Diamond Edge Logo Menu opener

建築家 青木淳氏の創造性:京都市京セラ美術館リニューアルを中心に、建築とアートの融合を紐解く?青木淳氏の建築哲学と代表作:京都市京セラ美術館、青森県立美術館、そして自然との調和。

建築家・青木淳。磯崎新氏の下で腕を磨き、青森県立美術館やルイ・ヴィトン名古屋店など、記憶に残る建築を数多く手掛けてきた。彼の作品は、美術館の空間を「るつぼ」と捉え、自然との調和を追求。この記事では、リニューアルされた京都市京セラ美術館での対談を通し、建築とアートの新たな関係性を紐解く。青木淳の建築哲学に触れる、刺激的な一考察。

建築家 青木淳氏の創造性:京都市京セラ美術館リニューアルを中心に、建築とアートの融合を紐解く?青木淳氏の建築哲学と代表作:京都市京セラ美術館、青森県立美術館、そして自然との調和。

📘 この記事で分かる事!

💡 建築家 青木淳氏の歩みと、京都市京セラ美術館のリニューアルプロジェクトについて解説します。

💡 青木氏とアーティスト森村泰昌氏の対談から、美術館の役割と新たな価値観を探求します。

💡 代表作である青森県立美術館に見る、自然と調和した建築デザインと、青木氏の建築思想。

それでは、まず青木淳氏の建築家としての歩みから見ていきましょう。

建築家 青木淳氏の歩み

青木淳氏の建築の特徴は?

原っぱと遊園地

青木淳氏の建築は、歴史的建造物の再生と現代的なニーズへの対応を見事に両立させていますね。

京都市京セラ美術館館長・青木淳氏インタビュー前編:建築家として手がけた京都市京セラ美術館の大改修について語る
京都市京セラ美術館館長・青木淳氏インタビュー前編:建築家として手がけた京都市京セラ美術館の大改修について語る

✅ 青木淳氏は、2019年3月に京都市京セラ美術館の館長就任のオファーを受け、開館の1年前というタイミングで就任しました。

✅ 青木氏は、美術館の設計者として、築85年の歴史的建造物を再生し、現代にふさわしい美術館としてリニューアルオープンさせるという大きな役割を担いました。

✅ 美術館の改修では、耐震補強やアメニティ機能の拡張に加え、新館「東山キューブ」を建設し、既存の建物と調和しながら新たな魅力と機能を付加しました。

さらに読む ⇒
(テクチャーマガジン)
出典/画像元: https://mag.tecture.jp/feature/20230612-jun-aoki-interview1/

美術館の改修と新館建設を同時進行し、既存の美しさを活かしつつ、新たな魅力を付加する手腕は素晴らしいと感じました。

青木淳氏は、1956年生まれの建築家であり、磯崎新アトリエを経て1991年に独立しました。

商業施設、公共施設、住宅など幅広い分野で活躍し、建築を『原っぱ』と『遊園地』に分類した論考で知られています。

主な作品には、青森県立美術館、ビュー福島潟、大宮前体育館、京都市京セラ美術館、ルイ・ヴィトン名古屋店などがあります。

青森県立美術館は、三内丸山遺跡の調査方法に着想を得た幾何学的なデザインが特徴で、美術館らしい展示室と土の床が露出した展示室が共存する空間となっています。

ビュー福島潟は、福島潟の自然と文化の情報発信施設で、螺旋状のガラス張りの空間が特徴です。

大宮前体育館は、住宅地に建つ体育館で、地下に埋めることで周辺環境に配慮した設計がなされています。

京都市京セラ美術館は、国内最古の公立美術館建築の耐震改修、保存、補修、増築を手掛け、現代的なニーズに対応できるようリノベーションされました。

ルイ・ヴィトン名古屋店は、ダミエパターンを施した斬新なファサードが特徴で、歩くと模様が動く仕組みになっています。

青木氏は、建築設計のみならず、建築・アート批評などでも活躍し、2019年から東京芸術大学大学院教授を務め、現在は京都市京セラ美術館の館長を務めています。

なるほど、青木氏の美術館に対する情熱が伝わってきますね。リニューアルにかかった費用も気になりますが、きっと素晴らしい投資になったことでしょう。

美術館とアーティストの対話

森村泰昌さんにとって京都市京セラ美術館はどんな場所?

思い出深い美術館

美術館とアーティストの関係性は、創造性と革新性を生み出す上で非常に重要ですね。

美術館を応援する連載「美術人ナビ」第5回京都市京セラ美術館対談森村泰昌さん×青木淳さん非日常体験地元に提供–美術展ナビ

公開日:2023/01/02

美術館を応援する連載「美術人ナビ」第5回京都市京セラ美術館対談森村泰昌さん×青木淳さん非日常体験地元に提供–美術展ナビ

✅ 森村泰昌さんと青木淳館長による対談を通して、京都市京セラ美術館のリニューアルと、美術館の役割について考察している。

✅ 森村泰昌さんは、京都市京セラ美術館が「思い出深い美術館」であり、リニューアルによって「エレガントな魅力」が引き出されたと語っている。また、自分がかかわった展覧会が新たな価値観を未来に提示できることを願っている。

✅ 青木淳館長は、美術館が地元の人々の生活と地続きでありながら、日常とは異なる体験を提供する場所であると述べている。また、美術館が「るつぼ」のように、多様な展覧会を同時開催することで、京都の人々にとって大切な経験となる展覧会を開催していくことの重要性を強調している。

さらに読む ⇒美術展ナビ出典/画像元: https://artexhibition.jp/topics/news/20221228-AEJ1167088/

森村泰昌さんの言葉から、美術館が単なる展示場所ではなく、多様な文化の発信地としての役割を担っていることがよくわかります。

2023年1月2日の美術人ナビ第5回は、京都市京セラ美術館を取り上げ、同館館長である建築家の青木淳さんと、同館で個展を開催したアーティストの森村泰昌さんの対談が掲載されました。

森村さんは、京都市京セラ美術館を「思い出深い美術館」と語り、1964年のミロのヴィーナス特別公開を、子どもの頃に訪れた思い出として挙げました。

また、リニューアル後の美術館について、エレガントな魅力が引き出されたと感じ、特に中央ホールやガラス・リボン、東山キューブの廊下から見渡せる日本庭園の美しさに感銘を受けたと語っています。

一方、青木館長は、リニューアルされた京都市京セラ美術館が、地元の人々の生活と地続きでありながら、日常とは異なる体験を提供する場所だと捉えています。

美術館は「るつぼ」のような場所であり、多様な展覧会を同時に開催することで、京都の人々に大切な経験を提供していくことを目指しています。

対談では、美術館の役割について、森村さんは美術館を「うつわ」に例え、その中でどんな料理を盛るかを吟味することがアーティストの役割だと語りました。

また、美術館は時代を反映・予測する場所であり、展覧会を通じて新たな価値観を未来に提示していくことを期待していると述べています。

記事では、森村さんの「ワタシの迷宮劇場」展が、美術館の新しい空間である東山キューブで開催されたことや、美術館とアーティストの関係性などが語られています。

いやー、美術館ってのは、芸術家にとって最高の『うつわ』ってことね! どんな料理を盛り付けるか、腕の見せ所ってわけだ! 青木館長と森村さんの対談、面白かったわ〜。

次のページを読む ⇒

建築家・青木淳。自然と「白」を愛し、青森県立美術館やルイ・ヴィトン表参道店など、斬新な建築で人々を魅了。自然との調和を追求した作品群。