日本製鉄によるUSスチール買収、なぜ頓挫した？バイデン大統領が国家安全保障を理由に阻止

それでは、詳しく見ていきましょう。

買収計画の発表と阻止

買収阻止は、アメリカの雇用を守るというバイデン大統領の強い意志を感じますね。

バイデン米大統領、日本製鉄のスチール買収計画を阻止安全保障上のリスクがあると

公開日:2025/01/04

✅ バイデン大統領は、国家安全保障上の懸念から、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を阻止しました。

✅ この決定は、日米関係に悪影響を及ぼし、外国投資家を遠ざける可能性があるとの懸念がある一方、アメリカの鉄鋼業界とそのサプライチェーンを強化するためには、国内での所有が重要であるというバイデン大統領の政治的公約を反映したものです。

✅ 日本製鉄とUSスチールは、この決定に強く反発し、法的措置も辞さない姿勢を見せており、今後の日米関係にどのような影響を与えるか注目されます。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.bbc.com/japanese/articles/cr56079vz39o

両社とも、法的措置も辞さないとしているとのことですが、今後の展開が気になります。

2023年12月18日、日本製鉄は米国鉄鋼大手USスチールを買収することで合意しました。

しかし、この買収計画は、2024年1月3日にバイデン大統領が国家安全保障上の理由で阻止したことで頓挫しました。

バイデン大統領は、外国企業による買収が米国国防産業に不可欠な鉄鋼製品の供給を脅かす可能性や、USスチールの技術が日本製鉄に流出する可能性を懸念しました。

この決定は、米国議会の議員の一部やUSスチールの労働組合からも支持を得ました。

彼らは、買収によって米国の雇用が失われることや、米国産業の競争力が低下することを懸念していました。

また、米国議会の一部議員は、国内産業保護の観点からも買収に反対しました。

さらに、米国大統領選挙の争点にまで発展し、バイデン大統領とトランプ次期大統領が買収問題について異なる立場を表明し、政治的な対立が深まりました。

なるほど、アメリカは鉄鋼業界の重要性を認識しているんですね。さすがアメリカ。

政治・経済的背景

バイデン政権は、アメリカ国内産業の保護を重視しているということですね。

バイデン大統領の禁止命令に日本製鉄とＵＳスチールが共同声明…「あらゆる措置講じる」と表明読売新聞

公開日:2025/01/04

✅ バイデン大統領は、日本製鉄による米鉄鋼大手U.S.スチール買収計画を国家安全保障上のリスクを理由に禁止する命令を出した。

✅ この決定は、対米外国投資委員会（CFIUS）が買収に伴う安全保障リスクについて合意できず、バイデン氏に最終判断が委ねられた結果である。

✅ 日本製鉄とU.S.スチールは、この決定に失望し、法的権利を守るためのあらゆる措置を講じるとしている。また、日本の経済産業省も、この判断は理解しがたく、今後の日米間の投資に強い懸念の声が上がっているとコメントしている。

さらに読む ⇒読売新聞オンラインニュース＆お得サイト出典/画像元: https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250103-OYT1T50105/

様々な要因が複雑に絡み合っているんですね。

複雑な状況の中で、バイデン大統領は難しい決断を下したと思います。

バイデン政権は、中国への依存度を減らし、サプライチェーンの多角化を推進しています。

USスチールは、この政策において重要な役割を担う企業と位置付けられており、外国企業による買収は、この政策に反すると判断された可能性があります。

また、世界的な鉄鋼業界の低迷や、両社の財務状況も懸念材料でした。

買収後も両社の業績が改善する保証はなく、債務負担が大きくなり、経営悪化につながる可能性がありました。

さらには、世界的に保護主義が高まっている状況において、買収が成功しても、将来的な事業展開に大きなリスクが伴うと判断された可能性もあります。

中国への依存度を減らすって、アメリカの戦略としては正しいと思うよ。