日本郵政グループのコーポレートガバナンスは大丈夫?顧客情報不正利用問題と再発防止策
日本郵政グループのガバナンス体制、リスク管理、顧客情報不正利用問題、再発防止策、経営責任について解説。顧客情報の不正利用は1000万人規模に拡大、経営陣の報酬減額など、深刻な問題点が浮き彫りに!
💡 日本郵政グループのコーポレートガバナンス体制について解説します。
💡 リスク管理体制の現状と課題について分析します。
💡 顧客情報の不正利用問題とその再発防止策について詳しく解説します。
それでは、具体的な内容について詳しく見ていきましょう。
日本郵政グループのコーポレートガバナンス
日本郵政グループのガバナンス強化の目的は?
持続的な成長と企業価値向上
日本郵政グループは、持続的な成長を目指し、コーポレートガバナンスの基本方針を定めているんですね。
公開日:2021/06/19

✅ 日本郵政グループでは、過去2年間で顧客からの詐取、切手の着服、顧客情報の紛失など、数々の不祥事が発生している。
✅ 特に、切手着服事件は東京・神田郵便局と芝郵便局で発生し、合計で約9億4000万円分に上るとみられる。
✅ さらに、金融商品取引顧客の名簿紛失事件では、全国約5700の郵便局で少なくとも6万7000人分の顧客情報が所在不明になっており、長崎では元郵便局長による顧客からの約12億円の不正な資金集めが明らかになった。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20210619/ddm/008/020/128000c深刻な問題が続いているようですね。
顧客の信頼回復は容易ではないでしょう。
日本郵政グループは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、コーポレートガバナンスに関する基本方針を定めています。
この方針は、郵便局ネットワークを通じたユニバーサルサービス提供、株主の権利と平等性の確保、ステークホルダーとの対話重視、迅速な意思決定と環境変化への対応などを目指しています。
グループ運営体制としては、日本郵政グループ協定、運営契約、グループ運営のルールに関する覚書を締結し、事前承認、事前協議、報告体制を構築しています。
経営に重大な影響を及ぼす重要事項は、経営会議及び取締役会に報告されます。
指名委員会等設置会社を選択した理由は、意思決定と執行の分離による経営の機動性向上、取締役会による経営監督体制の構築、独立役員による社外視点活用、意思決定の透明性と公平性確保、説明責任を果たす体制の実現です。
取締役会は、多様な取締役による構成、独立役員の過半数確保、取締役会規則に基づく権限の執行役への委任と監督体制の整備、グループ経営理念、方針、行動憲章、中期経営計画等の策定と実践監督、内部統制システム構築と運用状況の評価、執行役選解任基準に基づく選任・解任、利益相反取引の監督などを行い、グループ全体を統括します。
取締役会運営では、社外取締役の監督機能強化のための体制整備、取締役会運営の効率化と支援、取締役会事務局の設置などが行われています。
なるほど、ガバナンス体制はしっかりしてるみたいだな。でも、問題は現場にあるんじゃないか?
日本郵政グループのリスク管理体制
日本郵政グループは、どんな戦略でリスク管理を強化していますか?
統合と連携強化
リスクアペタイトは、経営判断において重要な要素ですね。

✅ この記事では、FSBが公表した「実効的なリスクアペタイト枠組みに係る原則」に基づいて、リスクアペタイトの定義と重要性を解説しています。
✅ リスクアペタイトの選定においては、想定するシナリオが重要であり、シナリオに基づいて経営資源を配分することで、収益期待とリスク管理のバランスを図ることが重要です。
✅ 組織運営においては、経営理念やステークホルダーのニーズを考慮した経営指標を設定することが重要であり、単年度計画は中期経営計画の途中経過として反映されるべきです。
さらに読む ⇒アビームコンサルティング株式会社出典/画像元: https://www.abeam.com/kr/ja/insights/rr082/リスク管理機能をクライシスマネジメント機能に統合したことは、効果的な対策と言えるのではないでしょうか。
2024年4月には、日本郵政グループはリスク管理機能をクライシスマネジメント機能に統合し、クライシスマネジメント統括部が一元的に管理することで、危機の未然防止、リスク顕在化の早期把握、影響極小化を三位一体で推進しています。
新興リスクを含む重大な影響を及ぼすリスクの統制強化、リスク発生時の経営への迅速な報告、リスク管理とクライシスマネジメントの連携によるスムーズな移行を実現することで、グループに重大な影響を与えるリスクの顕在化を未然に防ぎます。
さらに、グループガバナンス強化のため、グループCROの選任やグループリスク管理委員会を設置し、グループ各社のリスク管理向上に向けた情報共有や協議を実施しています。
グループ各社は、自社の事業特性に応じたリスク管理を行い、日本郵政への報告等を通じてリスク管理態勢を整備しています。
リスクに関する重要な事項は、リスク・コンプライアンス委員会で審議し、経営会議に報告するとともに、取締役会に審議を求めたり報告したりしています。
2021年度から導入したリスクアペタイト・フレームワーク(RAF)を活用し、経営層が経営計画とともに取得するリスクと種類を承認することで、想定外損失の回避、リスク・リターンの向上、アカウンタビリティの確保、企業価値向上を目指しています。
金融事業では、適切なリスクテイクとリスクコントロールにより、財務の健全性を維持しつつ収益確保を目指し、非金融事業では、金融事業及び既存事業を除く資本の範囲内で、適切なリスクテイクとリスクコントロールにより、財務の健全性を維持しつつ新たな収益確保を目指しています。
リスク管理、大事だよな。俺も会社でリスク管理には気を付けてるけど、こういうケースは想定外だな。
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日本郵政、顧客情報不正利用が1000万人超に!投資信託・国債販売も対象に。