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原発周辺の防災対策は大丈夫?能登半島地震が明らかにした課題とは!?

原発30km圏の避難計画は大丈夫?地震と原発事故が重なったらどうなる?住民の安全を守るために、避難計画の見直しと複合災害への対策強化が急務!

原発周辺の防災対策は大丈夫?能登半島地震が明らかにした課題とは!?

📘 この記事で分かる事!

💡 原発周辺地域の住民は、地震と原発事故の複合災害に備える必要があります。

💡 原子力防災計画には、避難計画の範囲や避難方法、安定ヨウ素剤の配布など、様々な課題があります。

💡 原発周辺地域では、耐震化率が低いなど、防災対策の遅れが懸念されます。

それでは、最初のテーマに移ります。

原子力防災計画の現状と課題

原子力災害時の避難計画、どこまで安全?

30km圏、複合災害対策不足

原発事故は、地震や津波などの自然災害と複合的に発生する可能性があり、防災対策の強化が求められます。

原発避難計画の問題点(2022年版)

公開日:2022/07/01

原発避難計画の問題点(2022年版)

✅ 福島第一原発事故を受けて策定された原子力災害対策指針と避難計画は、住民を被ばくから守るという観点から問題がある。

✅ 具体的には、避難計画の実効性確認の仕組みがないこと、30km 圏という避難計画策定の範囲設定が妥当でないこと、地震や津波などの複合災害への対応が不足していること、住民に高線量下での避難を強いることなどである。

✅ また、安定ヨウ素剤の配布・服用に関する問題点も指摘されている。

さらに読む ⇒ふくしまミエルカ PROJECT出典/画像元: https://311mieruka.jp/info/report/issues-evacuation_2022/

避難計画の実効性確認や複合災害への対応など、課題はたくさんありますね。

2012年9月の原子力規制委員会発足に伴い、原子力災害対策の重点対策の目安(EPZ)は廃止され、PAZ(5km圏)とUPZ(30km圏)の概念が採用されました。

UPZに含まれる原発30km圏内の自治体は、広域避難計画を含む原子力防災計画を策定する必要があり、原子力規制委員会は避難計画の実効性を審査する責任を負うべきです。

しかし、避難計画策定の範囲は30km圏とされている一方で、福島第一原発事故では、30km圏外でも避難が必要であった事例があり、30km圏という線引きは妥当ではありません。

また、現在の指針と避難計画は、複合災害に対応できていないという問題点があります。

地震や津波などの自然災害と原子力災害が同時に発生した場合、屋内退避が困難になる可能性や、避難経路が海岸沿いにある場合は悪天候で使用できなくなる可能性も想定されます。

さらに、UPZの住民が避難するのは、毎時500μSv以上になった場合(即時避難)、もしくは毎時20μSv以上になった状態が続いた場合(一週間以内に一時移転)という線量基準が設けられています。

これらの線量基準は高すぎ、住民に高線量下での避難を強いることになるため、見直しが必要です。

安定ヨウ素剤の配布・服用についても、自治体職員が避難の途中で住民に配布し、原子力規制委員会の服用指示のもとに服用が行われるという問題点があります。

これらの問題を解決し、住民の安全を確保するためには、避難計画の範囲を拡大し、複合災害への対応を強化する必要があります

また、安定ヨウ素剤の配布・服用についても、事前配布の範囲を拡大し、服用のタイミングに関する情報提供を強化する必要があります。

いやー、原発周辺地域の住民は、大変だなぁ。特に、高線量下での避難なんて、想像を絶する。

原発周辺地域の耐震化の現状

原発周辺の住宅耐震化率は全国平均より高い?低い?

低い

原発周辺地域の耐震化率が低いのは、かなり深刻な問題ですね。

原発30キロ圏の住宅耐震化率、8割全国平均下回る 屋内退避に懸念 能登半島地震:朝日新聞

公開日:2025/02/13

原発30キロ圏の住宅耐震化率、8割全国平均下回る 屋内退避に懸念 能登半島地震:朝日新聞

✅ 全国15原発周辺30キロ圏内の市町村の住宅の耐震化率を調べた結果、8割近くで全国平均を下回ることが判明し、原発事故発生時の避難や屋内退避が求められる地域において、地震への備えが遅れている実態が明らかになりました。

✅ 特に、能登半島地震では道路寸断や建物倒壊が発生し、地震と原発事故が重なった場合の避難や屋内退避の困難さが露呈しました。

✅ 耐震化の重要性を訴える一方で、原子力防災は一般防災よりも不十分である現状を踏まえ、地震対策と原子力防災の両面からの対策強化が求められています。

さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/AST2D4GXPT2DULBH00DM.html

原発事故発生時の避難は、耐震化が進んでいないと本当に危険ですね。

2025年2月13日時点の調査によると、全国15原発周辺30キロ圏内の市町村の住宅耐震化率は、8割近くで全国平均を下回ることが判明しました。

特に、能登半島地震が発生した北陸電力志賀原発周辺では、9市町のうち8市町の耐震化率が全国平均を下回っており、地震と原発事故が重なった場合の避難や屋内退避の難しさが浮き彫りになりました

耐震化率が最も低かったのは、四国電力伊方原発のある愛媛県伊方町の37.7%で、九州電力玄海原発のある佐賀県玄海町も40.2%と低くなっています。

一方、南海トラフ地震が想定される静岡県では、中部電力浜岡原発周辺の11市町のうち9市町が90%以上と、耐震化が進んでいることが確認されました。

原子力防災に詳しい関谷直也・東京大教授は、地震対策の一丁目一番地として耐震化は進めていく必要があると同時に、一般防災が不十分なことを踏まえて原子力防災を考えていかなければならないと指摘しています。

耐震化率が低い地域は、リスクが高いから投資する価値がないな。

原子力防災訓練と避難マニュアルの現状

原子力災害訓練で検証される対策は?

孤立地区への対応

原子力防災訓練は、住民参加が不可欠ですね。

女川原発 国の原子力防災訓練、あすから 県や30キロ圏7市町など

公開日:2022/02/09

女川原発 国の原子力防災訓練、あすから 県や30キロ圏7市町など

✅ 東北電力女川原発の重大事故を想定した原子力総合防災訓練が、国と宮城県によって10日から12日にかけて実施されます。訓練は、地震と津波で女川原発2号機が冷却不能となる事態を想定し、迅速な初動態勢の確立、国と現地の連携による意思決定、住民避難に重点を置きます。

✅ 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、住民参加は見送られました。住民不参加のため、実際の避難における課題を検証することは難しいですが、各市町村は訓練結果を避難計画の検証に生かす考えです。

✅ 訓練では、原発周辺地域の住民がバスや船、ヘリコプターなどを利用して、指定された避難場所に移動する手順を確認しました。また、放射性物質の検査や除染を受ける避難退域時検査場所、避難所受付ステーション、避難所への移動についても訓練が行われました。

さらに読む ⇒河北新報オンライン出典/画像元: https://kahoku.news/articles/20220209khn000017.html

訓練で課題を検証するのは難しいですが、避難計画の見直しに役立てられるといいですね。

国の原子力総合防災訓練が、14日から鹿児島県で始まり、地震により九州電力川内原発1号機が原子炉を冷やせなくなる全面緊急事態を想定し、孤立地区が発生する複合災害の対応を検証します。

今回の訓練では、道路が寸断し、孤立した地域が発生する複合災害を想定し、船舶やヘリコプターを使った孤立地区の避難や物資の輸送、倒壊家屋からの救助、屋内退避、移動基地局を使った通信復旧など、様々な対策が検証される予定です。

東北電力株式会社女川原子力発電所から概ね30km圏内にある市町が策定した避難計画に基づき、宮城県は、原子力災害時に住民が取るべき行動や、避難先自治体、避難経路などをまとめた「原子力災害時の防災対応マニュアル」を作成しました。

このマニュアルは、女川町、石巻市、登米市、東松島市、涌谷町、美里町、南三陸町などの対象地域住民向けに作成され、それぞれの行政区画ごとに避難計画が詳細に示されています。

マニュアルは、PDF形式で閲覧・印刷可能で、各市町のホームページからダウンロードできます。

特に、石巻市は令和5年11月に「原子力災害時における石巻市広域避難計画(概要版)」を更新しており、最新版は石巻市ホームページで確認できます。

訓練は大事だけど、実際に起こったらどうなるんだろうね?

能登半島地震を教訓に:複合災害への対応強化の必要性

原発周辺地域の住宅耐震化率はどのくらい?

全国平均を下回る

能登半島地震は、原発周辺地域の防災対策の脆弱性を露呈しましたね。

科学の森:原発避難の課題浮き彫り 前提崩れた能登半島地震

公開日:2024/02/15

科学の森:原発避難の課題浮き彫り 前提崩れた能登半島地震

✅ 能登半島地震で志賀原発周辺の交通網が寸断され、多くの建物が倒壊したため、原発からの避難が困難になった。

✅ 避難の「前提条件」が崩れたことで、志賀原発の運転差し止め訴訟の原告団長である北野さんは、「地震で事故が起きたら、どこにも逃げようがない」と訴えている。

✅ 今回の地震は、原発事故発生時の避難計画の見直しや、地震発生時の情報伝達、住民への対応など、改めて原発の安全対策の重要性を浮き彫りにした。

さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20240215/ddm/016/040/018000c

地震と原発事故が同時に発生した場合、避難は非常に困難になります。

全国15原発周辺30キロ圏内の市町村の住宅耐震化率を調査した結果、8割近くが全国平均を下回るという現状が明らかになりました。

これは、原発事故発生時の避難や屋内退避を考えると深刻な問題です。

特に、能登半島地震で道路寸断や建物倒壊が発生したことから、地震と原発事故が重なった場合の避難の難しさが浮き彫りになりました。

耐震化率は地域によってばらつきがあり、原発周辺地域では、地震対策の遅れが懸念されます。

専門家は、耐震化を進めるだけでなく、一般防災の不足を踏まえた原子力防災の強化が必要であると指摘しています。

今後、原発周辺地域における地震対策の強化と、住民への適切な情報提供が求められます。

能登半島地震での家屋倒壊の多発を受け、原子力規制委員会の山中伸介委員長は、志賀原発で事故が起きていれば屋内退避は困難だったと指摘しました。

地震と原発事故が同時に発生した場合、避難準備区域の住民は原則として自宅への屋内退避ですが、家屋の倒壊や避難路の寸断などにより、屋内退避が現実的に難しい状況だったとされています。

そのため、原子力規制委員会は、地震などの自然災害と原発事故が同時に発生した場合の対応について、具体的な対策を検討していく必要性を訴えています。

一方、新潟県は、柏崎刈羽原発の再稼働判断にあたり、原子力規制委員会に対し、屋内退避中の除雪や物資受け取りなど、複合災害発生時の具体的な対策を要望しています。

原子力規制委員会は、能登半島地震を教訓とし、原発事故発生時の避難計画の見直しや、複合災害への対応策を検討していくことが求められています。

リスクが高いから、原発周辺地域への投資は控えようかな。

屋内退避期間の目安と今後の検討

原子力事故時の屋内退避期間はどれくらい?

目安は3日間です

屋内退避期間の目安は、重要な問題ですね。

原発事故の屋内退避運用案公表 規制委、複合災害対策盛り込まず:山陽新聞デジタル
原発事故の屋内退避運用案公表 規制委、複合災害対策盛り込まず:山陽新聞デジタル

✅ 原子力規制委員会は、原発事故時の屋内退避の運用に関する報告書案を公表しました。退避期間の目安を3日間とし、生活を維持するための一時的な外出を可能にする内容となっています。

✅ 報告書案では、地震などが同時に起こる複合災害の具体的な対策については、内閣府や自治体が担当し、規制委は基本的な考え方を示すにとどめています。

✅ 報告書案は、原子力災害対応と自然災害対応連携強化の重要性を強調していますが、具体的な対策としては、指定避難所の耐震化や災害に強い避難路の維持・整備が必要と述べているのみです。

さらに読む ⇒山陽新聞デジタル|さんデジ出典/画像元: https://www.sanyonews.jp/article/1676041

複合災害への対策は、まだ十分とは言えません。

原子力規制委員会の検討チームは、原子力発電所事故時の屋内退避期間の目安を「3日間」と設定する報告書案を議論しました。

これは、原子炉施設の状態確認や国の防災基本計画に基づく3日間の食料備蓄を考慮したものです

しかし、能登半島地震の教訓から、複合災害への対策強化の必要性も認識され、指定避難所の耐震化や安全な避難経路の確保が求められています。

また、食料消費後の屋内退避継続の判断は国が行う必要性も指摘されています。

報告書は、最終的に文章修正や関係機関との意見交換を経て、今年3月末までに取りまとめられる予定です。

屋内退避期間が3日間って、長すぎるんじゃないかな?

原発周辺地域の防災対策は、課題も多く、今後の検討が必要です。

🚩 結論!

💡 原発周辺地域では、地震や津波などの複合災害への対応が不足しています。

💡 避難計画の実効性や安定ヨウ素剤の配布に関する問題も指摘されています。

💡 原発周辺地域の耐震化率が低いなど、防災対策の強化が求められます。