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オリンパス粉飾決算事件とは?巨額損失隠蔽と企業のガバナンス問題の真相に迫る?オリンパス粉飾決算事件の全貌:損失隠蔽、発覚、そして影響

1000億円の損失隠蔽!バブル崩壊、粉飾決算、そして告発へ。オリンパス事件は、円高による損失を隠すため、巧妙な会計操作を20年間にわたり行いました。経営陣の不正、第三者委員会の機能不全、そして救済劇...。日本企業を揺るがした衝撃の事件の真相に迫ります。会計・ガバナンス改革に大きな影響を与えた一大スキャンダル。

オリンパス粉飾決算事件とは?巨額損失隠蔽と企業のガバナンス問題の真相に迫る?オリンパス粉飾決算事件の全貌:損失隠蔽、発覚、そして影響

📘 この記事で分かる事!

💡 1980年代からの巨額損失隠蔽、粉飾決算の発覚、事件の全容を解説します。

💡 事件の発端となった金融資産の運用損失、損失隠しのスキーム、事件発覚の経緯を説明します。

💡 事件がもたらした企業ガバナンスへの影響、事件後の対応、そして教訓を考察します。

それでは、オリンパス粉飾決算事件の概要と、事件の始まりとなった背景から詳しく見ていきましょう。

オリンパス粉飾決算の始まり

オリンパスはなぜ巨額の損失隠しを行ったか?

運用損失隠しのため

オリンパス粉飾決算事件の始まりについて解説します。

オリンパス事件とは?事件の始まりから不正会計の発覚、結末まで全貌まとめ【年最高裁判決確定】

公開日:2024/01/26

オリンパス事件とは?事件の始まりから不正会計の発覚、結末まで全貌まとめ【年最高裁判決確定】

✅ オリンパス事件は、2011年に発覚した粉飾決算事件で、元社長のマイケル・ウッドフォード氏が解任され、様々な機関による調査や捜査が行われました。

✅ 事件の背景には、1980年代からの金融資産の運用損失の増加、時価評価主義への移行による損失表面化回避、損失分離スキームの実施、そして新規事業展開による損失解消スキームなどがあり、オリンパスは巨額の資金を不正に処理していました。

✅ この事件は、オリンパスと元役員に対する訴訟に繋がり、監査や会計に関する規制に大きな影響を与えました。2020年には最高裁判決が確定し、事件の全貌が明らかになりました。

さらに読む ⇒公認会計士ナビ会計士・監査法人専門メディア出典/画像元: https://cpa-navi.com/archives/73272

事件の背景にある様々な要因が複雑に絡み合い、巨額の損失隠しへと繋がったことが分かります。

1985年から、円高による営業利益の減少を背景に、当時のオリンパス社長は金融資産の積極的な運用に乗り出しました。

しかし、バブル崩壊によって運用損失が拡大し、1990年代後半には1000億円近くに達しました。

1990年代後半には、時価評価主義の導入が本格化し、巨額の運用損失が表面化する可能性が出てきました

これを回避するために、オリンパスは含み損のある金融商品をファンドに移し、決算書から損失を切り離す「損失分離スキーム」を実行しました。

その後、ファンドへの出資や債権債務の整理のために、オリンパスはベンチャー企業の株式を買い取り、M&A案件に対して手数料を支払うなど、資金を流す方法を用いました。

この際、余分に支払った金額は『のれん』として資産化され、段階的に費用化されました。

これらの行為は、長年にわたってオリンパスの粉飾決算を招き、20年間にもわたる巨額な損失隠しが行われました。

ふむ、なるほど。損失隠蔽のために、そこまで手の込んだことをしていたとは。企業経営は、ある意味、数字との戦いでもあるからな。

事件の発覚と真相究明

オリンパス粉飾決算事件の最大責任者は誰?

山田秀雄前監査役

事件の発覚と真相究明について解説します。

粉飾決算・不正会計・不正取引>ライブドア/オリンパス/東芝~『間違える企業』列伝【政経電論】

公開日:2018/07/04

粉飾決算・不正会計・不正取引>ライブドア/オリンパス/東芝~『間違える企業』列伝【政経電論】

✅ ライブドア、オリンパス、東芝の3つの企業における不正会計事件を例に、企業におけるコミュニケーション不足が不正会計へとつながるケースを分析しています。

✅ ライブドア事件では、経営陣による会計処理に対する認識のずれや、世間のネガティブ圧力によって、不正会計が行われた可能性が指摘されています。

✅ オリンパス事件では、バブル期の損失隠蔽から始まり、不正を隠蔽するためにさらに不正を重ねるという悪循環が発生し、内部告発によって不正が明るみに出ました。東芝事件では、トップによる圧力と組織構造上の問題点から、不正会計が蔓延したことが明らかになりました。

さらに読む ⇒政経電論行動する人になる。出典/画像元: https://seikeidenron.jp/articles/724

企業におけるコミュニケーション不足が、不正会計を招く要因となることが、よく分かりますね。

2011年、当時の社長であったマイケル・ウッドフォード氏が、オリンパスの過去の企業買収における過大な支出を主張し、経営陣との対立が表面化しました。

ウッドフォード氏は解任され、オリンパスは解任理由を日本の風土への適応不足と説明しました。

その後、国内外で様々な機関が捜査を開始し、粉飾決算の全貌が明らかになりました。

2011年12月6日、オリンパスは、第三者委員会による報告書を発表し、不正な会計操作の実態が明らかになりました。

報告書によると、山田秀雄前監査役と森久志前副社長が主導した「飛ばし」と呼ばれる損失隠ぺい行為は、下山敏郎、岸本正寿、菊川剛の歴代社長も認識していたことが認定されました

報告書は、オリンパスが金融商品取引法や会社法に違反したと認定しましたが、刑事告発の勧告は行いませんでした。

ま、企業のトップが不正に気づいてたってんだから、もう終わりだよね…内部告発がなければ、闇の中だったんだべな。

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損失隠蔽発覚!オリンパス不正会計事件。上場廃止危機から救済、ガバナンス改革へ。会計・監査規制に影響を与え、現在も続く波紋。