に、ドルを借りるための金利が高く、一方で運用している債券の金利が低いことから、運用金利が借入金利を下回る『逆ザヤ』状態になっているためです。

さらに、農林中央金庫はJAバンクからの資金調達により、円建てで資金調達し、ドル建てで運用しているため、為替ヘッジを行う必要があり、そのためのコストも負担しています。

農林中央金庫は、他の銀行と異なり、農業関連に限定された投融資を行っており、貸出金が占める割合が低く、有価証券が占める割合が高いです。

そのため、運用成績が悪化すると、大きな影響を受けることになります。

農林中央金庫は、過去にも運用で巨額の損失を出しており、1.9兆円の資本増強を行ったことがあります。

今回の赤字は、農林中央金庫の運用戦略やリスク管理に対する疑問を投げかけています。

専門家からは、農林中央金庫は、債券中心の運用戦略を見直し、株式や不動産など、より収益性の高い資産への投資を検討すべきだと指摘されています

また、JAグループの預金依存からの脱却も課題として挙げられています。

農林中央金庫は、今後の運用戦略の見直しとリスク管理の強化を図ることで、安定的な収益確保を目指していく必要があります。

これは見過ごせない問題だね。農林中金の運用戦略とリスク管理、もっと突っ込んで分析する必要がある。早急な対策が求められる。

農林中央金庫の資本増強と農協への影響

農林中金、過去最大の赤字でどうなる?

JAグループから1兆2千億円増資

今回の資本増強は、JAグループの財務基盤を揺るがしかねない事態です。

今後の動向に注目しましょう。

農林中金、兆円の資本増強検討「米国債頼み」が裏目に:朝日新聞

公開日:2024/05/23

農林中金、兆円の資本増強検討「米国債頼み」が裏目に:朝日新聞

✅ 農林中央金庫は2025年3月期決算で5千億円超の赤字を見込む。これは、海外金利上昇による保有債券の含み損売却による損失計上のためである。

✅ 24年3月期決算は純利益が前年比24.8%増の636億円だったが、欧米金利上昇による債券価値の下落で含み損が2兆1923億円発生した。

✅ 農林中金は財務基盤強化のため、含み損を抱える債券の一部を売却し、米国債など高金利資産に振り向ける。この売却による巨額損失を補うため、1.2兆円規模の資本増強を検討しており、JAグループとの協議を進めている。

さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/ASS5Q42K3S5QULFA009M.html

JAグループへの影響も大きいですね。

出資配当の減少や、事業外収益の増加。

地域経済への影響も考えられますね。

農林中央金庫は、2025年3月期に5000億円超の最終赤字を計上する見込みで、その結果、JAグループから1兆2000億円の資本増強を受けることを発表しました。

資本増強は、永久劣後ローン7千億円の償還と会員からの同額の後配出資への切り替え、新たに5千億円の期限付き劣後ローンを調達することで行われます。

農林中金は過去にも住専問題やサブプライム危機による損失を経験しており、今回の赤字は3度目の危機とも言えます。

今回の危機は、ハイリスク・ハイリターンの運用リスクが金利リスクに変わった点が特徴です。

今回の赤字はJA等の会員にも影響を与えます

まず、信連やJAは劣後ローンの後配出資を要請される可能性があり、特に貯金額の多い大都市圏の信連が対象となる可能性が高いです。

また、出資配当の減少や奨励金の削減も懸念されます。

出資配当は事業外収益に算入され、JAの事業利益には直接影響しません。

しかし、事業外収益の増加はJAの事業を通じて組合員に貢献すべき農協がそれでいいのかという疑問を生じさせます。

農林中金の赤字化は、農協金融の基盤を揺るがす可能性があり、今後の国際規制の動向も注目されます。

今回の農林中金の赤字問題、JAグループにとっても試練だね。組合員への影響も気になるし、今後の対応が重要だ。

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農林中金、巨額損失で経営危機!1.5兆円赤字、外債売却と運用失敗が原因。経営陣に批判集中、再建の道は険しい。JAグループの支援も焦点。