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JPCZとは?冬の日本海側を襲う豪雪の謎そのメカニズムとは!?

日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)がもたらす豪雪のメカニズムを解説!積雪急増の危険性、雪氷災害対策、そしてラニーニャ現象の影響まで、冬の日本海を深く理解しよう!

JPCZとは?冬の日本海側を襲う豪雪の謎そのメカニズムとは!?

📘 この記事で分かる事!

💡 JPCZは、日本海寒帯気団収束帯の略称で、冬の日本海側で発生する雪雲の帯状の集まりです。

💡 JPCZは、強い冬型の気圧配置と関係があり、大雪や暴風雪などの災害を引き起こすことがあります。

💡 近年、JPCZの発生メカニズムや予測精度の向上に向けた研究が進められています。

それでは、JPCZについて詳しく解説していきましょう。

JPCZの形成と研究の歴史

日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)とは?

冬季の日本海に発生する風の収束帯

JPCZは、冬の日本海側では頻繁に発生する現象ですが、その発生メカニズムは複雑で、まだ完全には解明されていません。

大雪もたらした「JPCZ」 記録的な降雪、数年に1度の寒気も影響:朝日新聞

公開日:2021/12/27

大雪もたらした「JPCZ」 記録的な降雪、数年に1度の寒気も影響:朝日新聞

✅ 2021年12月25日から日本列島を覆った記録的な大雪は、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)と呼ばれる現象によって発生した。

✅ JPCZとは、大陸からの北風が朝鮮半島北部の山脈で二つに分かれ、日本海で再び合流することで発生する帯状の雪雲のことである。

✅ 今回の大雪では、JPCZに加えて、1週間ほど前から続く強い冬型の気圧配置も影響し、西日本の日本海側を中心に記録的な降雪量となった。

さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/ASPDW53M2PDWUTIL030.html

記録的な大雪は、JPCZと冬型の気圧配置が重なった結果起きたんですね。

すごいですね。

日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)は、冬季の日本海で発生する風の収束帯で、長さは1000kmに達し、数日間同じ場所に停滞することがあります。

JPCZは、ユーラシア大陸から日本列島に向かって吹く北西風と、日本海の存在によって形成されます。

白頭山脈の存在により、大陸からの気流は山脈を越えることができずに迂回し、風下側で収束します。

さらに、ユーラシア大陸と日本海の温度差や日本海の南北海面水温傾度が収束を強化し、風下に伸びる長い収束帯が形成されるというものです。

JPCZの研究は、1980~1990年代に盛んに行われ、集中観測やシミュレーション研究により、その成因が3つの要素によって生じることが明らかになりました

しかし、JPCZの収束スケールの小ささや雲微物理過程、複雑な大気海洋相互作用など、解明すべき点は多く残されています。

近年は、観測網の稠密化や気象モデルの高解像度化により、JPCZの研究が進展していますが、予測精度の向上はまだ課題となっています。

JPCZは、冬季の日本海の気象現象の中でも重要な要素であり、今後もそのメカニズムの解明とより正確な予測が求められます。

なるほど。JPCZって昔から研究されてきたんだね。最近は、気象モデルや観測技術が進化して、詳しくわかるようになってきたのかな?

JPCZと豪雪の関係

JPCZはどのように豪雪をもたらすのか?

強い雪雲形成による

JPCZの構造が明らかになったのは、洋上気球観測のおかげなんですね。

豪雪をもたらすJPCZを日本海洋上観測で初めて捉えた-1時間毎の気球観測に成功-
豪雪をもたらすJPCZを日本海洋上観測で初めて捉えた-1時間毎の気球観測に成功-

✅ JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の構造を、1時間毎の洋上気球観測によって初めて明らかにした。

✅ JPCZ中心部では、風・気温・湿度・気圧の急変が雪雲のトップまで達しており、周囲から気流が収束し、その水蒸気がJPCZに集中して大雪をもたらしていることが明らかになった。

✅ 今回の観測結果は、豪雪のさらなる解明と予測に役立つだけでなく、地球温暖化の研究や防災にも役立つことが期待できる。

さらに読む ⇒新潟大学出典/画像元: https://www.niigata-u.ac.jp/news/2022/103415/

やっぱり、JPCZは豪雪を引き起こす重要な要因なんですね。

JPCZは、海面からの蒸発した水蒸気を集め、強い雪雲を形成して豪雪をもたらします。

研究チームは、洋上気球観測によってJPCZの構造とメカニズムを明らかにし、JPCZが暖かい対馬暖流の影響を受けて維持されていることを確認した

この研究は、豪雪の予測精度向上や地球温暖化による豪雪頻発の可能性を検討する上で重要な貢献となる。

JPCZの構造を明らかにしたってすごいね!これからは、豪雪の予測精度も上がっていくんじゃないかな?

冬型の気圧配置とJPCZによる豪雪

冬型の気圧配置で雪が多いのはなぜ?

日本海側に季節風が吹き込むため

冬型の気圧配置とJPCZが重なると、大雪になるんですね。

日本海側に大雪をもたらすJPCZとは?過去の事例から備えを考える
日本海側に大雪をもたらすJPCZとは?過去の事例から備えを考える

✅ この記事では、冬の日本海側で降る雪のメカニズムについて、冬型の気圧配置、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の形成と影響、過去の事例として2018年の北陸豪雪を取り上げて解説しています。

✅ さらに、豪雪地帯における雪対策の重要性を訴え、除雪作業中の安全確保、立ち往生防止のための準備、車のマフラーの詰まりによる一酸化炭素中毒の防止について具体的な対策を提示しています。

✅ 最後に、現在のラニーニャ現象が終息に向かう可能性が高いものの、2月にかけて気温は平年並みか低く、日本海側の降雪量は平年並みか多いと予想されているため、引き続き雪への備えを怠らないよう注意喚起しています。

さらに読む ⇒そらくら - 天気を味方にキレイと暮らしをサポートするメディア出典/画像元: https://sorakura.jp/20221216201/

2018年の北陸豪雪は、JPCZの影響が大きかったんですね。

冬型の気圧配置とは、西側にシベリア高気圧、東側に低気圧が存在する状態を指し、日本海側を中心に北西の季節風が吹き込み、雪をもたらします。

冬型は、山間部に雪を降らせる「山雪型」と、平野部にも積雪をもたらす「里雪型」に分けられます。

日本海側が特に雪が多い理由は、シベリア高気圧からの季節風が山脈を越えられないため、太平洋側が晴れる一方で、日本海側に吹き込むためです

さらに近年注目されているのが、「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」です。

これは、シベリア高気圧からの季節風が長白山脈で分断され、日本海で合流することで形成される収束帯で、東北南部や北陸から山陰にかけて短時間で積雪が急増する可能性があります。

雪対策って大事なんだね。雪国に住んでる人は大変だな。

JPCZによる豪雪の脅威と対策

北陸豪雪の教訓!JPCZによる大雪、どう備える?

安全対策、早めの準備が重要

ラニーニャ現象は、冬の寒さを強めるんですね。

北陸の冬 ラニーニャ現象による低温とJPCZによる局地的な大雪に万全の備えを!(気象予報士 河原 毅 2021年11月26日)
北陸の冬 ラニーニャ現象による低温とJPCZによる局地的な大雪に万全の備えを!(気象予報士 河原 毅 2021年11月26日)

✅ 今冬の日本はラニーニャ現象の影響で、大陸からの寒気が南下しやすく、沿岸部や平野部を中心に降雪となる里雪型となる可能性が高い。

✅ ラニーニャ現象が発生した過去の冬は、北陸地方の平均気温が前年より低く、最深積雪が100cmを超えるなど、大雪に見舞われた年が多い。

✅ 12月5日頃には平野部でも初積雪となる可能性があり、冬タイヤの装着や雪道の運転に備える必要がある。また、農業関連ではハウスの損壊や倒壊防止、樹木の補強など、事前に対策を行うことが重要。

さらに読む ⇒日本気象協会 tenki.jp - tenki.jp出典/画像元: https://tenki.jp/forecaster/t_kawahara/2021/11/26/15019.html

ラニーニャ現象の影響で、今年は雪対策をしっかりとしておかないと危ないですね。

2018年2月の北陸豪雪を例に、JPCZによる大雪の危険性を示しています

また、雪対策として、屋根の雪下ろしなど除雪作業の安全確保、車の立ち往生防止のための準備、一酸化炭素中毒対策など、具体的な対策を挙げています。

最後に、ラニーニャ現象の影響で、日本海側は大雪の可能性があると警鐘を鳴らし、週間予報を確認し、早めに対策を講じるよう促しています。

今年の冬は、雪対策はしっかりとしておかないと損だよ。

JPCZによる雪氷災害と対策

雪氷災害から身を守るには?

雪おろシグナルで安全確認

雪氷災害は、様々な形で発生するんですね。

雪氷災害の犠牲者減らす。人々の行動変容を促す研究開発の現在地
雪氷災害の犠牲者減らす。人々の行動変容を促す研究開発の現在地

✅ 防災科学技術研究所雪氷防災研究センターでは、雪氷災害による犠牲者や家屋の倒壊などを減らすため、屋根の雪下ろし判断材料となる積雪重量分布情報を地図化した「雪おろシグナル」や、表層雪崩の危険度予測情報の提供に向けた試験運用など、さまざまな研究開発を行っています。

✅ 「雪おろシグナル」は、積雪重量分布情報を地図化することで、屋根雪の状況を把握し、雪下ろしが必要かどうか判断する材料を提供しています。また、表層雪崩の危険度予測システムは、低気圧による降雪や冬型の気圧配置による降雪などを考慮し、雪崩発生の危険度を5段階に色分けして地図上に表示することで、事前に危険性を把握できるようにしています。

✅ これらの研究開発は、雪氷災害に対する人々の意識向上と行動変容を促し、災害リスクを減らすことを目的としています。今後、これらのシステムの精度向上や新たな機能の開発などが進められ、より効果的な雪氷災害対策に貢献することが期待されています。

さらに読む ⇒ニュースイッチ by 日刊工業新聞社出典/画像元: https://newswitch.jp/p/30349

雪おろシグナルは、雪下ろしのタイミングを判断するのに役立つんですね。

2018年1月から2月にかけて日本海側で発生した大雪は、交通機関の麻痺、雪崩など様々な雪氷災害を引き起こしました。

特にJPCZと呼ばれる発達した雪雲は、大規模な積雪と集中豪雪をもたらし、1500台以上の自動車立ち往生や列車の立ち往生などの交通障害が発生しました。

さらに、3月には気温上昇による雪解け水が河川を氾濫させ、雪泥流が発生し、作業員が犠牲になる事故も起きました。

雪氷災害は交通事故、屋根からの転落事故など、様々な形で発生しており、特に高齢者が単独で雪下ろしを行う際に起こる転落事故は深刻な問題となっています。

そのため、防災科学技術研究所は、雪下ろしを行うタイミングを判断するためのシステム「雪おろシグナル」を開発し、公開しています。

雪おろシグナルは、地図上で場所をクリックすると積雪の重さを表示し、雪下ろしを行った日付を入力することで、その後積もった雪の重さを計算できます。

このシステムは、雪下ろし事故と家屋倒壊の危険性を軽減するために役立ちます

雪氷災害対策は、本当に重要だね。雪おろシグナルみたいなシステムがもっと普及すればいいのに。

JPCZは、冬の日本海側で発生する重要な気象現象で、豪雪などの災害を引き起こす可能性があります。

対策をしっかりとして、安全に冬を過ごしましょう。

🚩 結論!

💡 JPCZは、日本海寒帯気団収束帯の略称で、冬の日本海側で発生する雪雲の帯状の集まりです。

💡 JPCZは、強い冬型の気圧配置と関係があり、大雪や暴風雪などの災害を引き起こすことがあります。

💡 近年、JPCZの発生メカニズムや予測精度の向上に向けた研究が進められています。