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JDIの栄枯盛衰?液晶技術革新と事業再建への道を探るApple依存からの脱却を目指すJDIの挑戦

世界シェアを誇ったJDI。Appleを主要顧客にLTPS液晶で成長も、中国勢との競争激化、有機EL転換で業績悪化。リストラを経て、千葉工場での有機EL量産開始、車載・ノンモバイル分野強化で再建へ。ソニー連携で技術革新、事業ポートフォリオ多様化を目指す。

JDIの栄枯盛衰?液晶技術革新と事業再建への道を探るApple依存からの脱却を目指すJDIの挑戦

📘 この記事で分かる事!

💡 2012年に設立されたJDIは、スマートフォン向け液晶で世界シェア1位を獲得。iPhone向け事業に依存。

💡 Appleの技術転換と中国メーカーとの競争激化により、経営が悪化。多額の最終赤字を計上。

💡 eLEAP技術を搭載した製品投入や、車載用、高精細ノートPC向けなどノンモバイル分野を強化。

それでは、JDIの歴史を紐解きながら、その現状と未来への展望を探っていきましょう。

誕生と栄光:JDIの黎明期

JDI、あの頃はどんな会社だった?

液晶トップ、Apple顧客、世界シェアも!

本日はJDIについて掘り下げていきます。

液晶ディスプレイ技術の革新と、企業再建への道のりを見ていきましょう。

ジャパンディスプレイ
ジャパンディスプレイ

✅ ジャパンディスプレイは、日立、ソニー、東芝のディスプレイ部門を統合して2012年に設立され、「日の丸液晶」として日本政府系ファンドの主導で経営が行われた。

✅ 設立当初からスマートフォン向け小型液晶で高いシェアを誇り、LTPS TFT-LCDパネルの世界シェアで1位を獲得していたが、iPhone向けの事業に依存し、経営が悪化の一途を辿った。

✅ 経営計画の意思決定の遅さや、リストラが困難であるといった組織的な課題を抱え、2017年には構造改革を実施するも経営不振が続いている。

さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.wikiwand.com/ja/articles/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4

JDIは、設立当初、高い技術力と世界シェアで輝かしいスタートを切りました。

しかし、iPhone依存という課題が浮き彫りになったのですね。

2012年、ソニー、東芝、日立製作所の中小型ディスプレイ事業を統合してジャパンディスプレイ(JDI)が誕生しました

世界トップシェアを誇り、Appleを主要顧客として、LTPS液晶ディスプレイを強みとしていました。

2013年には売上高6145億円、営業利益221億円を計上するなど、順調なスタートを切りました。

設立当時のJDIは、デバイス領域とインフラサービス領域で事業を展開し、中国、台湾、フィリピンに製造拠点を持ち、医用画像情報システムや偏光板保護フィルムでも世界シェアを獲得するまでに成長しました。

ふむ、なるほど。日の丸液晶として期待されたJDIが、Appleに頼りすぎた結果、苦境に立たされるとは。ビジネスは常に変化に対応せねば、ということだな。

試練の始まり:市場変動とAppleの技術転換

JDIを苦しめた最大の要因は?

中国メーカーとの競争とAppleの技術転換。

Chapter-2では、JDIが直面した試練について詳しく見ていきます。

Apple依存からの脱却が急務となっています。

分解説】の再建は、すべて「アップル」にかかっている

公開日:2020/03/21

分解説】の再建は、すべて「アップル」にかかっている

✅ JDIは、AppleのiPhone X向け有機ELディスプレイ採用決定後も、Appleへの提案を有機ELではなくフルアクティブLCDとしたが、XRへの採用により2018-19年の経営を繋いできた。

✅ AppleはJDIに対して巨額の債務を抱えており、JDIへの投資はAppleに資金が流れるリスクを伴う。JDIはApple依存からの脱却を目指しているが、2018年度にはAppleへの売上依存度が増加している。

✅ JDIは2019年度下期の黒字化を最後のチャンスと捉えている。アップル向けの液晶ディスプレイが好調な一方、米中市場の不振により自動車やノートパソコン向けのディスプレイ販売は伸び悩んでいる。

さらに読む ⇒経済を、もっとおもしろく。出典/画像元: https://newspicks.com/news/4381622/body/

Appleの有機ELへのシフトは、JDIにとって大きな痛手だったんですね。

売上減少、最終赤字の計上と、厳しい状況が続きました。

しかし、JDIはすぐに試練に直面することになります。

2015年をピークに売上高は減少し始め、中国メーカーとの競争激化や、主要顧客であるAppleによる有機EL(OLED)への技術転換が業績を圧迫しました

2017年には2396億円の最終赤字を計上し、2014年から2022年までの合計最終赤字額は6126億円に達しました。

営業利益率は平均で-4.0%と低迷し、財務状況も悪化の一途を辿りました。

総資産は縮小傾向となり、経営は苦境に立たされました。

あー、やっぱりアップルの一声で企業の運命が左右されるってこと、あるよね。けど、JDIももっと早く動くべきだったんじゃないかなあ。北海道弁で悪いけど、逃げ道作っとくって大事だべさ。

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JDI、技術革新で再起!有機EL量産開始、車載・PC向け開拓でApple依存脱却へ。ソニー連携も強化。